RATID -Realize A Thing In The Depths-

新年度からは下ネタを言わない。
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エンドルフィン / アルファ


1.39DMP
2.ALIEN24(&DJ TASAKA)
3.アクティマン
4.エレキテル
5.イーアル雀拳 feat.宇多丸/from RHYMESTER(&DJ TASAKA)
6.ボンマーチ
7.DO DIG DO!!
8.センチメンタルラブ feat.LITTLE/from KICK THE CAN CREW
9.HITORI GOD
10.怪ウツ君 feat.DJ TATSUTA
11.エクスタシー温泉(&DJ TASAKA)
12.BLUN

★★★★★★★☆☆☆

アルファの1stフルアルバム。2002年11月13日発売。

メジャーフィールドに進出したことで独特の音楽性に聴きやすさがブレンドされ、現在のアルファのスタイルを確立した一枚。彼らの音楽的特徴の多くを担うのはやはりDJ SUZUKIが中心となって手掛けるそのトラックだ。電子音楽全般をセンス良く取り入れたその音には程好いポップさが加味され、その手のHIPHOPに免疫の無いリスナーはもちろん、HIPHOP自体に免疫の無い一般層すら飲み込んでしまった。

トラックが差し込まれ引き抜かれ、とにかく変化球を全部投げ尽くすようなスタイルは、ワンループの美学に染まったヘッズほど新鮮に響くのではないだろうか。冒頭の「39DMP」や「ALIEN24」、そしてエクスタシー温泉にしろ、TSUBOIとWADAのリリックこそファニーで一般受けする向きを忘れていないが、サウンド面では既存のHIPHOPに挑戦しているようにしか聴こえない。

ひたすら音遊びを披露するノイジーなリピーティション型ラップの「エレキテル」も、DJ SUZUKIがメインに立って欲求のままに作った曲は楽しいという、後の作品にも通ずる法則の源流と言えるだろう。

ただ、曲によってはただ凡庸なポップに陥る一歩手前で何とか踏み留まっているような曲もある。特に宇多丸との「イーアル雀拳」、LITTLEとの「センチメンタルラブ」なんかはやりすぎだと思う。聴きやすいが曲の寿命が非常に短く、すぐに飽きる類のそれだ。その辺りの音楽的なバランスでは、やはり3rd『Alien』が至高だろう。しかしインディーズ時代の雑多な趣向を纏め直し、現在までの独自路線への足がかりとなった作品として、重要な意味を持つアルバムではある。


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15:17 | アルファ | comments(0) | -
Science Nonfiction / RHYMESCIENTIST


1.R指定
2.BE LIT TO DA WESTERN
3.BROTHER feat.KURA (浪速FLAVOR)
4.STUDIO PLAYAZ
5.MONKEY NA BUSINESS
6.SPACE KEN (N’n THE HOUSE)
7.HI SPEED EATER ~21bounce MIX~

★★★★★☆☆☆☆☆

RHYMESCIENTISTは大阪を中心に活動を続けるHIPHOPバンド。ジャズ、ファンクを中心に多様なジャンルを混ぜ合わせたその音楽性を、彼らは「HIPBOP」と呼んでいる。本作は彼らが2001年8月22日に発売した1stミニアルバム。当時のメンバーはTARMAN(MC)、DAI-Z-LOW(DJ)、MSA(ギター)、BOOKDEN(ベース)、仁(ドラム)。

帯に踊るROY Z(Cypress Hillの一員として日本ツアーに帯同していたのか?)の言葉や冒頭のシャウトから「R指定」までの流れにも見て取れるように、そのサウンドには2nd〜4th辺りのCypress Hillの影響が色濃く感じられる。もちろんそれで全ての説明がつくほど単純な音楽ではなく、バンド形態のHIPHOPらしく、雑食な嗜好を反映した変化球が7曲続く作品だ。

特にモロにSoul Assassinスタイルの「R指定」、続く「BE LIT TO DA WESTERN」なんかは、実際に向こうのアーティストにも決して劣らないくらいの迫力はある。その後もジャズピアノが踊ったりドラムンベースが疾走したりと、彼らのフレキシブルな音楽性を十分に感じさせてくれる。

惜しむらくは、まだ未完成なTARMANのラップ。遥か先を行くサウンドを遠くに見詰めながら、前時代的なフロウに終始する。このラップスタイルは関西勢には決して珍しいことではない。しかし彼らの場合、その泥臭さが90'sの匂い満点のトラックと上手く調和する多くのアーティストと異なり、あまりにも古めかしいラップと、右へ左へ様々な音楽を追い求めるサウンドとの相性が悪すぎる。

とは言え、日本のHIPHOPには欠乏しがちな様々なパーツを持っているバンドなだけに、これから進む方向性によっては、かなり面白いアーティストになる可能性もあった。…のだが、メジャーに移籍して出した2nd『Essentially』からは、見事に悪流に呑まれて有象無象のポップ型ミクスチャーバンドのようになってしまった。それでもこの『Essentially』には韻シストのBASIが参加した「Everyday Everytime Everynight」など、まだいくらか聴ける曲はあったのだけれど、それ以降はいよいよもって薄味の音楽を発信するようになってしまう。
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23:45 | RHYMESCIENTIST | comments(4) | -
lil farm / 韻シスト


1.In Da Farm
2.In The Control Room
3.Set Off The Speaker
4.Formal Pride

★★★★★★☆☆☆☆

MCのFunky MicとサックスのKenjiが脱退した韻シストが、4thアルバム『Big Farm』発売に先駆け、彼らがお世話になっているという福岡、沖縄、京都、大阪の6店舗にて1430枚限定で配布した無料ミニアルバム。2011年2月28日配布開始。

Set Off The Speaker」以外はインストであり、あくまでもきたる新作に向けての前哨戦。『Big Farm』に向けてまずは小農場を案内する、ヘッズに対するオリエンテーションといったところだ。

ベースとギターが仲良しな「In Da Farm」が力強い音圧と共に流れてくると、メンバーの入脱退を繰り返しながらも、やっぱり韻シストの強さは不動だと実感する。 "こんなHIPHOP お前好きか?" と問いかけながらまったり流す「Set Off The Speaker」にも、彼らの変わらぬ姿勢が見て取れて安心する。揺らがないベースの部分での円熟味を感じさせながらも、 "過激なバンド いつも挑戦" と歌うように、本作からはベースのSHYOUがボーカルで参加することもあるようだ。実際この曲でもその歌声でオーガニックな味付けを施しており、彼らのスタイルのうち、特に「」や「Relax Oneself」のような、スロウな曲において幅が広がりそうだ。バンドの力量、2MCのラップ共に相変わらず揺るぎ無いので、こうしたほんのスパイスを混ぜ込みながら自身のスタイルを求道してくれれば、新作も期待出来るものになりそうだ。
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12:58 | 韻シスト | comments(0) | -
RHYME RHYTHM / MOTOY


1.イントロ
2.ゲーム
3.改タクシャ
4.現実逃避 feat.Yes, Ido. a.k.a. IDOX
5.ウマシカ
6.Funky feat.ダースレイダー
7.回転男
8.ドウケ
9.パイの実  feat.DJ HIMUKI,DJ YASUO, DJ MATSUEDA
10.DAY-Disco Boy Rally mix- feat.漢, O2, ILLMURA
11.D.H. feat.DJ TAKADA, Sierra
12.LIFE feat.DJ TONK
13.アウトロ-太華の太鼓 at connection-

★★★★★★☆☆☆☆

MOTOYの1stフルアルバム。2004年6月18日発売。

彼の作品で最も出来が良いのが本作。これ以外の作品では、当時としても古典的なフロウに比してテクニカルな音を求めた結果、ラップとトラックの水と油具合が酷く、失敗した薄味の創作料理を食わされている気分になった。その両者の距離が最も縮まり、かつ一定程度うまく噛み合わさっているのがこのアルバムだろう。特に「GAME」は、両者が均衡を保つぎりぎりのところで上手くバランスを保った佳曲だと言える。ただしこの曲はPVが爆笑してしまうほど酷く、曲の渋みを抹殺してしまっているのだけれど。

数か所でミックスしたトラック(1曲はなんとCHI3 CHEEEがミックス)も総じて綺麗に低音が際立つ処理が施されている。これにより、芯のあるビートがMOTOYのストレートなラップをガッチリ絡め取っている。この良さは、酷評した前作のEP、後の2ndアルバムにはなかったものだ。特にミックス処理の酷さが際立ったEPとは見違えるほど良くなっている。さすがにあのミックスはまずいと思ったのだろうか…。

ただ、作品の組み立て方は3作品で最も上手く出来ているものの、相変わらずほとんどが無味乾燥な出来にしかならない、華の無さは変わらない。前述の「GAME」と、続く「改タクシャ」を除けば、ラップの局所的な巧さ以上に、その声の軽さ、ライムのつまらなさが圧倒的に上回ってしまっている。音選びのセンスなどは当時として非常に特殊なものがあったと推測されるが、肝心のラッパーとしての売りがほとんどと言って良いほど無いのはやはり痛い。結局は「他のアルバムよりは良い」というパッシヴな評価に落ち付けよう。

MOTOYのラップは、テーマにしてもリリックにしても「アングラ」の看板を背負って立つほど独自の世界を見せる方向に舵を切ってはいない。アプローチが面白いのは人生の光と影を、DJ TONKのトラックを変化させることで描こうとした「LIFE」くらいだが、結局リリックもつまらないし、せっかくの場面転換にも、ラップがパッとしなさすぎて耳が惹き付けられない。そうした、ラップにおけるそのメーターの振り方の中途半端具合に物足りなさを感じる一方、トラックについては、そのラップに合わせる形で中道を希求すると、こうして上手い具合に体裁が整った。結局、ブッ飛んだアングラを突き詰めることが出来ずに中庸なHIPHOPを打ち出すことしか許されなかったのが不憫ではある。

なお、原曲のトラックがうるさすぎてラップが何も聴こえなかった「DAY」のリミックスは、一転して抜きのグルーヴでリコンストしたぶん、少なくともラップが主役になった。しかし変化球を狙い過ぎてまた外した感があり、全体のクオリティとしては大差ない。


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01:01 | MOTOY | comments(0) | -
Xカリバー / 剣桃太郎


1.其の壱
2.HYDRO PANIC
3.WINS MAN with WINS MAN
4.LAST OF SAMURAI feat.K5R, 般若, ASHRA
5.仁義
6.夜桜
7.さからうな!
8.Xカリバー
9.実況トニー
10.死刑執行0:01
11.三味線
12.野良犬 サパ ピルカ セタ feat.SHINNOSK8,神,響言奏
13.ウロヤケヌマ feat.GK MARYAN, D.O.
14.違えんだよ feat.RINO LATINA II
15.ブリブリテーマソングpt.III feat.DEN, TWIGY

★★★★★☆☆☆☆☆

妄走族の一員・剣桃太郎のソロデビューアルバム。2007年8月8日発売。

妄走族の中では般若に次ぐパンチライナーとして光っていた彼だが、初のソロとなる本作は存外キツイ。グループの中では8分の1だけヴァースを埋めれば良かったものが、1曲丸々リリックを書くとなると、それまで覆い隠されていた作詞能力の低さが露わになってしまった。 "学習しとけ ノートはジャポニカ" "100%ジュース絞り出し おかわり"(「HYDRO PANIC」)など、パンチラインと紙一重でダサい方に傾いた言葉達がそこら中に無残に転がる。ある意味般若よりも攻撃に特化したそのスタイルが作中で一貫するため、余計に言葉の振り幅も限定され、たまに外れ値で変な言葉が転がり出てくるだけといった感じ。

腕の見せどころであるDISソング「さからうな!」はスタイルと抜群の親和性を見せたぶんまだ聴けるが、リリックが聴けるようになっても、今度はフロウの貧弱さが気になるようになる。オンビートで単調な乗せ方しか出来ないラップを延々と聴いていると、「LAST OF SAMURAI」で縦横無尽にビートを駆け巡る般若との差は、フロウに関しても大きいのかもしれないと思った。

ソロ曲で一定水準以上に達したのは「Xカリバー」くらいなんじゃないかとすら思うが(「実況トニー」を曲として扱ってよいならあれが一番だが。あれは面白かった)、この曲にしろどの曲にしろ、HOOKが壊滅的に酷い。このせいで、せっかくソロ曲での損失分を取り返せるはずのマイクリレーものですら、HOOKが回ってくる度にリスナーをげんなりさせることになる。

結局、山積みになった課題がありありと見えたソロデビューとなってしまった。妄走族に特有なギャングスタとは違う日本のチンピラフレイヴァをクルーで最も受け継いだ彼。それを活かそうとした「夜桜」、「三味線」も本作では目も当てられないクオリティでしかないが、事実持っているパーツ自体は面白いのだから、方向性は変えずにきっちりソロマイカーとして成長してくれれば、と思う。唯一「ブリブリテーマソングpt.III」でダウナーに決めるTWIGYには期待して良い。


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12:44 | 剣桃太郎 | comments(2) | -

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