RATID -Realize A Thing In The Depths-

新年度からは下ネタを言わない。
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Payday / THE HELLO WORKS


1.J・O・B 
2.SAIMIN'   
3.HIGH & FAST   
4.SHINE! 
5.プロジェクト"HELLO"    
6.6 DIMENSIONS 
7.Discoteca Pacifica 
8.今夜はブギーバック(Re-play)feat. ハナレグミ 
9.ワークフロウ 
10.EVERY SINGLE DAY 

★★★★★★★☆☆☆

スチャダラパー、インストゥルメンタルバンドのSLY MONGOOSE、元脱線3のロボ宙によるTHE HELLO WORKSのアルバム。2007年12月5日発売。

スチャダラパー(+ロボ宙)はこれまで物語の中で役者を演じるか、素で自らを語る時は自分を何の変哲もない人間として描くことで日本のHIPHOP黎明期から独自の地位を築き、高い評価を得てきた。本作は、そのスチャダラパーが、初めてカースト下位の人間としての鬱屈した感情むき出しにを描いている点でやはり異質な作品と言える。

聴いていてどんよりしてくる生々しさの源泉は、例えば「闇金ウシジマくん」を読んだときのそれと同じところに根差していて、明るさの中に刺を潜ませるスチャダラパー単体のアルバムとはその辺りでも趣を異にする。

こうした点は賛否と言うよりも好き嫌いの別れる部分かも知れない。しかし、冴えない感情のドロドロした部分をすくい取るようなSLY MONGOOSEのバンドサウンドはフレッシュでカッコ良いし、「
SAMIN'」や「HIGH&FAST」あたりはアルバムコンセプトを抜きにしても、ひたすらにカッコ良いHIPHOPをただ追い求め続けるリスナーの欲求にも応える完成度の高さだ。

うだつの上がらない生活の中でも毎日に生きがいを見つける「
EVERY SINGLE DAY」でアルバムを締めるあたり、その辺の不幸自慢を丸投げするだけのアーティストとは違って、やはり長く生き残ってきたベテランの業を感じる。

そして、アルバムコンセプトからやや独立した文脈で評価出来るのが「
今夜はブギーバック(Re-lay)」だ。正直に言おう。原曲よりも好きです。SLY MANGOOSEのファンキーで透明感溢れるファンクサウンドの抜けも気持ち良いし(最後のサビが終わってからの流れなんて最高!!)、話題性のための再演なんて言わせない、問答無用にハイセンスなリメイク。10分を超える大作ですが、原曲と同格に位置付けることになんの躊躇もありません。

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01:15 | THE HELLO WORKS | comments(2) | -
えん突つサンプラー Vol.2 / V.A.


1.SOUL BROTHER(KAMINARI-KAZOKU.feat.D.L,DEN) 
2.BAIT 2005(ILLMATIC BUDDHA MC’S feat.KURO-OVI) 
3.摩天楼(SHINNOSK8) 
4.MONEY ON MY MINE(SHIBA-YANKEE,D.O,565) 
5.AT THE FEVER(TWIGY,D.L,NIPPS,SHINNOSK8,加藤ミリヤ)
6.ORGAN BAR ON MONDAYS(YOU THE ROCK★,E-MOTOROLL,THE AMAZON,D.O,SHIBA-YANKEE) 
7.BE QUIET(BEACH BUM MIX)(TWIGY) 
8.BIG BLUNTS NO STUNTS(DJ AMEKEN,DJ TARBO) 
9.LOVE YOU DOWN(HI-D&TWIGY) 
10.DELUX RELAX(V.I.P REMIX)(G.K.MARYAN,SHINNOSK8,D.O,REILI,TE-QUILA) 
11.イライラが止まんない(D.O) 
12.MIC EXPLOSION(G.K.MARYAN,XBS) 
13.FOR DA NEXT(LAMP EYE) 
14.SCRAMBLE CROSSING(CHOPPED&SCREWED MIX)(D.O,565,WIGGY CLIFTON

★★★★★★★☆☆☆

不滅のクラシック「
証言」や、初のCD音源化となった「KAMINARI」「夜ジェット」の収録などで話題を呼んだコンピレーションアルバム第二弾。2005年8月5日発売。

雷家族周辺のメンツを集めての一大フェスティバルだが、コンピレーションという体裁だからこそ許される、出来上がった曲を節操無く放り込んだ混沌具合がその雰囲気を助長していて楽しい。KAMINARI-KAZOKUのアルバム収録曲のリコンスト「
SOUL BROTHER」は、幕開けに相応しい、視界の開ける解放感が良い。僕自身はズリ足で這うような原曲も大好きだが、こっちのヴァージョンの方が好きだという方が多いのも納得の、直球のカッコ良さ。

他にも、本作のひと月前に発売されたHI-D&TWIGYの延長となる「
LOVE YOU DOWN」の後に力任せのバウンスビートが迫力満点の「DELUX RELAX V.I.P. REMIX」が遠慮なく並んでたり、気分が乗ってるときに聴くぶんにはとても楽しい作品だ。

SHINNOSK8のレアなソロ曲「
摩天楼」や、ラフミックス&NIPPSの手抜き&いたかどうかもわからないKURO-OVIなど、何一つ良いところを示せなかったブッダMC揃い踏みの「BAIT 2005」、アルバムの締めにどろりと溶けて聴くにはいささかリリックがアレすぎて落ち着かない「SCRANBLE CROSSING」のスクリュード版など、気張らないで良いぶんモラルハザードが目につかないこともないが、それも含めて楽しむのがオツっちゃオツだろう。

まぁ誰が何と言おうが、一番ワクワクさせてくれるイントロと内容なのは「
AT THE FEVER」だけどな!!
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01:23 | V.A.3 | comments(2) | -
Green Sounds / TATE&MARKIE


1.Stand by me 
2.しろつめ草 
3.Life Goes On 
4.OH MY GOOD!? 
5.Life Is Show feat.GAGLE
6.HIKARI 
7.青い鳥 
8.風と共に叫ぶ 
9.Free? 
10.喜びの唄 

★★★★★★☆☆☆☆

青森出身のMCで、KUTTSと共に『夜光虫』としても活動していたTATEと、山形出身のMARKIEによるユニットの1stアルバム。2004年9月8日発売。

いわゆるポップス寄りのHIPHOP。夜光虫経由でTATEを辿ってこのグループに行き着いた方が大半だと思うが、本作はMARKIEのメロディセンスと歌声に支えられている所が大きい。「Stand by me」での歌声とかほんとすてき。HIPHOPフィールドでは馴染みの薄いプロデューサー達によるトラックも、ド派手に装飾を施した下世話なものではなく、ポップな色付けながらも全くうんざりせずに聴ける。

こうしたことから、すこぶるサビのクオリティが高い。MARKIEがTATEに対するサビ指導も行ったのではないかと推測するが、当時あちこちで耳にした先述の「
Stand by me」(PVも良い)やm-floライクなダンサンブル「しろつめ草」、やっぱりゴージャス感のない丁寧さが耳に優しい「風と共に叫ぶ」など、ほぼ例外なく2人で作るサビに、このグループの魅力がある。

ただ、裏返せば残念ながらTATEのラップが活かされている部分がそう多くないということでもあるのだけれど。健全なリリックは嫌味無く耳に届くけれど、うわずった声でのよたつきがちなラップが、曲によっては音として浮いている部分も散見される。ただ、ラップの部分で多少改良の余地があるとしても、それを補えるだけの健全なメロディの心地良さが本作には溢れている。ポップ寄りのHIPHOPに特に抵抗の無い方なら、サビや各所のメロディがクオリティを底上げしていることで一定の満足は得られる作品だろう。もちろんヘッズのためにGAGLEを呼んで、いかにもDJ MITSU THE BEATS作なピアノの上で織りなす「
Life Is Show」なども用意されている。HOOKも請け負ったHUNGERが遠慮なく全部たいらげちゃってるけど。GAGLEでやれ。

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23:34 | TATE&MARKIE | comments(0) | -
喪服の楽団 / 黒


1.喪服の楽団
2.爆音太郎
3.熱夜の祭典
4.前へ
5.月光feat.トモ
6.月夜の晩
7.黒くくだく

★★★★★☆☆☆☆☆

大我あざなタイプライターが自前のレーベル・254レコードのもとで結成したグループ・黒のミニアルバム。全員があざなを冠しての覆面構成で、メンバーは黒明(タイプライター)、黒士無双、暗黒、黒ヒゲ、真黒、黒口、黒ケンの7MC体制。2001年8月1日発売。

ラフ・ライマーズに始まり、当時も今も埼玉のシーンと言えば、ヤンキーHIPHOPのはびこる場所という認識が大変失礼ながら僕にはあるのだが、本作もそのイメージにキッチリ与する作品だ。"死ね"だの"生首"だの"あの世で後悔してくれ"だのといった、HIPHOPバブルという時代背景にも支えられた空虚な攻撃的リリックが並ぶ。もちろんリリックメインで聴く作品ではないのは始めからわかっているけれど、ここまでくると、やっぱり聴いていてちょっと気恥ずかしいような思いに駆られるのも事実だ。

ただクルー内でのスキル差(タイプライターが一番下な気も…)に目を瞑れば、多人数マイクリレーを成立させるにあたっての各MCのキャラ立ちは、意外なほどしっかりしている。特に、他メンバーに比して一人フロウの巧さで見せる黒口は良い。黒口にスキルは及ばないものの、暗黒と黒ヒゲのヘヴィ級ガナリストコンビも、本作のクオリティを押し上げている。タイプライター特有の、カラオケみたいに表面で音がシャンシャンなるトラックには、乗るのがタイプライター自身の高音ラップだけでは余りにもライトすぎる。そうした状況でこれらのメンバーの支えは、(弱点補完であるという点で消極的な意味ではあるけれど)曲にどっしりと厚みを加えたものとして評価されて良いだろう。

とは言え、やたらにHOOKを担当して歌いたがるタイプライターの暴走もあり、どうしても安っぽい軽さも、スキルのバラつきによる「地方インディーズ」感も拭いきれない。今になって聴くには、様々なものが余りに貧弱であることは否定出来ないだろう。しかし挨拶代わりに勢いで攻める「
喪服の楽団」と、黒口と暗黒が特に頑張った「月夜の晩」はそれなりに聴ける。後者は珍しくタイプライターのトラックも耳に痛くない。

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01:43 | | comments(2) | -
LIVE IS LIFE / MASARU


1.ROOTS feat.JACK HERER
2.フライヤーマン 
3.DANCE HALL 
4.女神 feat.SILVA
5.ヘブンズドアー 
6.SKIT 
7.WARNING feat.565,神
8.真花 
9.輪句 feat.NOB(GAS CRACKERZ remix)
10.SKIT 太子堂にて,,, 
11.WHAT’S UP feat.KENTA5RAS,D.O,JAHWON,YAS,練馬 DA FUCKER
12.寝床 
13.STAY GOLD feat.DEN
14.NO 弾   
15.導場 

★★★★★☆☆☆☆☆

しかめっ面の並ぶ妄走族における唯一のキャッチー要員・MASARUの1stアルバム。2005年12月7日発売。

方々で評判に上るその律義で謙虚な人間性はさておき、音楽的な評価にのみ絞ってみれば、MASARUのかわいらしい高音ラップも、妄走族の多人数の中での記号的な特徴でしかなかったんだな、と感じてしまった。ソロになってたっぷりと聴かせてもらったラップは、その声質以外にさしたる武器を備えていない。意外にも特徴的な声に聴き疲れを起こしてしまうといったことはないが、それよりも新鮮味のないリリックを延々と聴き続ける苦行に直面する。

ソロ作ならではの試みとしては「
フライヤーマン」、何気に一番のサプライズゲスト・SILVAが参加の「女神」、DENとの「STAY GOLD」などがあり、これらについては一定のクオリティは確保出来ているものの、それ以外の曲になると、妄走族でやっていたことをそのまま1/8の火力でやっているだけだ。

しかし一方で、本作でMASARUが抱える弱みの一部は、そもそも妄走族の一員であることにも由来してしまう。それは何故か。

その理由を説明する際に前提となるのは、ソロ作を出すにあたって内容の多様性の確保はラッパーにとって必須作業であるということだ。それが本作では失敗している。妄走族ではあどけない声で一際目立てたMASARUは、ともすればその声を活かしてユーモア路線の曲を増やすことも出来ただろうに、妄走族で散々やったような手垢のついたストリート感を全面に押し出してしまった。それは「妄走族の一員」であるMASARUが、ソロで活動するにあたっては、彼のグループが背負ったHIPHOP的に名誉なダーティスティグマを手放すわけにはいかなかったことに依拠する。つまりやさぐれ集団の中で一抹の清浄要素であった彼は、その冠を背負ってソロ活動に足を踏み入れると一転、自らの"「
ROOTS」"を重視するならより「妄走族的」であらねばならなかったということだ(「ROOTS」のPVがまさしくそれを証明している)。そうして、あえて根無し草になることを恐れずこれまでとはまるで違った自分を示すリスクを避けた結果が、本作が「一人版妄走族アルバム」でしかなくなった一因だろう。

GAS CRACKERZ、LUCHA、タイプライター、K-LOVEといった馴染みのメンツによるトラックメイクもこなれたものでMASARUとの相性も決して悪くないが、それも含めて安全牌を並べに並べて「ソロならではのMASARU」がほとんど見えなかったことは残念だ。今日でも積極的に活動を続けていることは凄く嬉しいし、この5年の間に何かデカイ武器を手に入れて次回作に取り掛かってくれることを期待しています。B-BOY PARKのバトルに出場したり、他の大半のメンバーよりも真摯にHIPHOPに取り組む姿勢には、こんな期待が無駄にならないことを確信させるだけの熱さが透けて見える。

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01:39 | MASARU | comments(0) | -
SP&ST / GICODE


1.ZERO3 plus Mr.Q 
2.TOO LIVE 
3.JUMP AROUND 
4.A DREAM 
5.HOME SWEET HOME plus AI,JAMOSA (ALBUM VER.) 
6.13ARBIE GIRL 
7.1868 
8.VAGABOND plus Yuichiro Morishita 
9.UNUSUAL 

★★★★★★☆☆☆☆

SPHEREとSORA3000によるユニット・GICODEの2ndアルバム。2009年3月18日発売。

彼らの1stアルバムは、後追い組にとって、主にL-VOKAL,Def Tech,MEGA-G,SYZAといった現在活躍するラッパー達の萌芽を確認出来るという点で意義深い作品だった。正直なところ、SPHEREとSORAのラップそのものを期待して購入した人はそう多くなかっただろう。そして、そうした客演もほとんど削ぎ落された本作は予想通りというか、前作に比べてもほとんど話題にならなかった。僕も本作は完全にスルーする気でいたが、結果的にはこうして購入することに。

その理由は、僕にとって本作が持つ唯一の訴求要素と言えるQが参加した「
ZERO3」の出来がすこぶる良かったからだ。全編通して鳴らされる、厚みのあるバンドサウンドとプログラミングが一気に牙を剥くこの曲のイントロの展開は、2人のラップよりも数段センスに溢れている。SPHEREとSORAのヴァースは悪くは無いものの、やはり無味乾燥な感が拭えない。が、ヴァンガードを務めるQのバンドセッションはお手のものといったラップとこの音の融合が物凄く良い化学反応を起こしている。この曲の前半部分だけでグイッと引き込まれた。

また、キワモノ感が凄いHOUSE OF PAINの永遠のクラシックのカバー「
JUMP AROUND」も意外に悪くない。ヴァースはほぼまんまカバーで、特にSPHEREの声の迫力の無さに不満が残るのは事実だ。しかし、原曲を下敷きに、より厚みとドロドロ感をハイセンスにブレンドしたトラックが、やはり良い。批判も覚悟の上で言えば、この音は、今では「古典的」名曲である原曲を現代的に進化させたものとして、積極的に評価して良いレベルだと思う。

ただ、これらの曲も褒める要素が2人のラップにはないことからも明らかなように、他の大半の曲では「やっぱり」な薄味ラップが延々と続くだけだ。AIとJAMOSAを迎えて正攻法でしんみりさせる「
HOME SWEET HOME」(これもHOOKとトラックは良い)など、積極的に評価出来る曲はやはり2人のラップ以外の付加価値がある曲に限られる。これだけスマートなサウンドを作れるのに、 "希望の無い日本の市民に夢ある未来を約束だ!"(「1868」)みたいな進歩の無いリリック(英詩の方がいくらかマシだったりする)を2009年になって聴くのは、やっぱり遠慮したい。何度も触れてきたように、生音も導入してセルフプロデュースしたトラック群のセンスは、今の日本のHIPHOPにあまりない良さがある。そのためGICODEプレゼンツのプロデュースアルバムなんかがあれば良いなと思った。本作のようなトラックでやってくれるなら買う。

PV-HOME SWEET HOME
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12:02 | GICODE | comments(0) | -
I Love You Baby / MINMI


1.I Love You Baby
2.Lotta Love MINMI♡m-flo vibes mix
3.ROCK CITY 3 feat.KETY GROSS
4.Natural BACH LOGIC Remix feat.KUBO-C(Doberman INC.)&Sal the Soul
5.I Love You Baby Inst.
6.Lotta Love Inst.

★★★★★★☆☆☆☆

レゲエシンガー・MINMIの8thシングル。2006年7月12日発売。

このブログとしては、何と言っても注目すべきは「Natural
」のRemixだ。MINMIのことはあまりよく知らないけれど、アルバムが2作連続でオリコントップ10入りを果たし、いよいよ軌道に乗ってきたところでまさかのこの組み合わせ。MINMIが珍しく(?)おぼつかないラップを披露しているが、もちろんHIPHOPリスナーにとっての需要はそこではない。B.Lの一歩引いた電子ファンクトラックに引っ張られてKUBO-CのヴァースやMINMIのサビまで多少薄味になっているが、最後に構えるSal The Soulが一人気を吐いている。MINMIとの繋がりは深い彼だが、知名度では本作に参加している誰にも劣る。そんな一般的な期待値の低さを見事ひっくり返して見せる、気合の入ったラップだ。

彼の音楽性は今の日本のHIPHOPの中でも独自色が強く、そのアクの強い声と併せて普遍的な需要を無視して一部で根強い支持を得ている。悲しいかな、彼の1stアルバム『Urbun Soul Odyssey
』はAmazonにて新品500円(Amazon無情の8割引き!!)、中古では100円を切る価格で手に入れることが出来るので、興味のある方は是非手に取ってみて欲しい。MINMIも「I Love You Baby」みたいなモロに今の路線を築き上げた曲のカップリングにこんなのを仕込んでるなんて、嫌いになれないなぁ。

MINMIによるYeah Yeah連呼がとにかく印象的だったm-floとの「
Lotta Love」のRemix。レゲエシンガーとしての矜持を胸にラガのリズムで自分の領域のダンスチューンに仕上げた努力は素晴らしいものがあるが、さすがに元から盛り上がるためだけに全てが設計されたような原曲の勢いには遠く及ばず。というかこれは原曲の盛り上がりっぷりが別格だから仕方ない。
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23:29 | MINMI | comments(0) | -
Still Talkin' S**t / 国士無双


1.It's on  
2.Open The Door  
3.Walk In My City  
4.Talkin' S**t  
5.コールミー(Skit)  
6.パープルベイビー  
7J.ewelry594  
8.相当DEF  
9.Dammmn feat.Kenshin  
10.マンチーキングス  
11.Beautiful Noise  
12.交渉-a caution  
13.Look 4 Exit ver.0.7  
14.リップサービス feat Rip Trap


★★★★★★☆☆☆☆

国士無双は2001年に結成された、東京を拠点に活動するグループ。6MC3DJの大所帯でスタートしたが、2005年にはJIRO-K、BUN、ITAKO、DJ社長の4人体制となる。2004年にストリートアルバム「
Talkin S**t Vol.0」1000枚無料配布を経てのの本作は、初の全国発売となるアルバムだ。2007年4月18日発売。

初めて本作を前半部分まで聴いたときは、MCの3人が3人ともパワーファイト型のラップであるのに対して、Yamato、Arch、DJ 社長が提供する電子音を多用し癖球を身上とするようなトラックが、あまり相性が良くないのではと感じた。どちらのレベルが低いというより、白米に醤油ではなく牛乳をかけてしまっただけの失敗。そして、ラフな3人のラップに90年代クラシックのトラックをブレンドミックスしたフリーダウンロード音源(
It's OnMUNCHI KINGS)が本作収録の原曲よりも数段クオリティが高いことが、その思いをより確信めいたものにする。もちろんクラシックのトラックを使っていることそれ自体による魅力の増幅もあるのだけれど。特に本作の原曲では何をやりたいのかわからないまま終わった「It's On」のブレンドは、ラップが本来収まるべき音に収まったジャストフィット感が凄い。

ただ、音の方向性を変えずにダーティサウスの色彩を纏って比較的泥臭い方向に振った、中盤からの盛り返しはパワフルだった。
Dammmn」での疾走感や「Beautiful Noise」のモロなダーティスメルなんかは、前半で半ば見限っていた僕に「してやられた!」という思いを抱かせてくれた。

リリックに特に意志があるわけでもなく、音捌きで魅せるタイプのラップでもないため、噛んで味わうというよりは一昔前のラップのように勢いを楽しむといった趣の作品だろう。正直、完成度の高い作品かと問われれば頷くことは出来ないが、近年の作品にありがちな切羽詰まった自己啓発に付き合わされている堅苦しさがないぶん、気軽に耳を預けることの出来るわかりやすいアルバムではある。

余談ではあるが、ラップの評価とは別枠に、ボーナストラック的な「
リップサービス」のトラックが非常に良かった。ボトムの強度を保持しつつ、キャッチーな切なさがシンプルなループながら聴かせる。この曲を手掛けたGameboyzzの名前は覚えた。
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11:18 | 国士無双 | comments(0) | -

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