1.Rain to the Rainbow Produced by Takacha 2.さよならMy Boo Produced by acharu 3.忘却の彼方 feat. なのるなもない(降神) Produced by acharu 4.ICE RAIN feat. NIPPS&B.D(THE SEXORCIST) Produced by DJ GRADIS NICE A.K.A. K-MOON X (THE SEXORCIST) 5.Skit feat.NIPPS 6.TENKUUuuu!!! Produced byY.P.J 7.City Light feat. D.O(練マザファッカー) Produced by YOUICHI(NIGHT CAMP CLICK) 8.PAIN Produced by Takacha 9.Voice feat. BRON-K(SD JUNKSTA) ZIGHT(NIGHT CAMP CLICK) Produced byY.P.J 10.Skit (Sky walking) Produced by acharu 11.FREE Produced by acharu 12.Fly away .Produced by acharu 13.Eazy come Eazy go feat. Takacha Produced by SKYBEATZ 14.さよならMy Boo[Takacha remix] feat. マイクアキラ(四街道ネイチャー) Produced by acharu,Remixed by Takacha
しかしそれでも僕がこの作品が大好きなのには変わりない。地味に衝撃参加のタカチャプロデュース「Rain to the Rainbow」、同じくタカチャ作でアコギがあからさまに感情を揺さぶる「PAIN」や、セルフプロデュースの「さよなら My Boo」といったソロ作はほぼ歌一本で、先述した懐かしい歌バムの雰囲気が充満している。そして客演の使い方も上手い。BRON-Kはまだしも、ZIGHTもその荒ぶる声を潜めてacharuの切実なヴォイスにトーンを合わせる「VOICE」はこの組み合わせに抱く期待を裏切らない出来だ。また、 "楽しみは笑いで膨らませ 悲しみは涙で吹き飛ばせ" とこれまでのacharuの葛藤を全部シンプルに解決してくれる、タカチャの現代的な緩さがアルバムを大団円に纏める「Eazy come Eazy go」は、Skybeatzの仕事もさすがで、アルバムの流れとしてはこれ以上ない締め方だと思う。
更に「City Light」に触れないわけにはいかない。YOUICHIの素晴らしい泣きのトラックとacharuの相性が良すぎて、「これにD.O.が入ってブチ壊しになるのだけはほんと勘弁!!」と思っていたのだけれど、D.O.も予想外に上手く立ち回ってた。この人は実は何でも器用にこなせるんだね。 "罪と罰よりも君とダンス you know" みたいなリリックを潜ませてくるあたりもエンターテイナー。この曲は2010年上半期のベスト候補のひとつでしょう。
1.Introduction (DJ TAKADA) 2.Real Cuts (DJ TA-SHI) 3.DJ MIHO (DJ MIHO) 4.Going Back To The Old School (DJ MA$A) 5.Interlude 6.Theme Of GM YOSHI (GM YOSHI) 7.F.L.O.W (Y.MATSUSHITA from SOUL SOURCE INC feat KEN&UIKE) 8.4Xtra Mutha Phukaz (DJ P.M.X.feat.DS455(SHALLA,MACCHO,Kayzabro)./BOY KEN) 9.Interlude 10.ヤバスギルスキル・パート2~Remix (INDOPEPSYCHICS feat RAPPAGARIYA Skipp) 11.LAW (ROCK TEE feat KREVA from By Pher the Depest) 12.DJ BEAT3 On The Mellow (DJ BEAT)
★★★★★★☆☆☆
名作コンピ「THE BEST OF JAPANESE HIPHOP」シリーズからの派生コンピアルバム第1弾。1996年3月21日発売。
一部を除き、あまり名を聴いたことの無いDJ達のインストものは、そのタイトルの数々からも伺えるように、まさに「作ったことに意義がある」といった趣。キチッとマニュアルを守った王道中の王道感がこの時代の日本のHIPHOPらしいと言えばらしいが、今聴くと物足りないのも事実だ。サイドキッカーを務めるGDX(だよね?)と併せて様々な仕掛けを仕込んでくるDJ MA$Aの「Going Back To The Old School」は聴いていて中々楽しい。DJ BEATによるメロウなビートと声ネタの合わせ方がいかにも「わかってる」感じの「DJ BEAT3 On The Mellow」も、以降の息の長い活躍を予感させる仕上がりだ。インストで楽しめるのはこの2曲くらい。
1.Back Again 2.覚醒 3.Kick In The Door 4.宇宙人 feat.ERONE (from 韻踏合組合) 5.独身貴族 6.永遠を約束 7.続・宇宙人 feat.MINT (元・韻踏合組合) 8.エリーゼの為に 9.Rolling Man 10.まだ反抗期 11.My Life 12.南無達磨裟婆訶
★★★★★★★★☆☆
元韻踏合組合のOHYA改め達磨様改めだるまさんの2ndフルアルバム。2010年7月21日発売。
1stアルバム「How To Ride」のレビューで、「韻踏脱退組は各々の持つ特徴の部分のみに極端にスキルポイントを振り分けるようなソロ活動をしている」というようなことを書いて、だるまさんの歌フロウへの傾倒もそこに位置付けることが出来ると述べたが、本作はそんなソロ活動の集大成となる作品と言えるだろう。
その混沌とした歌い上げるフロウは、本人の言葉を借りて言えば、まさにMissy Elliot×Method Man×Ludacris÷だるまさんといったところ。そのため、本作は「韻踏時代のOHYAのソロアルバム」を期待して聴く作品ではなく、「How To Ride」で開けた道をまっすぐ歩き続けた結果としての、例えば「Under Construction」の、「How High」の、「Money Maker」のカテゴリに位置付けるべきアルバムだ。特に「歌モノ」としての構成に一番こだわった作りの「Kick In The Door」でのふっきれたようなフロウや、反則なトラックの上で見事なリズム感を示して見せる「エリーゼの為に」(これ一番好き)、サビで仕留めにかかる「独身貴族」あたりは、本作のSKILL&CONCEPTを最も上手く体現した楽曲だろう。
1.NEW OLD STOCK 2.STILL GROOVIN’ feat.AK-69 a.k.a.Kalassy Nikoff 3.STREET HAVE... 4.SELF CONTROL 5.BIG PLAYERS feat.KSKtheONE 6.WOO!!HATERS!! feat.GHETTO INC. 7.HOLIDAY IN RESORT feat.HOKT 8.TWO FACE 9.MONEY 10.I NEED U feat.KSKtheONE 11.SURF ON THE BEATS 12.MUCH LOVE feat.BIG RON
1曲目に相応しい勢いを纏った「NEW OLD STOCK」、AK-69&B-NINJAH「Move On -Remix-」の流れを汲んだ掛け合いが良い「STILL GROOVIN'」、ヴォコーダー担当のKSKtheONEと思いっきりメロウに振った「BIG PLAYERS」、「I NEED U」あたりは、その需要にキッチリ応えてみせた佳曲と言える。
1.INTRO produced by YMG 2.ENTER THE M produced by JASHWON 3.F**K YOU produced by KURABEATS 4.NEW DAY produced by FLAMMABLE 5.PAY BACK produced by HASSY THE WANTED 6.STREET RYDER produced by BUCKFIRE 7.M's UP! produced by JHETT a.k.a.YAKKO 8.M★BOOGIE pt.2 produced by MURO 9.44 KILLA BEEZ feat. MAILMAN, KGE, JBM produced by R-BEATS 10.AHAHAHA produced by KURABEATS 11.SPREAD DA HOOD produced by LOSTFACE 12.FREE produced by MACKA-CHIN 13.HATE or LOVE produced by TEE$HU
MIKRISとMARS MANIEなんていう誰得な両生類フロウの使い手タッグが送り出す、B級感プンプンなこのジャケット(ハッキリ言ってダサい!!)。それでもHIPHOPの裾野が間違いなく広がっている昨今において、なお僕が文句垂れつつこの手の作品を懲りずに買い続けるのは、僕を本格的にHIPHOPに引き入れてくれたNITROの匂いがやっぱり懐かしくなるからだ。そしてこのアルバムは、ひとり歌に目覚めたDELIや、コンシャスネスを前面に押し出そうとして盛大に横転したSUIKEN「DEVELOPMENT」、S-WORD「KING OF ZIPANG」といった近年のNITRO作品よりは、ずっと本来のそのノリに近い。
もちろん支離滅裂なリリックがNITROほど溢れているわけではないし、この2人の昔の作品と比べても何が劇的に変わったわけでもないのだけれど、逆にその愚直さが潔くて、僕はやっぱりNITROの残り香を求めて、ここに足を踏み入れてしまう。そして若手のトラックメイカー陣よりもYAKKOのドラマティックトラックが久々にうなった「M's UP!」、HASSY THE WANTEDのダウナーなノリが作中のアクセントになっている「PAY BACK」、自身の曲名を2人に譲ったMUROの「M★BOOGIE pt.2」といった往年の担い手との曲が元気だと嬉しくなる。そしてそうした中で、これからを担っていく面々が切迫感溢れるビートの上でキチッとキメた「44 KILLA BEEZ」は頼もしかった。特に音に綺麗にハメたJBMのヴァースはスカッとする。
1.the one 2.stone haze 3.black rain 4.ah-choo 5.beat maker 6.under me sinsemia 7.pain in the head 8.black death 9.here we are 10.glamourous joint 11.over the edge
それは生来備わっているものだから、彼らにとってはその一挙手一投足が、当たり前に黒い。サンプルとベースと、ビョンビョン奔るギターとドラムが好き勝手に主張し合う「ah-choo」みたいなインストもので既にドーペスト。BABAの "SKUNKHEADS!!" の叫びが卒倒しそうなくらいカッコ良い「the one」や、SOIL&"PIMP"SESSIONSのTABU ZONBIのトランペットもついでにイカレた抜きのビートが渋い「beat maker」など、本当にどの曲のどの部分の、どの音を切り取ってみても全く他のパーツとの調和性なんてものは無くて、それがいちいちカッコ良い。「under me sinemia」みたいなトリップホップ調まで平然とこなして、ついでに黒いオーラで覆って見せる。
こんなの聴いてたら喜んでダークサイドに堕ちるよ。友達といる空間や明るい太陽の下、雄大な自然の中など、およそ道徳的な感情が清浄化されそうな環境下ではこの音楽は微塵も威力を発揮しないけれど、ひとたび孤独になれば、ひとたび心に暗いものが宿れば、その仄暗い炎をどんどん炎上させてくれる。特にラスト3曲「HERE WE ARE」、「GROMOUROUS JOINT」(1分強のインスト)、「OVER THE EDGE」はどれもが名曲で、今年聴いたHIPHOP(と括って良いのか??)の中でも飛び抜けてお気に入りだ。「PAIN THE HEAD」もそうだけど、いちいち音のひとつひとつもBABAのラップも体に悪そうで、もう病み付き。
1.BRAVE HEART Produced by JASHWON 2.R U READY ? Produced by GOLBY$OUND$ 3.DON'T STOP ! Produced by ITA-CHO a.k.a. Mr.ITAGAKI 4.DRIVE ME CRAZY Produced by KURA 5.TOKYO PARTY feat. DABO&RYUZO Produced by JASHWON 6.G,G,G(Gorgeous Go Getter) Produced by MACKA CHIN 7.深夜のバッティングセンター Produced by GOLBY$OUND$ 8.F**K YOU Produced by DJ TAIKI 9.SO FAR SO GOOD Produced by LOSTFACE 10.AROUND THE WORLD Produced by LOSTFACE 11.SMILE&CRY Produced by MALIC 12.STILL FEEL ME Produced by ITACHO a.k.a. Mr.ITAGAKI 13.SURVIVOR Produced by DJ WATARAI 14.DEVELOPMENT Produced by YELLOWDIAMOND 15.GOOD NIGHT Produced by JHETT a.k.a. YAKKO
"Rap or Lifeならどうでもいい"(「Down(Love Sick)」) "普通の生活して楽しく出来ればいいと思うんだよ"(「Think So」) と軽く言ってのけるS.L.A.C.Kの本作にはHIPHOPそれ自体への拘りはほとんど感じられないし、事実、HIPHOPの構成要素に言及した部分は、クラブ活動をほんのり思い返した、16Flipの『Could It Be I'm Falling Love』使いの1ループが心地良い「Hot Cake」など数曲の詩に散見されるくらいだ。あとは自分の手の届く範囲で、それを歌うことが出来ればそれでいい。