RATID -Realize A Thing In The Depths-

新年度からは下ネタを言わない。
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OUTLET BLUES / NORIKIYO


1.GIMME SOME NEXT    
2.折れ鼻のメガネ    
3.RIAXIDE CITY DREAM feat. BRON-K   
4.ALL CITY BOMBING feat. OKI, HEADBANGERZ, カミカオル    
5.PYLAMIRE     
6.SKIT −実話へなちょこナックルズ−    
7.儲かるけど?   
8.運命 -SADAME- feat. 般若    
9.アウトレットブルース −蛇の道をゆく−   
10.REASON IS… feat. SEEDA   
11.RUN RUN RUN    
12.夜霧を吐いて feat. BRON-K    
13.HATE ME… feat. BES   
14.BAD & GOOD feat. 仙人掌

★★★★★★★★☆☆

1stソロアルバム「
EXIT」が各所で絶賛されたSDPの切り込み隊長・NORIKIYOの2ndアルバム。2008年8月20日発売。

儲かるけど?」のようなフィクションものを披露するあたりに新機軸を見出しつつ、基本的には「EXIT」と変わらず、そのリリックは自身のあまり余裕のない生活を軸に描かれる。大前提となるスタンスが前作と変わらないという意味で、その変化要素は主にトラックメイクが全曲B.Lの手に委ねられたところに求めることが出来るだろう。

下らない与太話や仲間への感謝などのリリックトピックと音がリンクする割合は減少したが、尖鋭化した機械的なB.Lビーツが、そのぶん音の取りこぼしの無いNORIKIYOのラップを引き立てる。トピックから純粋なラップスキルに比重を移動した本作は、さながら前作のリミックスアルバム的な色彩も帯びているとも言える。そしてその役割は、副次的に「REASON IS...
」でキレキレのSEEDAを引っ張り出したことからも、十二分に果たしたと言えるだろう。

はんぺんで例え話をする般若が思いの外元気がなかったり、「
ALL CITY BOMBING」のようなグダグダなマイクリレーがこの手のアルバムに収録される必要性を感じなかったりと、細かい部分での物足りなさは多少残る。しかしラップのスタンスを変えず、トラックを変えることで新たな光の当て方を導き出した本作の水準の高さはさすがノっているMCならではの勢いを感じる。

そして最後に述べておくと、NORIKIYO×B.Lという硬質な図式の本作に、2曲の参加曲だけで弾力性を与えたBRON-Kの貢献度は、前2者に劣らないほど大きい。「
RIAXIDE CITY DREAM」、「夜霧を吐いて」の2曲とも、NORIKIYOのせかせかしたラップとB.Lのカチカチした音に挟まれながら、BRON-Kは完全にブルーズをやってのけた。見事。

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02:40 | NORIKIYO | comments(4) | -
GOLD EXPERIENCE / WOLF PACK


1.Osaka of The Dead -大阪ゾンビ-    
2.GOLD EXPERIENCE    
3.恐怖!月光闇打ち電流爆笑デスマッチ feat.サイプレス上野   
4.涙目www    
5.人造人間ロボ    
6.なけなしの唄   
7.GOLD EXPERIENCE requiem
8.トロピカル feat.Moggy & Emi Maria (BONUS TRACK)  
9.SHOW TIME (BONUS TRACK:阪神タイガース平野選手入場曲)


★★★★★★☆☆☆☆

大阪で活動を続けるVolfgungとU-SkeyによるWolf Packの3rdアルバム。2008年7月23日発売。

評判の高いライブで聴けばきっと何倍も楽しくなるんだろうなとは感じながらも、音源のみで聴くとその立ち位置の中途半端さが気にかかって仕方がない。タイトルやジャケットからは1st「
GERGON FILE」の頃とは似ても似つかないコミカルラップを連想するが、中身はサウンド、ラップ共に想像以上にハード。しかしその中に弛緩剤的なユーモラスリリックなのか、狙いにきたギャグなのか判断しかねるワードが散見され、どういったHIPHOPを目指しているのかわからなくなる。もちろん両方のスタンスを組み入れることは何も悪くは無いのだけれど、本作には勤勉な人間がウケを狙おうと無理しておどけたときのような、反応に困る雰囲気が漂う。

とはいえFocusから発売しているアルバムらしい尖った曲に関しては、スキルフルな2人のラップが存分に活かされることで素直に「カッコ良い」と言える出来となっている。ジョジョモチーフの「
GOLD EXPERIENCE」や、自らの音楽的技法を凝らしに凝らした大作「GOLD EXPERIENCE REQUIEM」などは一定の水準を確保。特に一際目立つガラ声をラップから歌まで器用にこなすUS-Keyの技量はさすがだ。
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22:54 | WOLF PACK | comments(0) | -
Story Teller / COPPU


1.Story teller    
2.Original Blues    
3.Game Over    
4.Skit a   
5.Wake up?〜Blues in the dark2〜    
6.風来坊    
7.Runner     
8.Skit b     
9.変わらぬ風景   
10.四季 (Remix)   
11.ありがとう     
12.また、逢いましょう。


★★★★★★☆☆☆☆


漢やRUMIからの賛辞を背に、EI-ONEのレーベルからデビューしたフィメールラッパー・COPPUの1stアルバム。2008年10月4日発売。

「普通の女の子みたいなラッパー」というキャッチフレーズが各所で踊っているが、その側面の見せ方は実にアーティスティックだ。響きの良いドラムで誤魔化そうとしがちではあるが、各トラックはHIPHOPの地盤を離れず、COPPEの詞も「普通女の子」達に擦り寄らない。あくまでポエティックな立ち回りで、男にも通じる程度に普遍化、抽象化された歌詞が、向こうからCOPPUの世界に歩み寄らせるよう働きかける。

その「普通」であることを一定程度アーティスティックに見せる、というイデオロギーが強固であるため、曲ごとの特徴は没個性化しているのも事実だ。それは詞にも、音にも同じことが言える。COPPUのラップが一本調子でお世辞にもスキルフルと言える類ではない中で、このぼんやりとした特徴の無さは、32分の収録時間にも関わらずやや聴き疲れを引き起こす。ただ、フロウやライミングがあまりにファンダメンタルのみでやっている感が強い一方、リリックがハッキリと聴き取れる声の通りの良さは天性の武器でもある。

リリックにしても哀愁漂うピアノにしても、狙うところが一番露骨だった「
四季(Remix)」では悔しいながらも目論見通りヤラれちゃったし、これからの成長を期待したいと思う。

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22:47 | COPPU | comments(0) | -
Yeeeah Thug Mixed By DJ TY-KOH / A-THUG


1.Intro (A.THUG feat. Dj TY-KOH) 
2.[Remix] (SCARS Feat. A.THUG, STICKY, SEEDA, BES) 
3.Dogg Life (TWIGY, SEEDA, JASHWON, D.O., STICKY, BAY4K, BES,A.THUG) 
4.Southside Kawasaki (A.THUG) 
5.In Dro (SCARS feat. A.THUG, BAY4K, BES, SEEDA) 
6.Hater (A.THUG) 
7.Fuck Government (A.THUG) 
8.Showtime For Life (SCARS Feat. A.THUG, BAY4K, BES, SEEDA) 
9.Concrete Green Exclusive (A.THUG) 
10.Fly High (DJ MUNARI Feat. SEEDA, A.THUG)   
11.Homie Homie Exclusive (SCARS Feat. A.THUG, SEEDA, BES, BAY4K, EISHIN) 
12.Real Thug (A.THUG) 
13.We Here (DJ MUNARI feat.SHARP-A-DON,A-THUG,PITGOb,KAZU,ZORRO,D.O) 
14.Thug Motivation (DJ SAC feat.A-THUG,BES) 
15.Scars (SCARS feat.STICKY,SEEDA,BES,BAY4K,A-THUG) 
16.Pain Time (A-THUG) 
17.Love Life[Remix] (A-THUG) 
18.Pioneer (L-VOKAL feat.LUNA,STICKY,A-THUG)
19.Flashsounds (SCARS feat.A-THUG)
20.Outro (A-THUG) 
21.(FLAMMABLE Remix) feat.A.THUG / SEEDA

★★★★★☆☆☆☆☆


SCARSのリーダー・A-THUGの参加音源を収録したミックスCDアルバム。2008年11月21日発売。

他のSCARSメンバーや同世代のグループが新たに等身大のストリート感を発信する中、一人 "なぜならオレはギャングスタハスラー" と臆面もなく言っちゃうA-THUGのスタイルは、その意味で凄く退行的だ。しかしサラッとそんなことを言っちゃうトボケた感じや、その朴訥な語り口から短文で繰り出されるユニークなリリックは、そうしたイデオロギー的な部分での疑問点を補って余りあるほど魅力的でもある。「
Thug Motivation」(元々は「Everytime Everywhere」ってタイトルだったような…)や「In Dro」を聴くだけでも、そのナードなラップが、ハードなマイクリレーをいきなり横っ跳びさせる効果を持っていることがわかるだろう。

そんな彼のラップを抜き出した本作ではあるが、マイクリレーものを数多く、ほぼフル収録することでA-THUGのラップだけにフォーカスしていない。そのことがA-THUGのラップだけを楽しみたい方には不満かもしれないが、個人的にはそのことが、聴き疲れの無いバランスの良い構成にしていると感じる。

しかし、本作はマイクリレーもののほぼフル収録、既発曲(Remixも多いがどれも可も無く不可も無く程度)の多さなどもあり、どちらかと言えば初心者向けの内容であろう。ファンにとっても、A-THUGソロ曲は「Fuck Goverment
」などの未発表曲を含め2分を切るものがほとんどであり、やや消化不良な印象は拭えない。相変わらず中二英語シャウトをやたらに挟んでくるDJ TY-KOHの存在は初心者、ファンのどちらにとっても無益でしかないが。

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19:27 | A-THUG | comments(2) | -
3分クッキング / CUEZERO
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1.3分男   
2.太鼓盤 feat.KREVA
3.3分クッキング feat.MUMMY-D
4.AAH    
5.ミラコー feat.K.I.N
6.今を…     
7.録音男    
8.さわげないサタデナイ feat.KREVA   
9.奇跡    
10.夜祭りイン・ザClub feat.KREVA
11.すてたもんじゃない   
12.本根   
13.レッツバウンス   
14.ウォウォ


★★★★★☆☆☆☆☆


FGの一員でありKREVAの盟友・CUEZEROの3rdアルバム。「3分で全て調理して見せる」をコンセプトに、全曲が3分台の長さとなっている。2004年3月17日発売。

CUEZEROのラップは外部作品のマイクリレーで聴くとクールダウン効果を発揮していて、何かナードスタイルとしての脇役的な魅力を感じることもあるにはあるのだが、ソロで聴くとやっぱりキツい。気持ちのこもったリリックを書いているのに、ラップで感情を込める努力がほとんど感じられないし、ときたま唐突に変な裏声の歌を聴かせるだけでは何がしたいのか全く分からない。韻の踏み方なんかはFGの一員としてクオリファイされる水準に達しているのに、音楽表現として抑揚を付ける技法が昔から全く進歩していないように思う。

顔PASSブラザーズ(DJ TATSUTA+KREVA)、Mr.Drunk,GM KAZといった顔馴染みのメンツによるトラックがそれなりにCUEZEROのラップを支えてはいるが、ひとたび変則的に攻めるともうラップが音に呑まれてしまう。特にKREVAプロデュースの「太鼓盤」、「
夜祭りインザClub」あたりは、悪ノリのすぎるKREVAに完全に乗っ取られてしまっている。これもうKREVAのソロ曲で良かったじゃん。

3分で済ませるというコンセプトも、それをヴァラエティ豊かな楽曲でオムニバス的にサラッと聴かせてみせるならその意義もあろうが、3分でもうおなかいっぱいな一本調子のラップが続くだけでは退屈だ。別の意味で「3分で済んで良かった」という感想が出てきてしまう。

コンセプトの明示とともに "オレに3分くれ 3分だけでいい" と、やる気と共に何か悲痛な感情が交差する「
3分男」と、その感情が後ろ向きに揺り戻されたラストの「ウォウォ」は悪くない。脇役としてやってきたことによる葛藤というか、がむしゃらな気持ちみたいなものはリリックのそこかしこに見え隠れするのだから、それを音楽表現として発展させることが出来ればきっと化けるだろうに。

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02:19 | CUEZERO | comments(0) | -
メイドインジャパニーズ / イルリメ


1.チョップスティック・ブルース   
2.この町へおいでよ   
3.ミュージック    
4.RIDE ON MIND    
5.時間ですよ!    
6.マンボのビート   
7.カレーパーティー    
8.トワイライト・ア・ゴーゴー   
9.今日を問う   
10.爆弾ソング  
11.季節だより(冬)   
12.さよならに飛び乗れ  
13.たれそかれ

★★★★★★★☆☆☆

ECDとの共作や小説執筆、Dommune(見たことないけど)への出演など、幅広い活動を続けるイルリメの恐らく6thアルバム。2009年2月4日発売。

元々はコントグループとして活動し、電気グルーヴに影響され音楽を始めたというバックグラウンドからしてアヴァンギャルドで面白いのだけれど、そうしたデタラメな部分は作品にも見事に反映されている。

エレクトロからマンボのリズムまでやりたい放題に調理して、そこに歌ともラップとも似つかないなにかを微妙に持ち合わせたメロディセンスでトッピングしていく。もういちいち解説するのがめんどくさいハチャメチャにテクニカルなアーティストだ。断片的なリリックも、それが逆にメッセージとして示唆的で、情報量をその強みとするラップという手法に対して凄く挑発的で最高。「この町へおいでよ」とかなんかわからんがほんとに行きたくなるような楽しい気持ちにさせてくれるし、 "カレーパーティーめんどくさい 友達来るのめんどくさい" と叫ぶ「カレーパーティー」にだって何か深淵な意味があるのでは、なんて深読みさせる。そしてそのリリックセンスを具体的な形で示して見せたラストのさよならに飛び乗れ」、「たれそかれ」は素晴らしい出来。散々遊び尽くして最後にセンチメンタルに締める。青春時代で一番楽しかった頃の帰り道を思いだしたときの、ぎゅっと締めつけられる、あの人間の最もセンシブルな感情を呼び起こしてくれる。夕暮れに聴くとヤバいなぁこれ。

そうしたリリックでのはっちゃけぶりや親しみやすい歌い上げ方などが、テクニカルな作風にも関わらず、ともすれば一般受けさえしそうな取っ付きやすさを与えている。聴き疲れしないように構成された13曲を42分という時間も、入れ替わり登場してくる雑多なサウンドを無理なく楽しく聴かせてくれるベストの長さだろう。やりたいことを貫きながら、リスナーに聴かせるアルバムであるという姿勢を忘れていない、作品をCDにパッケージングするにあたり必要なことを心得ているアーティストだと思う。「RIDE ON MIND」の歌い方なんかを聴く限り、密かに日本のAndre3000のポジションを狙っているのかも、なんてぼんやりと思った。

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10:24 | イルリメ | comments(0) | -
RED EYE CONTACT / TAK THE CODONA
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1.chill step  
2.きせかえカメレオン feat.OLIVE OIL  
3.きびだんご   
4.BOLD LINE   
5.臆病風とともに去りぬ    
6.パパのおしごと   
7.Night Club,Night Mare featSHOWHACH    
8.GREEN DAYO!   
9.幕の内 feat.MONJU   
10.Marking Here   
11.Knowledge feat.YUKI  
12.へそくり  
13.トライアスロン feat.YASURI 
14.カシミサ220でくるんで捨てる feat.ASA  
15.あっぷりけ


★★★★★★★☆☆☆


TAK THE CODONAの2ndアルバム。2008年8月23日発売。

アブストHIPHOPのチュートリアルみたいな「
chill step」を経て始まる本作の54分には、ガラクタ部品が所狭しと並ぶオンボロラボで作られた、ありあわせのパーツで出来たロボットのような面白さが詰まっている。通りの良い声でドスドスと耳に残るリリックを突き刺してくるTAK THE CODONAのラップには、DJ NAPEY「NAP TRAP!」収録「今宵のミラーボールのように」で初めて触れたのだけれど、サウンドもここまで面白いとは予想だにしてなかった。 "お前の手持ちの サンプリングソースでもオレならブッ飛んだシークエンスが組める" のリリックは本当だったんだ。

変則アラビアンのインスト「
GREEN DAYO!」やMONJUと重厚なマイクパスを聴かせる「幕の内」など、正に手持ちの武器の中でやりくりしたような、音のあり合わせ感が凄くデタラメで面白い。アンダーグラウンドであることを目指して頑張ってリアル追及しているアーティストよりも、己の使えるオプションがそのままアンダーグラウンドなサウンドに繋がっているという点で、ごく自然体で嫌味の無いトリッキーなアルバムに仕上がっている。

きびだんご」、「へそくり」、「あっぷりけ」などひらがなタイトルの曲でユーモアある立ち居振る舞いを見せたかと思えば、なんてことはないメッセージ(あれがめんどくせーとか、オレは半端無いMCなんだとか)をそのワードチョイスでドスンとカッコ良く聴かせる。サウンドにしてもラップにしても、ここまで器量のあるアーティストとは知らなかった。飛び抜けた一発があるわけではないが、凄く面白い音楽を聴かせて頂きました。

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23:28 | TAK THE CODONA | comments(0) | -
Change / COE-LA-CANTH
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1.INTRO   
2.はじまり    
3.I'm Comming     
4.Bring it back     
5.We've gotta love 2 do it    
6.CHANGE    
7.Don't Stop    
8.AMEMURA    
9.NEXT VISION    
10.WALK TO WALK   
11.きっかけ    
12.MID NIGHT CITY    
13.らしく    
14.GET DOWN


★★★★★★★★☆☆


5MC体制から悠然、BOOBEE、OOGAWA、KENTAの4MC体制へ移行し、敏腕トラックメイカー・K-MOONを抱えるHIPHOPクルー・COE-LA-CANTHの2ndフルアルバム。2009年8月5日発売。

スルメアルバム筆頭と言われる1stよりも、個人的にはこの2ndにドップリハマった。前作ではK-MOONのトラック、MC陣のラップ共に土臭さがイコールイモっぽさになってしまっているような垢抜けない感じがどうにも苦手だった。それは研磨感皆無のトラックのまったり具合であったり、同様にのんびりし過ぎで反復しすぎなHOOKであったり。

それに比べると、本作ではトラックはより抜き所と切り込みにかかる箇所を理解していて、グッと締まっている印象だ。ラップにしても同じことが言える。軽く流しているという点では前作のノリに近い「
きっかけ」の洗練されたチルチューンぶりなんて、正に成長の証だろう。

元々の地力の高さを、本作でいよいよ枠内に留まらず、使いこなせるようになったと感じた。抜いて締めて、抜いて締めての構成もきちんと練ってあり、捨て曲のない、ほとんど不満の出ないアルバム。一点だけあるとすれば、アルバムの終わり方か。「
GET DOWN」で余韻もクソもなくさっさと流して終わるのはどうなの??流して聴いているとあまりに唐突なエンディングに当惑してしまう。
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01:20 | COE-LA-CANTH | comments(0) | -
KING&QUEEN / "E"QUAL


1.No Music, No Life feat. GRAND BEATZ (DJ RYOW & TOMOKIY O), 尾崎真希    
2.Know Music, Know Life feat. DJ TAIKI a.k.a. GEEK  
3.Intro 〜Aggressive & Hungry〜 feat. Anarchy, Jack Herer  
4.King & Queen feat. Foxxi misQ  
5.Shatta Fire 〜Reloaded〜 feat. Ackee & Saltfish 
6.Skit feat. The Groove Brothers 
7.Music Hustlin' feat. 般若, AK-69, AKIRA, MACCHO, TOKONA-X, DJ NONKEY   
8.Simple Man feat. Full Of Harmony   
9.Ballers Vacation feat. Mr. O Z, 來々, The Groove Brothers  
10.Everybody Get Up feat. DJ MITSU, ノリ・ダ・ファンキーシビレサス, ヤス一番?, プリメラ  
11.Don't Cry feat. JAMOSA, G.B.L   
12.Big Shout Out To My...  
13.Outro 〜The King Is Back〜
14.Warnin' feat. SORASANZEN, GRAND BEATZ (DJ RYOW & TOMOKIYO)


★★★★★★★★☆☆

名古屋を中心に活動し、M.O.S.A.D.の一員でもある"E"QUALの4thフルアルバム。2007年7月18日発売。

前作「
7Dayz」で、ミニマルな音との組み合わせで小洒落た作品を目指そうとして、結果ただの無味乾燥なアルバムになってしまった反省から、一転して本作はゴージャスな作りに。1st「Get "Big" The Ballers」やミニアルバム「GODATSU GAME」のストリート色の強い中で示したエンタメ感を、よりメジャーなアプローチで実践している。結果、その装飾過多とも思えるほど気前良く鳴る音の数々や、それに合わせて前掛かりにスピットする"E"QUALのラップは、一般人にも楽しめる取っ付きやすさを備える。

ここにはかつて爪弾いたギターのずれた旋律をそのまま使用し、"E"QUALや客演陣の歌との不協和音をそのままアングラ感に変換して見せた「
Get "Big" The Ballers」の"E"QUALはいない。外部プロデューサーと抜き所まで綿密に拘って音を製作し、曲調に合わせて客演を最適なポジションに配置し。それは必ずしもHIPHOP作りとしての才能ではないが、より普遍的な音楽制作者としての才能を発揮しているとも言える。その辺りのバランス能力が、この頃の"E"QUALがスター性を秘めていたと言われる所以だろう。

話題性を確保しながらも自分のヴァースを一番目立たせる工夫が詰め込まれた貫禄のマイクリレー「
Music Hustlin'」や、前作の反省からシンガーを目立たせることを優先課題とした「KING&QUEEN」、「Simple Man」、アルバム冒頭曲としてラップよりトラックの勢いに任せた「Know Music,Know Life」の成功は、そうした立ち回りの巧さによるところが大きい。

相変わらずリリックやラップスキル自体はかなり荒削りな部分もあるが、音楽が上手いとはそれだけではない。難癖つけようとしかめっ面せずに、流して聴けば最高に楽しい、"E"QUALのキャリア集大成。あとの作品は知らん。

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14:48 | "E"QUAL | comments(0) | -
RAW PRICE MUSIC / SKYFISH


1.INTRAW 
2.CHO YABEEE feat. 鎮座DOPENESS 
3.FLASH BACK'94
4.SHOOT THE SCORE feat. 環ROY 
5.SKIMMING feat. 漢 & JUNY 
6.JUDGEMENT feat. RUMI 
7.SUBURBAN RIDDIM 
8.ULTRA VIRUS feat. CIAZOO & ACE 
9.DAYDREAM feat. ZEN-LA-ROCK & BTB 
10.MONONOKE SKANKING feat. CHUCK MORIS 
11.THIZZ DRIVER
 

★★★★★★☆☆☆☆


鎮座DOPENESSなどに楽曲を提供しているトラックメイカー・SKYFISHの1stアルバム。2009年6月3日発売。

ダンスホールからグライムまで華やかなシンセで舞台を用意してくれるSKYFISHのフィールドは、そこにHIPHOP勢のラップが乗ることでこれまでに聴いたことの無いケミストリーを聴かせてくれる。ダブステップ調の「
CHO YABEEE」では、トラックとミスマッチになるほど才能が開花する鎮座DOPENESSが最高なことになっているし、ダークなグライム「SKIMMING」で全盛期の片鱗を見せてくれる漢も頼もしい。遊び心と遊び心の融合による「DAYDREAM」も、フィーリングで協調し合った変な息の合い方を感じさせてくれる。

ただ俯瞰してみると、およそダンスミュージックの範囲に属する音楽を全てかき集めたことによる節操の無さゆえに、収録時間38分でも耳が疲れてしまう。音とラップの新鮮なケミストリーで楽しませるというアイデンティティが前提として成立しないインストものも、そのジャンルの本職のアーティストを聴けば事足りる、と言ってしまえばそれまでだ。ノブレスオブリージを微塵も気にしないHIPHOP番外地ならではの面白さを秘めてはいるが、およそカウンター要素と呼べるものを手当たり次第取り込んでパッケージングしてしまう本作では、逆にSKYFISHがSKYFISHたるバックグラウンドをその音楽から感じ取ることが出来なかった。

PV-CHO YABEEE feat.鎮座DOPENESS
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