RATID -Realize A Thing In The Depths-

新年度からは下ネタを言わない。
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東京哀歌 / 空也MC


1.Intro
2.Silver&SevenCollars
3.東京哀歌‐トウキョウエレジイ‐
4.SecretSpace Merry-Go-Round
5.SISTER&BROTHER -Fragment Remix-
6.Skit-PianoSolo1-
7.半Door feat.磯友.オロカモノポテチ.GRACE
8.RockSteady feat.ナビゲーター.CASPER.TKda黒ぶち.KMC
9.Skit-PianoSolo2-
10.全ての出口に繋がる今日 feat.角膜釈迦(カクマクシャカ)
11.左胸ノ君ニ告グ
12.Majoritym Minority
feat.MCゆうや(RESISTANCE).炎鬼.ぎっちょ.空也MC.只単二.CASPER.雨降.雷幻
(RESISTANCE).OMEGA12(RESISTANCE).JAQAL(RESISTANCE).ハイビスカス.於菟也 (RESISTANCE). GANMA(RESISTANCE).ANCLL.KEI(鬼一 家).ZONE THE DARKNES.Kool零式.VOLO.MC401(IROHAcrew).迷子. SALPHA(03CALIENTE).WEEDa,k,a,JAPAN.IS(RealAct).KAZUMASA(RealAct).毬藻(信 狂楽団).N-ILL(信狂楽団). ICE BRAND(信狂楽団).菩薩(信狂楽団).乱&CA-T(BuzzAthlete).ヒメシ.NOA(word+store).TA-TI.MC 祐樹 (RESISTANCE).AYAa,k,a,PANDA


★★★★★☆☆☆☆☆


埼玉を中心に活動する空也MCの1stアルバム。2010年5月5日発売。

Silver&SevenCallors
」のように、あくまでHIPHOPの型に嵌った自己主張においては正統なラップスタイルを披露するが、次の「東京哀歌」でパーソナルなトピックにフォーカスするや否や、声は裏返り、フロウも先走り、ラップとして凄く不安定になる。「痛み」を歌うことにおいて、整然とポエティックな歌詞を上手く歌いあげるよりもずっと人間臭くて良い。そこにある種の個人次元でのどうしようもない世紀末感を感じ取ることが出来る。空也MCはよく「志人のフォロワー」みたいな評価を下されている気もする。しかし僕に言わせれば、志人がラップスキルの向上を目指した結果のフロウと声質であるのに対して、空也MCのラップは感情にラップが引きずられて完成しているという点で、その出自が全く異なる。両者のラップの近似(があると仮定するならば)はアクシデンタルなものでしかない。

そしてその点を指して、twitterで本作を「ヴィジュアル系のノリ」と評している方がいらっしゃったが、言い得て妙だ。感情がそのまま流れ出てラップを支配しているその頽廃感は、生々しく虚飾が無い故に人をかなり選ぶことも事実であろう。その自虐から発生する反骨精神が、180度回って逆説的でナルシズムな自己愛に転化している点も、本作において生々しさよりも気取った部分を強く感じ取り、拒絶反応を起こす方も少なからずいることと思う。

その不安定さ自体に空也MCのアイデンティティが存在するが、その不安定さが故に作品としてもかなり取っつき辛いことも否定出来ない。割り切ってひたすら「HIPHOP最高!!」とだけ仲間と叫び合う「Rock Steady
」みたいな曲の方にこそ自然と耳が行ってしまうのが何だか申し訳ないけれど、仕方ない。インディーズでしか発揮出来ない、完全な個人レベルでの音楽の可能性を秘めていることは間違いないとは思うけれど。

最後に。ラストの「
Majority Minority」に参加しているラッパーのスキルの低さが尋常じゃない。身内ノリを捨て切って、アルバムを自己投影した作品として成立させられるかどうか。これ以降のキャリアのためにはその辺の取捨選択は凄く重要だと思う。
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23:59 | 空也MC | comments(2) | -
Too Dogg / II Dogg


1.INTRO
2.SUGE-YA
3.GUN SHOT B feat.GIPPER
4.FULOWAKASU
5.Skit-SPECIAL THANXXX-
6.FROM 2 DOGG(CLEAN Ver.)
7.WE BOUNCE!!! feat.ONE-2 fromGHETTO INC
8.Skit 2-TIME RUN-
9.PROFILE
10.Dream Cashier
11.CIRCUS
12.SUPER☆STAR
13.OUTRO

★★★★★★★★☆☆

川崎丸子の野良犬集団・NORAからYOZEとTRIPPENによるユニット・II Doggの1stアルバム。2006年1月25日発売。

やや荒い声質でオーソドックスな音の乗り方を見せるYOZEと、ガムくちゃフロウでNORAのコミカル部門を担当するTRIPPENの2人。プロデュースはもちろん全曲Fuekiss!の手によるもので、また、ミックスは全てI-DeAが手掛けている何気に豪華な作品だ。

こうしてユニットとして作品を出すことにより、本作には2つのパターンが見られる。いつものNORAのノリをよりシンプルに聴きやすく表現している部分と、より2人のパーソナルな部分に迫っていく部分の2つだ。TRIPPENの神妙なHOOKが印象的な「
PROFILE」、「CIRCUS」「SUPER☆STAR」の各ソロ曲などが後者の代表例である。しかし本作に限っては、いつものグルーヴィなノリを出そうと務めるFuekiss!が絶好調なため、曲のクオリティとして優れる前者の印象が強くなる。

この2人ならではのお気楽な雰囲気を陽気なホーンが後押しする「
SUGE-YA」や、GIPPERのリリックの巧さが光る「GUN SHOT B」など、NORAならではの、ギラついていないファンキーな西ノリが満載だ。中でも「FROM 2 DOGG」は、NORA本隊や各メンバーのソロ作を合わせても上位に食い込むくらいの素晴らしい出来。和のテイストの強いメロウなトラックはさすがFuekiss!といったところ。その上で "オレからも回そう オレらの言葉よ月夜も超えろ" の反芻が印象的な2人のラップも絶好調だ。この1曲だけでも本作を買う十分な動機になろう。
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18:26 | II Dogg | comments(0) | -
THE NIGHT OF THE ART / ZEN-LA-ROCK


1. すぐソコに feat.BTB
2. MIDNIGHT DELIVERY feat.PUNPEE,BTB    
3. GIMME DA NIGHT feat.鎮座DOPENESS
4. CALLING THE AFRA
5. SOUND MAGIC feat.BTB
6. SKIT
7. PURPLE BREEZE feat.S.L.A.C.K.,LUVRAW  
8. THE NIGHT OF ART feat.StringsBurn  
9. NEMES   
10. FUNK LUV feat.shunta
11. COMBINATE FUTURE feat.ロボ宙     
12. T.N.O.A OUTRO 
 

 
★★★★★★★★☆☆


1997年から活動を続け、Afrika Banbaataのライブなどにも飛び入り参加したMC・ZEN-LA-ROCKの2ndフルアルバム。2009年11月18日発売。

2010年5月21日、21時。大学帰りに歩く神戸の街は快晴だった昼の空気をまだ残していて、涼やかな風が心地良い、穏やかな夜だった。そんな中で本作を聴いていると、穏やかな夜の街に4次元空間的な浮遊感がプラスされていく。スペースファンクを貫いた独自のスタンスが一部の好事家から熱烈に評価された前作「
ZEN-LA-ROCK」から2年。今回のZEN-LA-ROCKの新作は、エレクトロなファンキーさはそのままに、そのタイトル通り、夜の風景に全対応してみせる幅広さを兼ね備えている。

三連の「Funk Luv
」、生音と電子音との絡みが壮大なビッグバンド的な「THE NIGHT OF THE ART」など、トラックのデタラメな面白さが更に増している一方で、相変わらずさしてラップスキルの向上には熱心でないようだ。トラックとラップの位置関係、優劣関係が完全に逆転していることは、音がラップを覆うように施されたミックスからも推し量ることが出来る。鎮座DOPENESSやS.L.A.C.K、PUNPEEといった人選の理由も、旬なMCだからというよりも、ラップをメロディとして操作出来るメンバーを選んだと言った方が適切なのだろう。BTBを中心とした惜しみないヴォコーダーの使用も、本作における音と言葉の関係が「音のための言葉」であることを証明している。ZEN-LA-ROCK自身のラップも含め、彼の作品では、あくまでラップは一歩引いて音に合わせる立場にある。

そしてそれがドンピシャにハマっていて、夜の街で聴くとこれ以上ないほどに気持ち良い。ラップミュージックとしてのHIPHOPを追い求める方にはラップの比重が極端に軽いと言う点で納得出来ない部分もあるかもしれないが、これもひとつの「HIPHOP」であることは間違いない。HIPHOPはこうでなきゃ、という偏狭な観念を根底から叩き壊し、デタラメで、それでいて音楽的な楽しさを示してみせる。その壊され、再生産された音の中にはところどころにオールドスクールの破片が混じっていて、この音楽の出自が紛れもなくHIPHOPであることに気付く。またすんごい面白いアルバムを作っちゃったなぁ。何気にこれからの動きが一番気になるアーティストかもしれない。

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10:32 | ZEN-LA-ROCK | comments(0) | -
THE ONE / 1-KYU


1.THE ONE 〜step into the street〜    
2.TOMORROW-N-TOMORROW    
3.CRAZY CRAZY CRAZY feat.HAN-KUN from 湘南乃風   
4.LAST SUMMER 〜砂に書いた...〜
5.FOOLIN' MYSELF feat.SUIKEN
6.DEVIL OR ANGEL feat.BIG RON,HOKT,SPOCK,YOUNG DAIS     
7.MESSAGE
8.LETTER   
9.G.E.T.O.R.E -street life mix-   
10.WHO'S THAT PARTY feat.LIL'J,VICKY VEE  
11.GOODAY feat.遊戯 
12.I PRAY FOR feat.DAI-HARD,恵庭のシュウ,E-BUKI,VICKY VEE
13.STREET TALK feat.SPOCK,E-BUKI     
14.DRAMA
15.ON MY WAY


★★★★★☆☆☆☆☆

NORTH COAST BAD BOYZのメンバー・1-KYUの1stフルアルバム。2010年2月10日発売。

微かにかすれた高音ボイスで吐き出されるラップはクリアで、NCBBの中ではスキルは高い部類に入るだろう。しかし、ほぼ全編をセルフプロデュースした本作においてはサウスからレゲエまで手広く手掛けて見せるが、その音の多様性もなんらプラス要因にならないほど、ラップが響いてこない。多様ではあるがさして秀でてもいない音の上で、1-KYUの「一応揃えた」感の強いそれなりに幅広いラップトピックは体裁が整ってはいるが、何も訴えかけてこない。NCBBのときなら人海戦術でのマイクリレーの楽しみもあったが、それが無くなったソロアルバムでは、意志の無いラップの弱さをまざまざと感じた気がした。

この手のHIPHOPは曲作りのための公式はある程度出揃っているため、さして酷いクオリティというわけではない。だが、ならばなおさら本作が1-KYUのアルバムであることによるアイデンティティを持っていなければ、わざわざあえて本作を聴く理由も無い。

FOOLIN' MYSELF」でのSUIKEN、「GOODAY」での遊戯などのように、実力派のベテランにはファストラッピンでサラッと曲を食われるわ、1-KYUのラップがあったことも忘れそうな「CRAZY CRAZY CRAZY」など、ほとんど良いとこなし。曲全体として評価出来るのは、SPOCKと流石な相性を見せた軽快な「STREET TALK」くらいか。

8人でジャブを打つことでストレートと同等の威力を得ていたグループから、ソロで独立して、そのまま素直に1/8のジャブの威力だけで臨んでしまった、そんなアルバム。方法論はグループと全く変わらず、NCBBでやっているようなことを1人でやり直してもそれはつまらないに決まっている。DAI-HARDのミニアルバムの方がもっと工夫してて面白かった。


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17:28 | 1-KYU | comments(0) | -
RIDE ON WEST / V.A.


1.GIPPER 「I.n.t.r.o.」
2.clef feat.TERRY,BUZZ 「Wake Up!」
3.Ticky“D”Tac feat.Challi 「To da Max Funky」
4.GIPPER+S55 a.k.a SPOCK+YORK 「Mr.Shakes」
5.Mr.Low-D 「Night High」
6.Yoze+Enmaku 「Young Emotion」
7.OUT WITS 「Drunksta」
8.RAIDER,FRENZY,L-B,REO-G 「Concrete Anthem」
9.SMOKE 「Dont Stop Smoke Way」
10.STYLISTIC MAFIA(HYENA&65 SYNDICATE) 「AJISAI 」
11.大地「大都会“street water”」
12.D-ON feat.LA-BIA 「CRECIMIENTO」
13.Shiva Dogg feat.DESTINO 「Club Hello-Inn」
14.NESCO feat.KAORU「西吹く風」

★★★★★★☆☆☆☆


TSUTAYA限定で発売された、いわゆる「西系」に属するメンツを集めたコンピレーションアルバム。2007年10月24日発売。

14曲中10曲がFuekiss!によるプロデュースのオムニバスアルバムとあって、実質的には、敏腕トラックメイカー・Fuekiss!のアルバムと言ってしまっても問題は無い気もする。

そんなわけで期待を胸に秘め聴いた本作だったが、Fuekiss!が全曲で絶好調というわけではない。取りとめの無い音の断片がかろうじて涼しげな雰囲気を形式的にのみ醸し出す前半は、正直なところ退屈だ。元々内容やコンセプトなんてあってないような肉体感覚重視の音楽であるため、リリックの中身よりも、ラップとサウンドの融合そのものの相性が最も重視されるジャンル。その理屈よりも先にドカンと攻めにかかる姿勢がようやく見えたのは中盤以降。トーキングモジュールの爽やかな絡ませ方が流石な「Young Emotion
」で「おっ」となる。しかしそれ以降がまた続かない。EIGHT TRACKメンバーによる「Concrete Anthem」(翌2008年3月発売の彼らのアルバムにも収録)、GIPPERに影響を受けたと思われる歌フロウがこれからを期待させる大地の「大都会〜Street Water〜」などの佳曲が散発されはするが、それもゴリゴリにブッといBay Funkからは程遠い。

形から入ってる感の強いこうした作品にいつものFuekiss!節を期待した僕が悪いのかもしれないが、多少肩透かしをくらった思いは否定出来ない。「Young Emotion
」こそ素晴らしかったが、もっともっとやれるはず。

あと、若手(と思われる)3人が綺麗に音と言葉を合わせて情感豊かに仕上げた「CRECIMIENTO
」の次に "金玉リバーサイド チンコのカーブ" というHOOKを捻じ込んでくる「Shiva Dogg」のTRIPPEN達はひどいと思います。


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00:16 | V.A. | comments(0) | -
One W nine five / RIM


1.One W nine five Additional Rappers.SHIKI(Soul Scream),Q(ラッパ我リヤ),Skipp(Tokyo Z Family)
2.幻走
3.Make My Day

★★★★★★☆☆☆☆

DJ BEATのアルバムへの参加などでも知られているフィメールラッパー・RIMのメジャーデビューシングル。1995年10月21日発売。

INDOPE PSYCHICSによるタイトル曲は、オラオラ感の強いリリックにもこの時代特有のワードチョイスが散見され、今聴くには辛い部分もあるが、シンプルな構成の中に渋味を感じないことも無い。意外なメンツによるガヤも聴き所。

どちらかと言えば、ROCK-TEE作の「
幻走」、「Make My Day」の2曲の方がメロウな向きで良い。まっすぐでゴツゴツしたHIPHOPアティチュードが、落ち着いた音の中でいくらか融通が利くようになった。それにより、リリックも芯は保ちつつも、より視覚的で柔らかだ。

この2曲の方がタイトル曲向きなんじゃないか、と思わないでもないが、そこは「
One W nine five」のような、いかにもHIPHOPな曲で攻めに行ってこそアイデンティティを確立出来る、と思ったのかもしれない。今では時代に忘れ去られた感も拭えないラッパーだが、中古で見掛けることがあれば是非手に取って欲しい。


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18:25 | RIM | comments(0) | -
GIP'FILE / GIPPER


1.I*N*T*R*O*
2.BONG 9 BOMB feat.KOZ〔S.T.M〕,大地 
3.Unchain 
4.Mr.PLAY BOYz feat.RICHEE,KG 
5.Stay Together feat.SAY
6.Luv Me Luv Me feat.MoNa a.k.a.SAD GIRL
7.MAGURO
8.Get Down!! feat.NORA
9.Still Dreaming feat.BIG RON
10.I wanna be a Rapsta -Smoothfull Remix- feat.U-lala 

★★★★★★★★☆☆


川崎・丸子を拠点に活動するファンク集団・NORAに所属し、舐めまわすようなスムースフロウを駆使するMC・GIPPERの3rdアルバム。2010年2月3日発売。

I*N*T*R*O*
」で "腐った人生デコる魔法 それがHIPHOP" と語る通り、GIPPERの本作は、これまでと同じく、ファンク色の強いパーティチューンとエロソングを中心に収録し、自らを嫌味の無い華やかさで彩った一枚だ。

NORAのトラックメイカーであるFuekiss!(PMXよりずっと凄いって!!ほんとに!!)によるトラックはINTROを含め5曲だが、その5曲はやはり高レベル。抜きのファンク感がたまらない煩悩ソング「
BONG 9 BOMB」から、音に上手く合わせたMonaの歌が凄く良い「Luv Me Luv Me」のような、Spearheadを思い起こさせるポップファンクまで手広く鳴らしてみせるその力量は流石だ。ポッセカット「Get Down」ではサウス調の高速トラックも用意。それら音の上を滑らかに流していくGIPPERのラップとの相性も、もちろん抜群だ。

それに比べるとOHLD、Sir Noiseといった初めて名前を知ったトラックメイカー達が手掛けた曲はいくらか落ちる。それでもKGのサビのノリが良い、Sir Noise作・「
Mr.PLAY BOYz」なんかは凄く楽しめるけれど。

HIPHOPとしては、何か斬新なところがあるわけでも、今後の日本のHIPHOPにおいて何か示唆するところがあるわけでもない。しかし、ひたすらにHIPHOPを楽しむ手段として消化するGIPER(ひいてはNORA)の作品は、とかく内向きで、上を向くにもまずは下を向いてからじゃないと、といった傾向の強いこの音楽においては、少なくとも僕にとってはある種の癒しになってもいる。「
I wanna be a Rapsta」でさんぴんキャンプから影響を受けたことを公言して憚らないGIPPERの楽しくてファンキーな楽曲群に、もっと多くのリスナーが触れてくれるといいな。


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10:23 | GIPPER | comments(0) | -
RIDE ON THE MUSIC / ILLMATIC HEADLOCK


1.RIDE ON THE MUSIC
2.M.D.R.-Massive Dance Rock-
3.RIDE ON THE MUSIC (FORCE OF NATURE REMIX)     
4.RIDE ON THE MUSIC (Instrumental)   
5.RIDE ON THE MUSIC (FORCE OF NATURE REMIX-Instrumental) 
   
★★★★★★☆☆☆☆


ILlMATIC HEADLOCKはTARMYとMASATOの2MCに、ドラムのMACHILLDA、ベースのATSUSHI、ギターのHo-Z、ギターシンセサイザーのMAD-Kによる6人編成のバンド。本作は彼らのメジャーデビューシングル。2007年3月7日発売。

なんとDef Jam Recordingsからのデビュー。それを納得させてくれるだけのマッシヴなサウンドグルーヴは中々良い。エレクトロな向きの強いダンスミュージックながら、耳にうるさくなく、大音量でも気持ち良く映えるであろうことが容易に想像出来る。

それだけに、取ってつけたようなラップと歌は、正直に言って不要だった。特に2人のラップスキルは、2007年にあって全国のラッパー達と勝負させるには辛いものがある。むしろメイン曲よりも、「RIDE ON THE MUSIC (Instrumental)
」を聴いた方が、裏で鳴るギターの緩急付いたプレイや、気持ち良く伸びるシンセの音に気付けて楽しい。その点を考慮してか、FORCE OF NATUREが歌とラップを主役にするべくミニマムなチルチューンに仕上げた「RIDE ON THE MUSIC (FORCE OF NATURE REMIX)」の方がその歌とラップにはアイデンティティが付与されている。が、やっぱりこの曲もインストで聴いた方がずっと心地良い。ゴリゴリのHIPHOPアルバムの中でインタールードとして挟むと、流れをちょうど良く緩めることが出来る、そんな落ち着いた仕上がりだ。

歌とラップ入りのメインをほっぽってのこんな評価は邪道であるが、事実そっちに不満の残る一方で、最初からインスト作品として聴くとかなり満足出来るシングルではある。本稿の最後に貼り付けた、2ndシングルである「
It's Music」のPVを観ても、裏で唸るギターがラップの万倍カッコ良いし、やっぱりインストで聴きたいなぁ…。


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14:46 | ILLMATIC HEADLOCK | comments(0) | -
MADE IN DOPE / BOMGROW


1.INTRO
2.BOM GROW
3.MADE IN DOPE
4.現状打破
5.hybrid 
6.ART SIDE feat. サラムライ 
7.SEASIDE BLUES
8.理想と現実 
9.HARD WORK  feat.BAKA DE GUESS? 
10.GETTIN' HIGH
11.SKIT
12.BOM GROW (remix)
13.南海LOVER


★★★★★★★☆☆☆

BOMGROWは大阪は泉州を拠点に活動する、Yosukeとhiroの2人組。2人がかつて所属していた、総勢7名ほどの大所帯クルー・RAGING RACINGが解散すると同時に結成された。本作は全国発売では初となる1stアルバム。2009年7月15日発売。


RAGING RACINGの頃のガヤガヤ感が削ぎ落された結果、シンプルな関西風味、その芯の部分だけが残った。Mr.FukusanとDJ A.Kが中心となったトラックから、ラップがはみ出し過ぎることなく、一歩引いて同化。華やかさこそないが、表面的で大味な装飾を拒絶した、味のある一枚だ。

特に「
SEASIDE BLUES」までの前半部分は、シンプルでブルージーな質感が素晴らしい。「BOMGROW」などの質感には先日書いたMONJU「Black de.ep」にも似たものを感じたが、あの作品の音が、レフジーをより温かく孤独にしてくれるものだったのに対し、BOMGROWの音とラップは、そのレフジー達を孤独にせず、温かく仲間に迎え入れるような雰囲気に感じた。人や街を冷酷に切り取ることを避ける、関西HIPHOPの匂いが、彼らにはやはり強く残っている。

特段盛り上がることも落ちることもなく、ただただ平坦なテンションで紡がれていく13曲にはHIPHOPを自己の美化、脚色化手段として使う向きなど微塵も無く、その素朴で明確なスタイルが聴かせてくれる。センセーショナルな物言いも、ドカンと一気に鼓膜をロックするサウンドもない。しかし大所帯のクルー体制から、志を共にする2人だけに絞りに絞ったそのHIPHOP体躯は、より身軽で、それでいてしなやかで強靭だ。


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00:04 | BOMGROW | comments(0) | -
R.O.B - RAPSTA ON BOOT STREET / V.A.


1. IF GOD OPEN THE GATE 
  DJ G-FRESH + SHY- P.O.P + Toul Roll 
 Produced by JASHWON for B.C.D.M
2. 一本道
   PIT GOb + BRON-K 
  Produced by KURABEATS
3. WE RUN......
    SHIZOO + L&J 
    Produced by Y.J TRAK&JASHWON for B.C.D.M
4. NEW DAY
    bay4k + NORIKIYO + JASHWON 
    Produced by JASHWON for B.C.D.M
5. BLACK BASE
    C.T + 寿 
    Produced by JASHWON&Y.J TRAK for B.C.D.M
6. 街中の噂
    漢 + ONE-LAW 
    Produced by DJ MUNARI co-produced by PRAWDUK
7. KEEP IT...
    ESSENCIAL 
    Produced by JASHWON for B.C.D.M
8. STEP OVER TO THE FRONT 
    N.M.F 
    Produced byThe Ackmaju for 7070production
9. CHANGES
    ICE DYNASTY 
    Produced by Y.G.S.P
10. THE THEME OF SAMURAI RICHARD
      TETRAD THE GANG OF FOUR 
      Produced by JASHWON for B.C.D.M
11. buziness disk
      JBM + MIKRIS + KGE the shadowmen 
      Produced by JASHWON for B.C.D.M
12. CRAZY
       L-VOKAL + SEEDA + D.O 
       Produced by D.FOCIS
13. lily
      Mr.PUG from MONJU + ISSUGI from MONJU + S.L.A.C.K. 
      Produced by JASHWON for B.C.D.M
14. GET IT HOT
      PIT GOb + JASHWON + D.O 
      Produced by JASHWON&Y.J TRAK for B.C.D.M
15. GRAB THE MIC (BAD BOY)
      PRIST + SHORTY THE STONE + ISH-ONE + YAN-MARK + NAOYA + 十影 + YOUNG FREEZ + FRANKEN + JAYSMAN 
      Produced by OHLD for 7070production EXECTIVE PRODUCER : JASHWON for B.C.D.M

★★★★★★★☆☆☆


渋谷宇田川に構えるレコードショップ・BOOT STREET監修のコンピレーションアルバム第二弾。2010年2月7日発売。

ほとんどの曲の製作にここ数年で着実に名を上げてきているJASHWONが関わり、とかくまとまりを失いがちなコンピレーションアルバムに、そのメインストリーム感の強い音で一本芯を通した。その代わりに、参加MCの多様性に反して、表面的な雰囲気の上でのヴァラエティ性が犠牲となり、アルバム単位で聴くと意外なほどに聴き疲れやすい作品でもある。

それでも曲ごとに取り出していくと、「
一本道」で1ヴァースだけキッチリ決めていくBRON-Kや、相変わらずのNORIKIYOのファックポリスぶり(個人的にはちょっと苦手)、TETRADやN.M.F(=練馬ザファッカー)のクルーとしての成熟度など、見るべき部分は多い。そして、べしゃりフロウを封印した代わりに小節ごとのリリックが耳にガッシリ入ってくる「街中の噂」での漢の円熟味や、仲良し3人組による珍しくシリアスな「buziness disk」、S.L.A.C.K.の更に何言ってるかわからないくちゃくちゃぶりなどを耳にするとやっぱり楽しいし、抜けた完成度の曲こそ無いが、十分聴かせてくれるアルバムだと思う。

その一方で、「
IF GOD OPEN THE GATE」でのDJ G-FRESHによる誰得な中二英語シャウトや、相変わらず流して聴くといつMCが変わったのかすら気付かないICE DYNASTYによる「CHANGES」(リリックは練っているのが伝わったけど)など、この手のイケイケHIPHOPにありがちなボディががら空きですよ感を感じないことも無い。ただ、そんな隙が見えてても、自らの一連のメディア露出を黒歴史にしないでエンターテイメントして見せる「GET IT HOT」でのD.Oなどを聴いてると、全部許せちゃう。
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19:44 | V.A. | comments(0) | -

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