1.プロローグ
2.ヒマの過ごし方
3.クラッカーMC’S
4.PROTECT HIM(from what he wants)
5.Kick it, JAWS
6.トリオ・ザ・キャップス
7.後者ーTHE LATTER−
8.ついてる男
9.WILD FANCY SAMPLER
10.そ・れ・ば・な
11.Little Bird Strut
12.彼方からの手紙
★★★★★★★★★★
最早イントロから神の領域、三作目。タワーリングナンセンスまでの具体性からFUNKY L.Pの抽象性への変化に至るまでの中間点である、今作と5th WHEEL〜がスチャダラパーの全盛期だと思う。まだBOSEがメインのラップに完璧なシンコの音、いつの時代に発表していても普遍的な評価を受ける、J-HIPHOP史における絶対的な名盤だ。毎度のサンプリングネタで始まる「プロローグ」の異常なまでの完成度から2曲目にして早速クラシック、「ヒマの過ごし方」。この流れだけで全ての音楽ファンを奮わせるだけの完璧な魅力が詰まっている。特にスチャダラに対して固定観念がある方ほど驚きそうなほどBOSEがリリカルな面で魅せる哲学的な、「ヒマの過ごし方」の出来の良さは異常。サマージャムやブギーバック、B-BOYブンガクに並び立つ彼らの代表曲だ。かと思えば相変わらず気の抜けたスタンスでダラダラとしょーもなくカマしていく「ついてる男」など、遊びゴコロ全開チューンも数多く収録。スチャダラの魅力って呆けた中にも見え隠れする驚くほど鋭いリリックが織り成す二面性だと思うんだけど、それが時期的にも楽曲単位で成立している、それこそがこのアルバムがクラシックたるゆえんなのだろう。LB大集合「Little Bird Strut」のハチャメチャっぷりにラストを締める「彼方の手紙」のどうしようもないほど漂う懐かしさと哀愁感。こんなアルバムそうそうお目にかかれないよ。(実際10年経って出てないし)画像では確認できないがジャケに書いてある三人の台詞も最高。全日本語ラップファンのマストアイテムだ。