1.デクの棒 / B.I.G JOE fromRAPPAZROCK
2.難攻不落 / MC仁義feat.CHACK-Z
3.SINCE I LOST YOU〜遠い記憶 / DS455
4.全て巧く廻るように神が動き出す / FISTfeat.TOMOKO,$MITH,EASY-Z
5.STREET DREAMS / GM YOSHIfeat.TETSU-G
6.魔界騒然〜UNDERGROUND NOISY / GM KAZfeat.DOHZI-T
7.ONE NIGHT STAND / YUMI
8.ヤバズギルスキル・パート2 / RAPPAGARIYAfeat.SKIPP
9.PROMISSING LAND / 全ラ
10.ファッカー・ディーラー / GANG-O
★★★★★★★☆☆☆
90年代の日本のハードコアシーンの中でも更に「陰」の部分の奴らが集まる古き良き時代の名作シリーズ4作目。徐々に参加メンバーもある程度固定化されてきて、だからこそ多くの参加回数の中でどれだけ多種多様にリスナーに自分の曲をマンネリと捕えさせずに聴かせるか。シリーズど真ん中のこのアルバムの魅せ所はそこにかかっていた気がする。シリーズ前半期の総纏め。そして上手く新たな切り口を見せているのがDS455の「SINCE I LOST YOU〜遠い記憶」。仲間との出会い、そして別れを描いたKayzabroのソロで叙情的なリリックがこれまでの姿勢とは一線を画す。DSに典型的なウェッサイスタンスのイメージしか抱いていない方には是非聴いて頂きたい。まぁぶっちゃけREMIX&ORIGINSに収録された2001MIX版の方がバックコーラスが強調されてていい曲ではあるが。DOHZI-Tの「魔界騒然」は同日発売であった自身も参加のZINGI「TOKYO TRIBE」の延長線上な楽曲。ちょっとラップが緩すぎる気もするがこの頃の不穏で重い空気の曲が好きな方にはお薦め。逆にメロウなトラックで今までの曲とのギャップを出してきたFIST(GDX、凱)の「全て巧く廻るように神が動き出す」は彼らの作品の中でもかなり聴きやすい佳曲。やはり見え隠れするチープな不良思想に目を瞑ればかなり長く聴ける。MC仁義の熱いロック魂がトラックに上手く反映させられた「難攻不落」や和製ギャングスタラッパーの先駆け、GANG-O(Oのちゃんとした字が変換で出ぇへん)の「ファッカー・ディーラー」等も聴き応え十分。相変わらず外さない全ラについては言わずもがな。今までと気色の違うどこか哀愁漂うトラックは仁義とCRAZY-Aのリリックにまで哀愁感をプラス。トラックの妙。全体で見た場合、前作に比べればこれだ!!という曲があるかは疑問で少々こぢんまり纏まった印象も受けるが、それでもやはり及第点は軽く突破。シリーズを重ねるごとに培ってきた彼らの一端の区切りとなる作品だと思う。落ち着きというか、ベテランとしての貫禄は感じられる。因みにB.I.G JOEの「デクの棒」はハッキリ言って印象薄。