1.Rise&Shine,Shine&Rise
2.FLOW,RHYME,BEATS&LIFE(feat.E.G.G.MAN)
3.チェカマフロー(feat.SHIKI)
4.GET DOWN
5.Burning Man(feat.三宅洋平(犬式 a.k.a.Dogggystyle))
6.ONE NIGHT SHOW(feat.SHIKI)
7.グランドサーフィン(surfed with Micro)
8.幸(feat.48.9(RINO LATINA 2,ヨシピィ・ダ・ガマ,UZI))
9.6センス
10.ボディーガード/レペゼンアンセム(feat.MC MUG)
11.LEGENDARY OF SOUL SCREAM
12.モ・ベイの空に(sunrise version)
13.~おもいはみえない風にのって
14.アンコール(feat.ヨシピィ・ダ・ガマ,MC MUG,MadBlooded,UZI,SHINNOSK8,三宅洋平,タイプライター,GORI,Takuto,DEN,Mummy-D,G.K.MARYAN,RINO LATINA 2,ZEEBRA)
15.Wake Up,Wake Up,Wake Up!!!
★★★★★★★☆☆☆
HAB I SCREAM独自の世界観というのは日本のシーンでも唯一無二のオリジナルなものである。その彼の世界の素晴らしさは1stアルバム「The Circle」で存分に知っているし、1stアルバムレビュー時にもこれ以上素晴らしいヴァイブスを創り上げた作品はこれから先HAB自身にも創れないだろうとあえて断言した。それでもやはりリスナーとしては彼にはその世界の更なる高みへ昇って欲しかったのだ。だからこそ彼の世界は侵されるべきではなかった。ガラス細工のような、美しくも咳払い一つでバランスが崩れてしまう繊細な世界。それは1stアルバムで見事に構築しきる事に成功した。しかし彼はあえてそのガラス細工の世界を増築にかかった。そして増築するにあたって様々な異物が入り込み、結果再構築された世界は見た目こそ似ているが内面は全く違うものになってしまったのだ。
結果出来たアルバムは完成度こそ高いが何故かあまり褒めちぎる気になれない。それは僕があまりに1stに感銘を受けたからなのかもしれないが、豪華な客演陣と彼の世界、その両方を両立させる事はほぼ不可能だろう。特に強くそう感じたのが「幸feat.48.9」だ。アルバムの一つの聴き所でもある曲だが、48.9CREWの面々のカッコ良さと曲の柔らかな世界が打ち消しあっているように感じる。意外に適応したUZIは別として、RINOとGAMA(特にGAMA)のなんとも薄い存在感。それでも客観的に見れば十分良曲であり、それが余計に「HABのソロでやれば名曲に成り得たという想い」、逆に言うと「普通のマイクリレー曲としての方が楽しめたかもという想い」を強めてしまう。豪華マイクリレー「アンコール」については完全にオマケ扱いで聴いた方が良い気も。完全に彼自身の世界とは水と油。特別カッコ良い印象は受けないがこれ単体で聴いた場合それなりには楽しめるだろう。しかしもちろん逆に見事な新たなる世界を完成させた曲が多々あるのも事実だ。その代表が実質SOSCでの一曲「FLOW,RHYME,BEATS&LIFE」。これはもうSOSC好きにはたまらない名曲に仕上がっている。「ONE NIGHT SHOW」での裏のある深いリリックや最近のベテラン勢に多く見られる回顧曲「LEGENDARY OF SOUL SCREAM」などもさすがHAB、というべき貫禄をみせつけてくれる。
纏めるとなんだか不満と満足がお互いにうち溶け合って表裏一体となったような感じの作品。完成度こそ流石で、普通に聴いた場合十分賞賛しうる良作なのだが、正直イマイチこのアルバムでHABの本当にやりたかった事が伝わってこなかった。客演陣を呼べば自分の世界も少なからず影響を受ける。どちらも取ろうとする事なんてムリなんです。このアルバムから聴いた方は非常に楽しめるだろうが、1stを聴いて気に入ってる側が聴くと中途半端に残った前作の雰囲気、そしてそれに調和しようとしてしきれてない大多数のゲストに違和感を覚えるかも。買って損はないがどれほど楽しめるかは各人別れそうなアルバムとなった。まぁ僕自身最初のアルバムでコレを出していたら絶賛してたと思いますが。