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FONKY&LOVE / 韻シスト


1.Beginin'
2.Hey you
3.Walkin'
4.BANDSTARAP
5.本ky団 ~Don't miss it~
6.Jungle Boogie
7.unspoken heart(instrumental)
8.浮き草 feat. no-boo from tick
9.Peace
10.チャバカ(Drhyme)
11.シンフォニー
12.skit
13.nocturn feat.KN-SUN, GEBO, MONCHI & AFRA
14.焔

★★★★★★★★☆☆

韻シストは大阪を中心に活動を続ける生バンドHIPHOPグループ。メンバーは多少の入脱退を経て、2ndフルアルバムとなる本作でのメンバーはBASI、サッコン、FUNKYMICの3MCと、BassのSHYOU、Drumsのクーマ、A.Saxの林 未来彦、GuitarのTAKUによる7人体制。2006年10月25日発売。

やっぱり生音のHIPHOPの強味は「音が生きていること」であると思う。ルーツをあくまで黒人音楽に持ち、ニクいまでにとことん楽しくなるようなファンクミュージックを提供してくれる。サンプリングとは違う、生きた音が飛び跳ね、程良いキャラ立ちを確保した安定感抜群の3本マイクと見せる息の合った連携は、この手のHIPHOPならではの、それもかなりの手練によってのみ成せる業だ。JABやatiusに代表されるこの周辺のラッパーに特有の、関西弁とはまた違うイントネーションのラップを駆使する3MCの声もとても温かく、楽しそうに跳ね回る音達にそっと寄り添う。

デビューミニアルバムにして名作である『Relax Oneself』のような音と言葉入り乱れる賑やかさは影を潜めるようになったが、音と言葉、その相互間の錬度は確実に上昇したと言えるだろう。特に以前はサックスの前のめり感なんかは凄かったわけだが、そうした自己主張のせめぎ合いを抑えた結果、「Hey you」のようにラップと音がカツッと息を合わせることの出来る曲が多くなったのだと思う。音と言葉が同居するジャンルである以上、好みの問題はともかく音楽としての熟練度は確実に上昇したと言えるだろう。

その辺のバランス感覚を基盤にした上で、あえてその按配を崩して魅せる技術が付いたのも大きい。作中で異彩を放つ「本ky団〜Don't miss it〜」は、ベースを最前線に駆り出して真っ黒に染めた音が凄い。彼らの言葉を借りれば、まさに "こんなサウンド出す奴中々いねーよ" だ。

一方でシンガーのno-booパートをメインにした「浮き草」のようなスロウな曲も丁寧にこなしている。いわゆる「トラック」と異なり、バンド型のHIPHOPは必ずしもバックトラックとしての役割に限定されるわけではない。よってその音の立ち位置(と技術)のバランスが成否を分けるわけだが、HIPHOPのための生音として鋭敏に練られた本作での韻シストは、その意味で穴が無い。

nocturn」では、加減を知らない高速ラップで目立とうとするGEBOも、何とか下世話なノリに持ちこもうとする "ハメ撮りフーリガン" MONCHIも、纏めて韻シストサウンドの中に優しく包み込んでいく。現在の日本のバンド型HIPHOPの中では、頭ひとつ抜きん出た存在ではないだろうか。翌年発表された3rdアルバム『GOURMELOGIC』はまだ未聴なのだけれど、発売当時の各所での絶賛が強く印象に残っているので、是非聴いてみたい。


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00:53 | 韻シスト | comments(4) | -
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コメント
韻シスト大好きです。
バンドサウンドにラップだけでご飯が進むのに、
BASIのスキルと3人のノットハスなリリックはご飯そのものやで!!

私はファーストアルバムが名盤だと思います。このアルバムが星7なら、グルメロも7くらいだと思います。

なぜか西川貴教やCHEMISTRYとコラボしていますよね。あとたしかファンキーマイク脱退しましたよね。
2011/01/10 7:12 PM by ウインク
ウインク様>

こんばんは。いつもコメント下さりありがとうございます!!(ホントに!!!)
僕はそこまで彼らの作品に詳しいわけではないのですが、韻シスト良いですよね。
Loop Junctionにしろ、名を上げてくる生バンドHIPHOPは、サンプリングではなくバンド形態を選んだ時点で一定の目的意識があるからか、味わい深いグループが多いですね。

BASI始め3人のラップは素朴ながら技巧的で、この手のHIPHOPにはちょうど良い塩梅ですよね。
変にキャラ立ちしすぎたラップが乗るより、この辺のバランスがやっぱり良いと思います。

それから、点数は8点ですね。これは付け違えてたこちらのミスです…申し訳ありません。
グルメロジックも是非聴いてみます。

>西川貴教やCHEMISTRYとコラボ

そうなんですか!?
それは知りませんでした。
CHEMISTRYは川端がHIPHOP好きだからか、色々と面白い組み合わせが生まれますね。

FUNKYMICの脱退に関しては知っていましたが、韻シストは入脱退が激しいのでメンバー構成を追いかけるのが大変ですよね笑
2011/01/11 12:09 AM by 遼
韻シストは本当に良いですよね。メジャー・デビューなどでの経験が拍車を掛けているのか、RIP SLYMEなんかに近い華やかさがあるのも個人的には◎です。とにかくファンキー!

コメント欄でも名前が上がっていますが、同じバンド形式のLoop Junctionといい、やはり生演奏ってサンプリング以上に音に深みがありますよね。いや、ここでは深みがあるというよりかは、人間臭いという方が適切かもしれません(まぁ、当たり前の話なんですけど)。ドラム(特にハイハット)一つを取っても、全体的な演奏の流れを取っても、いちいち人間臭い感じがします。人が呼吸しているような躍動感が音にあるとでも言いましょうか。

こんな言い方は少し失礼かもしれませんが、サンプリング・サウンドってやっぱり何処か機械的なんですよね。人間に出来ない演奏が出来るという視点で言えば、それがサンプラーの打ち込みによる最大の長所であり、同時にとても面白い所でもあるんですけど(笑)

そうそう、Loop Junctionといえば、cro-magnonの新譜も物凄く良かったですよ。機会があれば、是非とも手に取ってみて下さい。
2011/01/11 2:33 AM by あおぼし
あおぼし様>

どうも、いつもコメント頂きありがとうございます!!!!

韻シスト、確かに華はありますね。
サウンドやラップをそれぞれ取り出してみると必ずしも目立つものではないんですが、組み合わせ方が上手いというか。

生バンドならではの音の躍動感というのは確実にあると思います。
カーステや良いイヤホンなんかで流すと、サンプリング物とドラムの鳴りなんかが全く違いますよね。
どっちが良い悪いじゃありませんが、オールハンドメイドにしなければならない時点で、音が人間臭くなるのはこの手のHIPHOPならではだと思います。

サンプリングには出来ないものと言えば、「抜き」の入れ方やタイミングのずらし方がラップとバッチリ決まるのも生バンドならではですね。
流れの中で拍自体をずらして変化球を打ち込んでこれるというのは、ループ主体のサンプリングにはないものだと思います。

cro-magnon、名前を聴いたことがある程度でどんなグループ化全く知らなかったのですが、
あおぼしさんのレビューを拝読して興味が湧きました。
毛色の異なるラッパーを怯まずに取り込んでいるのが、自らの音の包容力に対する自信のようで頼もしいですね。
今は年の瀬〜新年の財布大放出期間を経たばかりで財力が底をついているのですが、余裕が出来たときに是非買ってみます!!
2011/01/11 11:49 PM by 遼
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