RATID -Realize A Thing In The Depths-

新年度からは下ネタを言わない。
<< Nasty / acharu | TOP | LOUD / JBM >>
遼の最近読んだ本
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

web拍手
| - | - | -
内なる辺境 / Piyo Londirt


1.TOKIO 
2.I REP (Theme Song Remix)
3.純国産
4.再起動都市
5.愛なんて知らない
6.明日から僕達

★★★★★★☆☆☆☆

会津出身で現在は東京で活動する23歳のソロマイカー・Piyo Londirtの無料ダウンロードミニアルバム。2010年7月26日発表(本作のダウンロードはこちらから)。これとは別に、コラボレーションアルバム「Testator P」も無料ダウンロードで発表している(ダウンロードはこちらから)。2010年7月には1stソロアルバム「突然変異体
」も発表している。

暑い日が続くので最近は脳細胞が頑張らなくて済むような音楽ばかり聴いているけれど、こういう真面目なHIPHOPも嫌いじゃない。友人の死を受けてラップを受けたというルーツにも端的に見てとれるように、Piyo Londirtがラップする意味は、HIPHOPという音楽そのものへの感動ももちろんあるが、それ以上に自己主張の伝達手段としての意味合いが強い。そしてこの作品でPiyo Londirtは、この日本社会を俯瞰しながら、このままで良いのかリスナーに問い掛ける。

「学ぶこと」。本作で彼が強く訴えていることのひとつはこれだろう。「考えるな感じろ」「理屈じゃねぇんだよ」なんていう、思考を排除したフィーリングの絶対視も強く残る日本のHIPHOP。ダンスミュージックとしての側面から、その意義は決して否定しない。しかしこの業界で、これまであまりにも「学習すること」に言及することは、社会規範に抗うこの音楽の性質上のこともあってか、避けられてきた。

しかしPiyo Londirtは「学ぶ」必要性をこちらに訴えかける。「I REP(Theme Song Remix)
」で "退屈な授業ほどペンが進む 黒板ではなく心の奥を写す語彙を増やす為と本を読む 理解し始めた 学ぶということ" と語るPiyo Londirtは、「TOKIO」で都会に生きる人間が愛を持つことがこの街を死なせないことだと訴え、「純国産」で日本文化への意識を高めることを同業者に訴え、「再起動都市」で大量消費社会に組み込まれた自分を見つめ直すことを訴え、「愛なんて知らない」で子育てに疲れた母親に、そして取り巻く友人達に愛と痛みを教え、伝えなければと訴える。

こういう高い問題提起意識を持ったラッパーは、もっともっと生まれてきて良いと思う。しかたなくアルバム中に一曲 "政治はダメだ お前らが変えるんだ" みたいな曲を入れて社会派的側面をアピールした気になってるアーティストはもういらない。ほんとにファックバビロンと思ってるなら、ファックバビロン以外にもっと言いたいことあるはずでしょ??

さすがに堅苦しさがないわけでもないし、感情が先走ってしまい、リリックの聴かせ方にアクセントが無く、その点でやや難が残るラップではある。でも伸びる素地は十分に感じられるし、何よりPiyo Londirtの高い意識の持ち方はここで打ち止めになる人ではないと確信させてくれる。 "リリースが遅い 一年で十曲も書けぬ「アーティスト」とやらに物申す 自己満足なら婚礼の余興 存在が虚構 もう筆を折ろう"(「純国産
」)みたいな言葉は頼もしいし、これからの活動を期待したいと思う。

ただひとつ。いくつかの曲などで散見されるように、Piyo Londirtのリリックは、彼の持つ少なからず右寄りなイデオロギーがそれを紡ぐ熱情を生み出していると思われるのだけれど、その愛国心と音楽性の希求が混同されている向きがある。「純国産
」で日本文化への意識を高め、日本のHIPHOPはアメリカから離れて独自性を追求するべきであるとPiyo Londirtは主張する。しかし「純国産」であるかどうかと「HIPHOPとしてオリジナリティを創出しているか」は別物だ。むしろ純日本的であることをプライオリティとして設定してから曲を作るならば、その規定枠内でしか動けない音楽は、その時点でオリジナリティを失う。アメリカ的でも日本的でも、音楽はそのアーティスト個人が咀嚼しオリジナルに昇華出来ればそのルーツはさして重要ではないのではないだろうか。


web拍手
01:31 | Piyo Londirt | comments(3) | -
スポンサーサイト
web拍手
01:31 | - | - | -
コメント
こんばんは。ちらっと聴いてみたのですが、ハンガーと志人を足したような感じのフロウでしょうか?

最近はSEEDA(花と雨以降?)のような声をわざとつぶしたようなフロウが流行ってたので新鮮でした!リリックのトピックも(うつらうつらで聴いていたので不鮮明な部分もあると思いますが)アトミックボムの人たちみたいに週刊誌からそのまま切り取ったのではなく明確に捉えているように感じました。

まあ最近はいい年して「ファックバビロン、ファック偽物」言ってるMCもいるので、そういう人達に聴かせてみたいですね…

2010/08/04 12:42 AM by 銀二a.k.aパクリミナルマインド
初めまして。この前 たまたまこちらのblog を見つけてみています。あなたは いったい何者なんですか?あなたに 何が わかるのですか?あなた個人の意見を聞いても 何も 面白くありません。どうか 本当に日本語rapが好きならば すぐにこのblog をやめていただけないですか?物凄く不愉快です。気分悪いです。もしかしたら 本当は、あなたが日本語rap をダメにしているのでは無いでしょうか???
あなたの 個人の意見なんか 誰も求めてはいないですよ。いたとしても ほんの僅かだと思うので 早く辞めて下さい
2010/08/04 2:51 PM by すけ
銀二a.k.aパクリミナルマインド様

こんにちは。いつもコメントありがとうございます!!
ラップに関しては僕は特に特定の誰かの影響を感じませんでした。
同時に、口語的ながらSEEDAその他の影響を思わせないのはアピールポイントだなと感じます。

リリックは本当に伝えたいという意志が強くて良いですよね。
個人的にその意見に賛成する云々は別として、それだけの真摯な思いをHIPHOPで伝えるアーティストが増えてきたのは本当に嬉しいです。

社会情勢への思いを、曲で消化せずにブログで消化するアーティストだらけな業界ですしね。


すけ様

初めまして。コメント頂きありがとうございます!!

>あなたに 何が わかるのですか?

何か(=その物事の本質、という意味だと理解していますが)が真にわからなければ何も言ってはいけない、ということであれば、僕が「すけさんにこのブログの何がわかるんですか?」と言えばすけさんはこのブログに文句を言えなくなるはずです。
「何か」に真実性なんてありませんし、判断しようがありません。
故に、それは各々が自分なりに、主観的に解釈したものであって、それが相互間で異なるからといってそのこと自体を批判するのはお門違いです。
僕は僕で作品ごとの「何か」を自分なりに理解しているつもりですし、その理解した「何か」がすけさんの理解したものとは違っていたという、それだけのことでしょう。

繰り返しますが、その解釈が異なっていたこと自体を批判するのは無意味なことです。

>あなた個人の意見を聞いても 何も 面白くありません。

意味するところがよくわからないのですが、批評・感想においては、個人の意見以外は存在しようがないのではないかと思いますが。


>もしかしたら 本当は、あなたが日本語rap をダメにしているのでは無いでしょうか???

「何も面白くない」はずの一個人の僕の意見でダメになるような音楽なら、それはもうさっさと潰れれば良いのではないでしょうか。
僕はこの音楽はそこまで虚弱ではないと信じています。

>あなたの 個人の意見なんか 誰も求めてはいないですよ。いたとしても ほんの僅かだと思うので 早く辞めて下さい

需要と供給のもとにこのブログをしているわけではありません。
辞める理由も続ける理由もどちらも僕の中に内在しているのであって、それが他者に求められることはあり得ません。
2010/08/04 4:33 PM by 遼
コメントする











07
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--