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いいの / Little



1.いいの
2.ジゴロメン
3.レスキュー feat.DOHZI-T
4.ハンティング・ワールド feat.Cassete Vision(Little,Kreva,Cue,MCU,Voice,Sohjin,Channel)

★★★★★★☆☆☆☆

KICK THE CAN CREWとして活動し始めた頃にLITTLEが発表したソロデビューミニアルバム。1998年11月15日発売。

日本のHIPHOP界を代表する韻の上手さはこの頃から既に完成形。後々シリーズ化された「
いいの」はリリックが丸々同じため、今になっては「Mr.Compact」や「聖者が街にやってくる」に収録されたヴァージョンを聴けば、2001年、2004年発売のこれらの音源で聴いてもまったく古臭さを感じさせないところにその韻の質の高さが伺える。ただそれを扱うラップスキルがまだまだ追い付いていない。この作品での「いいの」では発声も物凄く不安定、音も何度も外しそうになるわで聴いていてヒヤヒヤさせられる。

当時Radical Freaksとして活動し、名作「地球人?
」を発表していたMCU、By Phar The Dopestとして「By Phar The Dopest」をリリースした直後であったKREVAと比べるとまだ経験が足りなかったのかもしれない。それでも圧巻の韻術を見せているわけだから逆に凄いとも言えるけれど。そんなMCUやKREVAを擁するRadical Freaks、By Phar The Dopest、そしてCHANNELとSOHJINによるINNOSENCEと共にジゴロにマイクを回していく「ハンティング・ワールド」は今から見れば最も気になる曲ではあるだろうけれど、ハッキリ言って資料的価値以上の何かは見出せない薄っぺらい出来。みんなこの頃から韻が上手いのは確かだけど。特にこの曲でしかマイクリレーものに参加していない(はず)Voiceのラップは、聴けること自体有難い上にこのメンツの中でも一際目立つくらい上手い。つくづく脱退が悔やまれる人。

ジゴロメン」も曲としては面白みに欠け、今聴くと4曲中3曲には時代的なありがたみしか感じないが、唯一「レスキュー」はこれからも伝えていくべき名曲だろう。スケボーキングのSHIGEOとのただただ不快なカバーもあったが、原点であるこちらが圧倒的に素晴らしい。ブックレットを見るにLITTLEにラップを指導したらしいDOHZI-T(やっぱLITTLEにとっての彼は影響大きいんだね)を客演に迎え、DJ BASSがトラックを担当したZINGIスタイルでの一曲。視界が開ける様なDJ BASSの晴れやかな音の上で、DOHZI-TのHOOKが、LITTLEのラップが気持ち良さそうに駆ける。LITTLEのスキルの多少の不安定さも何のそのでライムが奔る。大好きな一曲だ。

レスキュー」が無ければ本当に当時に思いを馳せながら懐古するしかないような出来、というのが正直なところだけれど、この曲の存在でこのミニアルバムは日本のHIPHOP史で見落とされてはいけない作品となったと言える。

ところで余談ではあるが、KICK THE CAN CREW絶頂期の頃に発表されたLITTLEの1stフルアルバム「
Mr.Compact」にいくらか漂うハードコア臭にやられて「こっちがLITTLEの本当の姿だ!!」と叫ぶ方をたまに見かけるが、その「Mr.Compact」以前に発表されたこのミニアルバムを聴けば、やはりLITTLEの原点はここで、その道をまっすぐ行けばKICK THE CAN CREWの小さな喋り屋のポジションがあったことを理解出来るだろう。つまり「Mr.Compact」はKICK THE CAN CREWがあったからこそ対立軸として見せた合わせ鏡なのであって、故にあのアルバムだけが彼のキャリアで異質なのだ。
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10:12 | Little | comments(6) | -
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コメント
正直に言うと、遼さんとは趣味が異なる為、最近は聴いていない作品のレビューがよく目に付きます。
で、そのレビューの評価内容によっては「お、購入してみようかな」の衝動に駆られるわけです。

LITTLEは嫌いじゃないんですが、自ら腰を上げてまで彼の作品の存在を知ろうとまでは思い立ちません。
が、「レスキュー」紹介の下りで興味を持てました。
多分、本作の存在のみを知ったところで「ああ、LITTLEとDOHZI-Tが一緒に曲を作ってたんだ」の目見程度で購入意欲が沸くまでには至らなかったと思います。

この趣味の違いが良い意味で作用されていて面白い!
という思い付きでの駄文 失礼しました。
2009/10/21 4:03 AM by あおぼし
こんにちは、いつもコメントありがとうございます!!

>正直に言うと、遼さんとは趣味が異なる

そうですよね、オレもあおぼしさんの所のレビューはいつも聴いているのとは違うタイプのアーティストが多いので、いつも興味深く覗かせてもらってます。

>LITTLEは嫌いじゃないんですが、自ら腰を上げてまで彼の作品の存在を知ろうとまでは思い立ちません。

そうなんですか!!LITTLEはMr.Compactまでの初期よりも、LIFEからの方がお勧めだったりします。

>この趣味の違いが良い意味で作用されていて面白い!

もうなんか色々とお褒め頂いてありがとうございます…光栄です。
ウチのブログはどちらかと言うと「作品をまだ持ってない人に興味を持ってもらう」記事を書く志向で運営してるので、そう言って頂けるとやっている甲斐があります。

自分もあおぼしさんのブログをこれからも参考にさせて頂きますので、ブログ運営頑張ってください!!
2009/10/22 3:18 PM by 遼
“ライムライト”“不純異性交遊”(『Mr.コンパクト』収録ですか??)なんかをよく聴いてました。お世辞にも魅力のある声だとはいえないと思いますが、それでも聴いていられるのは、やはりスキルなんでしょうか。以前K-Dub Shineが、リリシストというのはトラックがショボくてもラップ目当てで聴いいちゃうラッパー、みたいなことを言ってた気がしますが、自分としては、トラックがダメでもアカペラ入っていればレコード欲しくなるラッパーの一人に、このリトルが挙げられます(世間的にリリシストかどうか知りませんが)。『いいの』は捜索中(ブックオフで・・・)なので未聴ですが、おそらく『The Best Of Jap〜』シリーズ収録のリトルが参加した曲と同時期かそれより後の作品ですよね?あの頃のリトルでも興味があるんで聴きたいですね。文頭にあげた2曲はハーコー気味の曲ではありませんが、イケイケのリトルよりこういうリトルの方がどちらかというと好きかも知れません。また自分もリトルの原点はこういう系統の曲なのでは、と思います。
2009/10/24 5:01 PM by たこ
いつもコメントありがとうございます!!

>お世辞にも魅力のある声だとはいえないと思いますが、それでも聴いていられるのは、やはりスキルなんでしょうか

確かに自分も声に惹かれた部分はほとんどなくて、専ら韻の巧みさにやられましたね。
踏み方は日本では抜群に上手いんじゃないでしょうか。

>リリシストというのはトラックがショボくてもラップ目当てで聴いいちゃうラッパー、

自分はこれは初期のDABOですね、ダントツで。
Masterkeyの1stのソロ曲なんて、あんなしょっぱいトラックなのにDABOのラップが乗るだけで滅茶苦茶カッコ良くなってて、高校生ながらに衝撃を受けた記憶があります。


>自分としては、トラックがダメでもアカペラ入っていればレコード欲しくなるラッパーの一人に、このリトルが挙げられます(世間的にリリシストかどうか知りませんが)。

やっぱりブッちぎったスキルがあれば多少トラックに難があっても魅力的なラップを聴かせられるんでしょうね。
Break3って曲でKICKの三人が本当に真っ裸のブレイクビーツの上でカッコ良いラップを聴かせてくれたとき、やっぱこの三人はうめーなと思ったものです。

>おそらく『The Best Of Jap〜』シリーズ収録のリトルが参加した曲と同時期かそれより後

The Best Of〜シリーズへの参加は96年発売のVol.7が最後なので、その後の作品になりますね。
Vol.7にはKICK THE CAN CREWの「カンケリ」で参加してます。

>文頭にあげた2曲はハーコー気味の曲ではありませんが、イケイケのリトルよりこういうリトルの方がどちらかというと好きかも知れません。また自分もリトルの原点はこういう系統の曲なのでは、と思います

1stもワックマンとかはいいんですけどね…たこさんが挙げられた二曲も好きです。
ただその後のアルバムの自由な作風の方がかなり楽しそうに作ってますよね
2009/10/25 1:35 AM by 遼
お返しが遅れてしまい申し訳ありません!
なるほどDABOですか。DABOはもろヒップホップすぎる(ラッパーすぎる?)イメージがあってまともに聴いたことがないんですよ。US最前線なトラックも手が出し辛い一因でしたね。しかし最近シャカゾンビ“It's OK”を聴きなおしていたら、DABOのヴァースがカッコ良かったので、1stから聴いてみようかと思っています。
  
 リトルの2ndは“ラップが好き”や“愛幻〜”を聴いているとやはり他の多くのラッパーとは一味違う
なと思います。
2009/12/13 1:00 PM by たこ
いえいえ、いつも熱いコメントありがとうございます!!楽しく読ませて頂いてます。

>DABOはもろヒップホップすぎる(ラッパーすぎる?)イメージがあってまともに聴いたことがないんですよ。

あーそれはDABOが苦手な方がよく言及される箇所ですよね。
確かにHIPHOPのオイシイ所をオイシイ分だけ取ってきて器用にこなしてる人なので、グラフでの能力値が正五角形になるような万能型なラップは確かに合わない人には面白みが無く聴こえるかも。

>シャカゾンビ“It's OK”を聴きなおしていたら

あれ良いですよね。あの曲は、個人的にはあのアルバムで唯一もろエモーショナルなトラックを作ってくれたツッチーがMVPです。

>リトルの2ndは“ラップが好き”や“愛幻〜”を聴いているとやはり他の多くのラッパーとは一味違う

実はKREVAと同じくらい様々な音への対応力があるラッパーですよね。
声で損してるかもな、と思うときは正直ありますが。
2009/12/14 6:46 AM by 遼
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