2011.04.09 Saturday
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1.INTRO 2.錬金 3.Ocean Cruse 4.まだまだこっから 5.SKIT feat.G.K.MARYAN 6.D 7.RE 8.RHYME SHOWTING 9.SKIT feat.You The Rock☆ 10.色 11.Life Cruise 12.エネルギー革命 13.PASS DA LAMP feat. D.O, SHINNOSK8, TSUN 14.Drive it 15.SKIT feat.TWIGY 16.Wining Road feat.48.9(RINO LATINA II, UZI, HAB I SCREAM, DJ PAT→504) 17.STORY
★★★★★★★★☆☆ 高校生の頃に買ったKAMINARI-KAZOKUのアルバムの中で当時のお気に入りは「 Thunder Breake Beats」だったんですが、時が経つにつれてあのちぐはぐなマイクリレーの何が良いのかわからなくなった(DABOはかっけーなと今でも思うけど)。逆に「ハレトケ」のあの鬱屈した雰囲気に魅力を感じてきて、中でも職人的な後ろ向きラップをしてたGAMAに惹かれました。2006年に届けられたこのGAMAの1stアルバムも「ハレトケ」にさして興味を示さなかった頃の自分だと、何の面白みも感じられなかっただろうなぁ。 DJ ANDO,DJ MISSIE,DJ YAS,DJ HIDE,MURO,DJ AMEKENなど雷周辺のトラックメイカー達がこぞってボトムで男気を示す無骨なビートを並べ、その上でGAMAがひたすらラップ。そりゃもうひたすら。特に韻に対して拘っているわけでもない。伝統的なオレオレ感を内在させながらもそれを「お前らも頑張れ」に置換したリリックをしたためていて、それがこのアルバムを語る際の切り口の一つになっているのは確かだけれど、特に斬新なメッセージが込められいるわけでもなく、それが彼のラップの屋台骨となっているわけでもない。HOOKで展開を変えて耳障りを良くすることもない。HOOKでもヴァースでも、ただもうひたすらに、途切れる事無くGAMAの平均万能型のラップが流れっぱなし。 こうした派手さのないラップと強靭な体幹のトラックが組み合わさるその部分に、ある種のグルーヴ感を汲み取れるかどうか。選民的な事を言うつもりはないけど、それが出来るかどうかがこのアルバムを楽しめるかの鍵でしょう。最小限の構成要素でグルーヴの生産体制を整えるシステムに黒人音楽の隋を見ることが出来るのなら、要するにこのGAMAのアルバムは最高にHIPHOPだし、アルバム出すたびに新しい遊び方を模索している他の雷メンバーよりも、そして半端なガヤガヤ感を纏ってしまったKAMINARI-KAZOKUのアルバムよりもずっと「雷」を正統継承した作品だ。 この部分に魅力を感じられたなら、後はもう後半までずっと楽しめます。ドラムとベースだけで唸らせるMISSIEの音とダラダラ流れるGAMAのラップがダラけたグルーヴを醸成する「OCEAN CRUISE」始め、YASらしい低音の効かせ方が渋く、GAMAの特徴を見越して作ったのであろうヴァース間の展開が耳に気持ち良い「まだまだこっから」など、佳曲がズラリと並びます。中盤には比較的聴き易い曲が並び、メロディアスな音の乗せ方が地味に巧い「RHYME SHOOTING」や「色」、「DRIVE IT」辺りも何度聴いても飽きがきません。
ただ逆にこうした一貫して続くストイックながらもダラダラしたノリが気持ち良かったので、終盤の特に良いわけでもないマイクリレーものは流れをブチ壊しで不要だったと思う。このアルバムへの客演は「エネルギー革命」のRINOの登場割合くらいで十分。同様の理由から、いきなりトリップホップ的な方向にギアを変えるKENSEIとの「STORY」もラストを締め括るには浮いた匂いを残しすぎてる。雷のメンバーが軽くシャウトするだけのSKITもアルバムになんの捻りもなく5曲ごと等間隔に突っ込まれているのを見ればアルバムの流れにプラスの効果を持たないことは明らかで、耳休め的な機能を持たせるなら挿入する位置、内容とも再考するべきだった。と幾らか惜しい部分もありますが、ソロ曲に関しては全て高水準を保っていて良質なアルバムと言えるでしょう。「MAKEするぜぇ」にぽかんとなって、「ハレトケ」で「おぉっ!!」となった方ならきっと気に入るはず。
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