1. prelude
2. Dirty 30's
3. 赤ちゃんがノッてます
4. One Love
5. Agnes Says
6. 裸のVENUS
7. Downtown Girl
8. 君もどこかでもう一度 feat. AI-Chan
9. Victoria Syas
10. G.I.Joe & G.I.Jane /
11. 僕らの必修科目
12. On the road again
13. Do that feat. B-FRESH, NAOMI
★★★★★★☆☆☆☆
元B-FRESH。日本のHIPHOPがよちよち歩きを始めた頃からダンス、ラップ共に懸命に支え続けてきた全リスナーが敬意を払うべき第一人者の一人だ。そんなCAKE-KだがTHE BEST OF JAPANESE HIPHOP VOL.6に収録された隠れクラシック「MERRY-GO-ROUND」を聴いてもわかる通り、その歯切れ良いフロウもあってポップなトラックではより一層光るものを見せてくれる。このソロ第一作目は第一声からHIPHOPのみに拘らないジャンルレスな姿勢をハッキリと主張している。その結果90年代からアンダーグラウンドで活動してきたラッパーとしては珍しいくらいキャッチーなアルバムが出来上がったが、その作りがイマイチ淡白。音がポップとか以前にCAKE-Kのラップ自体の幅が明らかに狭まっているのがその主な原因だろう。微妙な音の取り方、変にせかせかしたラップ。本当に余裕たっぷりの聴き取り易いラップで「MERRY-GO-ROUND」を作り上げたCAKE-Kか!?と最初は正直落胆の念が色濃く残った。それでも何度か聴き直していくと、序盤の「Dirty 30’s」等は未だに苦手だが、持ち前のキャッチーさを相変わらず上手く活かした楽曲も確かに存在する。「裸のVENUS」や「Downtown Girl」のような女性絡みの曲は相変わらず甘〜く作るのが上手く流石に及ばないまでも過去の名曲群を髣髴とさせるような出来栄えだ。そしてBELLとNAOMIを迎えたリード曲、「Do that feat. B-FRESH, NAOMI」はパイオニア達がまだまだ期待したくなるような活躍っぷりを披露してくれる激ポップな超良曲。特にNAOMIのサビで一気に持ってかれます。実は90年代からB-FRESHってその方向性が全くブレないんですよね。この曲もその延長線上にあり、やっぱり姿勢としてカッコ良い。という風にスタンスとしては最大限の喝采をB-FRESH自体に贈りたいが、やっぱりアルバム自体は玉石混交な感じなので自信を持ってお勧めできるかと言えば少々微妙。B-FRESHやB-FRESH3の名前にすぐ反応するような90年代好きは感慨深さを噛み締めつつ聴いてみてはいかがでしょ。