1.intro ROBO
2.R.U. READY
3.LET IT FLOW feat.BOSE
4.ROBO TUNE
5.セッション01 feat.AFRA & Y.Sasanuma
6.INTHEHOUSE!!
7.JUNKYARD‘ウルトラゴミマグネティックMC's feat.JUNKFOOD&SDP
8.SOUNDOFfeeling “ギャラクシー色やねん”
9.it's NEW T.I.M.E
10.ミュータントディスコ feat.Computers
★★★★★★★★★★
SDPと共にLBの一員として黎明期の日本のHIPHOPシーンを支え続けてきた脱線3。そのリーダーであるロボ宙がSDPプロデュースのもと完成させたのがこのアルバムだ。今となっては全国的に知られているMCなのかどうかも疑問なところだが、逆にそんなノープレッシャーな状態からあえて「大型新人」とも称して売り出した今作は余計な重圧も受けずのびのびと創られた印象を受ける、稀に見る名盤である。アルバム中に流れるスペースファンクな音がリスナーを宇宙旅行をしているかのような気分にさせてくれ、身を委ねていたくなるような不思議な空間をそこに創り出す。ロボ宙自身のラップはSDPなどと同系列のLBっぽさ全開のものであるが、言語センスの鋭さ、要所要所でキッチリはめてくるライミング、そして何よりこの見事なまでの「トラックに乗る上手さ」など、そのレベルの高さというのは現在のシーンでも突出した力を持っている。あくまでも現行のメインストリームとは違うHIPHOPを突き詰めていく古くからのスタンスは変えず、その努力がこのアルバムでひとつ節目を迎えた感じも受ける。「LET IT FLOW feat.BOSE」や「it's NEW T.I.M.E」で見せるトラックとの一体感、浮遊感、そしてそこにあくまで主役として張られるラップのカッコ良さはHIPHOPとして以上に彼の音楽として完成した感さえ抱く。豪華セッションで紡ぐ「JUNKYARD‘ウルトラゴミマグネティックMC's 」も貫禄の出来映えで、10曲とボリュームとしてはやや少ないながらも圧倒的完成度を誇り30分そこそこの時間で批判の言葉も出ない満足感を与えてくれる。確かに残るLB勢の息吹を感じることが出来る貴重な名盤だ。相変わらず動けばクラシックを残していく彼らにただただ感嘆の声をあげるばかり。「LET IT FLOW feat.BOSE」と「it's NEW T.I.M.E」については聴いた方の間でのみ隠れた名曲として語り継がれていく事必至だ。