1.イントロ-マイカデリック殿堂入り!!
2.E=MC2
3.アンラッキーモンキーDJオショウの波乱万丈半生記!
4.ハレンチ病院内通信空手部(feat.餓鬼レンジャー)
5.マイカデリックファンクラブ会報-その6-
6.FUNKYアリババ
7.TURBO STEELO
8.百叩き
9.極端な僕から極端なアナタに
10.I HAVE A DREAM(feat.三善善三先生)
11.LA LA means MICADELIC
12.VORTEX Xfeat.K-BOMB
13.カフェ・ド・アンダーグランド
14.夕日丘のプリンちゃん
15.アフロファンキー磁場における宴音楽原論
16.BのBによるBのためのやり直し!
★★★★★★★★☆☆
日本のHIPHOPシーン最大の恥にして最大の誇りである真田人、ダースレイダー、DJ OSHOWから成る伝説の変態グループ、マイカデリックのメジャー進出での初フルアルバム。何気に固められた韻とシーントップクラスのラップスキルが単なる面白ラップに留まらない、日本随一のカッコ良いファンクを感じさせてくれる。CHILLなんて言葉そこのけで全16曲、最高潮のテンションでかっとばしてくれる最高にアガる一枚だ。
「アンラッキーモンキーDJオショウの波乱万丈半生記!」のような彼らの十八番である最高に楽しいギャグラップ(この曲は真田人を絶賛したい!)から、早めのビートとラップで純粋にカッコ良いと感じさせてくれる「TURBO STEELO」までファンキーな作風で纏めながらも実に様々な観点から楽しませてくれる。そして今作カッコ良さという点で最も推したいのが「百叩き」だ。現在とは正反対とも言える高音フロウのダースレイダーもさることながらズンズンと重低音のトラックが良く似合う真田人がメチャクチャカッコ良い。ギャグラップを受け付けない方も無理矢理頷かせる、確実に今作の A STRESSとなっている曲の一つだろう。少数精鋭の実力派の客演との共演も聴き所ではあるが、イマイチK-BOMBが参加した「VORTEX」は印象薄。ちょっとまだお互いに噛み合ってない感じがする。その一方でインパクト大なのが餓鬼レンジャーとの「ハレンチ病院内通信空手部」。タイトルから想像出来る通りコミカルな曲であるが、ポチョムキンと真田人という双方のグループの誇る変態達が最強にして最狂。「好き放題」という言葉ですら生ぬるく感じるほどにやりたい放題やらかし、下ネタを飛ばしまくる。イカレ過ぎな、絶対に女の子の前では聴けない最高な一曲。「I HAVE A DREAM」もマイカデリックのギャグラップが活きた一曲でかなり面白い。まぁ三善善三の存在がイマイチ薄かった感もあるが。
本当にハイテンションでぶっ飛ばしてくれる一枚で、ファーストインプレッションは相当に凄まじい。アッパーな楽曲群の中で曲順により絶妙な緩急を生み出し、聴き疲れを感じさせない。ただ不満があるとすれば多少印象に残りにくい曲がある事と割と飽きがきやすい事か。しかし間違いなく彼らの最高作品であり、ダメレコから入った方も今まで敬遠してきた方も必聴の一枚。昨年変態王者の名を誰にも譲らぬまま解散したコイツらの最大最凶の遺産だ。上からの物言いになってしまって申し訳ないが、日本のリスナーはこういう日本人だから楽しめる作品こそもっとBIG UPするべき。