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WONDER WHEEL / サイプレス上野とロベルト吉野


1.INTRO
2.サ上とロ吉
3.WONDER WHEEL
4.START LINE feat.RYUZO
5.TIME IZ ONLY IT THAT CAME
6.担当者不在
7.契り外伝pt.II
8.IT'S MY TURN feat.竹内朋康
9.ハヴァブレイク
10.FEEL LIKE DANCE feat.SLY MONGOOSE
11.MASTERSオブお家芸 feat.宇多丸
12.PRINCE OF YOKOHAMA
13.ボンクラの唄p.k.a僕等の唄(東スポLUV)
14.BABY LOVE feat.将絢
15.Dear MaMa
16.NEXT EPISODE
17.ZZ CAMP FIRE feat.ZZ PRODUCTION

★★★★★★☆☆☆☆

1stアルバム『DREAM』発表以降フジロック出演も果たした、「横浜ドリームランド出身」の1MC1DJ・サイプレス上野とロベルト吉野の2ndフルアルバム。2009年1月21日発売。

INTRO」から挨拶代わりの「サ上とロ吉」にかけては、現場で見るととんでもなく楽しいとの評判をあちこちで聞くそのスタイルをそのままブチ込んだ流れ。現場で聴けばとんでもなく楽しいのが想像出来る一方、CDだとサイプレス上野のコールが一方通行に流れてくるだけで、客がレスポンスするために用意された拍の間には逆に虚しさが残る。ライブでの盛り上がりのために誠心誠意取り組む様が楽曲の作り方からも伺えるからこそ、これをCDにコンパイルしないのもひとつの手なのではないか、と酷なことを考えたりもした。

IT'S MY TURN」や聴き手を置いてきぼりで勢いだけピカイチな「PRINCE OF YOKOHAMA」など、他のライブ向けと思われる楽曲も押し並べてパンチは弱い。結局「ライブだと映えるだろう」なんて条件付きの回りくどいフォローも無駄なところで、要するにイマイチなのだ。

例外なのが、「FEEL LIKE DANCE」と「MASTERオブお家芸」。前者はリズムを滅茶苦茶に引っ掻き回すギターをその都度ベースとドラムでバチっと締め直すSLY MONGOOSEの技術でもっただけの楽曲だが、事実その点での聴きごたえは十分。後者はRHYMESTER「ONCE AGAIN」より一足先にBACH LOGICと共演した宇多丸が、リリックにまさかのMISTA O.K.I.を投入し、サイプレス上野顔負けの尻上がりヴァースを披露する。個人的に、啓蒙的な楽曲のときは押し付けがましいところが大嫌いな宇多丸だが、こういう盛り上がるための言葉遊びでリスナーを捕獲しにかかるときの彼は、地頭の良さが見え隠れして本当に巧いと思う。

また、「WONDER WHEEL」や「START LINE」、「Dear Mama」のように、自分を冷静に見つめ直したり、音楽に救われてきた自分を真摯に語る曲については、CDに収録してこその曲だと言える。こうした曲はライブでやるのももちろんだが、それ以上に「意志を伝える」ための大切な楽曲だからこそ、きちんとリスナーに坐して聴いてもらう環境に置くことが必須だからだ。これらの曲は、打って変わってCDにコンパイルしたことに価値がある楽曲と言えるだろう。

熊井吾郎作の「BABY LOVE」のような仰々しい泣きの音も、この手のトラックの専門家・将絢を組み込んで綺麗に調理している。結局、専門分野でド派手に空振った部分もいくらかはあるが、所々で実力派の底力は見せてくれる作品だとは思う。

そして、前述のように、これまでの作品よりも真面目に向き合った楽曲が多くなった。そのことから遊び心が減ってつまらないとのとの声もあるだろうが、個人的には特に気にならない。おちゃらけて騒ぐ彼らの人間臭さが魅力なのだとしたら、遊んでいるだけではない、その裏でこうやって悩む姿だって、同様に人間臭くて良いじゃないか。とは言ってみたもののその結果がいまひとつパッとしなかったのが今回だったわけなのだけれど、それは次回作に期待ということで。飲んで騒いで笑って、翌朝何も覚えてないアホな彼ら像だって、ラストのやかましいことこの上ない「ZZ AMP FIRE」を聴けばわかる通り、クルー全体で保持出来てるから大丈夫、と信じたい。


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04:27 | サイプレス上野とロベルト吉野 | comments(0) | -

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