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Greedy / MATCH


1.Intro (all about me) pro. RYU-JA for Nitemen
2.Greedy pro. JIGG for Gunsmith Production
3.My World. feat.GAS FACE pro. YANKEE-J
4.It's My Flow. feat.AKLO. Y's pro. SKY BEATZ
5.Chillin' Da Club pro. SKY BEATZ
6.無数の幸せ. feat.GEN ONE (Ice Dynasty. Light Hill). M-CITY(Light Hill) pro. JIGG for Gunsmith Production
7.One Two. feat.GAS FACE. RICK(CRIXX) pro. Nao The Laiza for Focus
8.Run This Hood. feat.YOOSEE pro. Raven Raver for Savanna Tokyo
9.On Fire pro. JIGG for Gunsmith Production
10.Pain pro. SKY BEATZ
11.Free pro. RYU-JA for Nitemen

★★★★★★★☆☆☆

沖縄普天間に生まれ育ち、単身東京に乗り込んで活動を続ける22歳の若手・MATCHの1stソロアルバム。2011年1月12日発売。

AKLO以降の潮流にあるいわゆるSWAGラップは、センス自慢というリリカルな側面はもちろん、その特徴はやはりラップの技法そのものにあるのではないかと思う。ラップに緩急は無く、曲の中ではほとんどラップスピードは変化しない。そこで単調さを抑制するために押韻主義でラップを組み立てると90年代のような脚韻ラップに立ち戻る。対してSWAGラップは一定速度のラップスピードの中で、フロウによる緩急(要するにラップスピードは変えないが、各所で言葉の「間」を変化させることでリズムを生む)、日本語の語順をそのままリリックに持ち込むこと、この2つを組み合わせることで「いかにスムースなフロウを生み出せるか」、その錬度によってスワッガーとしての技量が試されるジャンルと言える(そして、ラップ技法の点に限れば、これをずっと昔から持ちこんでいるのがラッパ我リヤのQであるということも、当ブログではしつこく主張していく)。

そして、ネット上にフリーアルバムを垂れ流しては奔放に楽しむのが規範とすら思えるようなところがあるSWAGラップにあって、突如正規のアルバムを打ち込んできたのがこのMATCHだ。GAS FACE、RICK(CRIXX)、ICE DYNASTYのGEN-ONE、そしてAKLOと、フリー音源を荒らし回っている面々も多数参加した本作は、王道なSWAGラップスタイルを地で行く一方、正規アルバムだからこそのSWAGらしからぬ決意、熱意も同居する作品に仕上がっている。それは何よりも、自らのルーツ、沖縄を歌った直後に、決意表明、そしてSWAGラップへと流れていく「Intro(all about me)」に、その曲名通り集約されている。

SWAGサイドで言えば、前述のラップスピードを限りなくスロウにとって、その中である意味この手のフロウの本領を示して見せる「Chillin' Da Club」、バキバキに尖ったサウンドや金拝主義全開の開戦宣言が本作を象徴する「Greedy」などのソロ曲も光っている。もちろん客演との絡みも抜群で、各方面で話題となった「It's My Flow」はこのスタイルのフロウの応酬がスリリング。AKLOが流石に一歩抜け出したところもあり、彼のヴァースだけフリーキーすぎて空気が違う気もするけれど。

そして本作で最も光っていたのが「One Two」だろう。Nao The Laizaによる低音シンセがグイグイ切り込んでくるトラックは、この手のHIPHOPには珍しくラップを急かせる速さなのだけど、その上でナンパソングをハードコアに繋ぐラップが三者三様で痺れるほどカッコ良い。特に、RICK(CRIXX)のラップにこれまでの音源ではさしたる印象を抱くこともなかったのだが、この曲でトリを務める彼は、ハーコーさとチャラさのバランス加減が最も上手く様になっていて華があった。

一方で、アイデンティティーや、伝えたい主張ありきで音やラップが規定されてしまう「Run This Hood」、「Pain」などはパンチも弱く、その点で不満が残らないわけではない。リスナーの要求にだけ応えろなんて暴論を吐くつもりは毛頭ないが、そもそもSWAGラップを辿って本作を手に取ったリスナーにこの手のメッセージソングを求める層がどこまでいるのかも怪しい。

しかし、まだ正規音源で足跡を残した者が少ないSWAGラップにとって、本作の持つ意義は決して小さくない。全国のレコード店でSWAGの存在を販促ポップに背負い、まだAKLOもKLOOZも知らない純現場主義なリスナーにもアピールするに十分な強度を持った好盤だ。11曲でSkit無しの40分弱というタイトな構成も、20曲73分のアルバムなんかだと2回に分けないと体が持たない僕のような虚弱リスナーにも優しいベストサイズ。

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