1.Intro
2.Real Ride Shit
3.FREAKY feat.RYUZO
4.JUNK FOOD
5.skit feat.Mr.OZ
6.MJG-MARK
7.STREET x STREET feat.RUFF NECK
8.Every Ghetto
★★★★★☆☆☆☆☆
ANARCHY擁するRuff Neckから、YOUNG BERYのデビューミニアルバム。RYUZO主宰のR-RATED RECORDSより、2006年5月31日発売。
名古屋や京都のシーンに顕著なゴリゴリのハードコア感に、Ruff Neckらしいゲットーイズムを上手く織り交ぜることで、過去に酷評したNaughtyのソロ作よりは一本芯の通った作品となっている。もちろんそれは、単純にNaughtyと比べて、YOUNG BERYのラップがリズムにきちんと乗ることが出来ていることに依るところも大きい。
ただこのタイプのHIPHOPは音楽としての振り幅がさして広くないがゆえに、どうしても何か突出した部分を見せつけないと聴き手をブチのめすことは出来ない。LUCHAやBUGZYらによる仰々しいドラムとシンセによるトラックは安定して下地を整えてはいるが、YOUNG BERYが圧倒的な何かを見せつけてくれなければ、有象無象の「京都・名古屋スタイル」の中に埋もれてしまう。特にANARCHYに備わっている以上の、もしくは備わっていない何かを打ち出せなければのし上がれないのがクルーの同胞として厳しいところ。
クルー総動員で畳み掛ける「STREET × STREET」はANARCHY、JCの2枚看板の活躍もあり、素直にノれる快速ナンバーに仕上がっている。ミドルテンポのビートで、ガッツリラップを絡めることが出来る曲だと、やはりRuff Neckはフィジカル的に映える。だが結局、肝心のソロ曲ではYOUNG BERYに飛ばされることはなかった。安定して平均以上を打ち込んではいるが、これまで散々聴いてきた、紋切り型のハードコアHIPHOPの定石を忠実に踏んでいる以上の作品ではない。
ちなみに下に埋め込んだ24 Bars To KillのYOUNG BERY、NAUGHTYによるREMIXは、彼らのソロ作よりもずっとラップが勇んでいて良い。ただ、 "空まで轟かす JCのぶんまでカマすこのヴァース" と歌っているのはどういう意味なのだろう。単にJCがこのREMIXに参加出来なかったという意味なのか、それとも…。深読みし過ぎなのかもしれないが、気になる。