1.Twenty Four / Produced by INOVADER
2.Still Neva Enuff feat.ZEEBRA / Produced by タイプライター
3.Change feat.ラッパ我リヤ&JAMOSA / Produced by GEEK a.k.a.DJ TAIKI
4.Get Wet / Produced by USK TRAK
5.Too Much Information feat.CHAPPA RANKS,MAGASA,DOGMA&単駆 / Produced by DJ RYO
6.バチアタル2008 feat.D.O&HIRO(RISING SUN) / Produced by INOVADER
7.正眼 II feat.UZI / Produced by DJ RYO
8.1972 / Produced by DJ YUTAKA
9.風feat.KM-MARKIT / Produced by TAKE-C
10.Letter For Myself feat.OJ Flow,JUNNOSK8&MACKA RUFFIN / Produced by DIORI a.k.a.D-Originu
11.Our Life Story feat.BIG RON&RICHEE(GHETTO INC.) / Produced by Mr.Itagaki a.k.a.Ita-cho
12.30年後の俺feat.マイク眞木&Lil Prophet / Produced by YOSHI (BREDREN)
13.Ash to ash Dice to dust(INOVADER REMIX) / Remixed by INOVADER
14.Outro / Produced by INOVADER
★★★★★★★☆☆☆
2010年に解散したZEEBRA率いるクルー・UBGの一員であるAKTION(真木蔵人)の1stアルバム。2008年7月16日発売。
ZEEBRAからの影響が色濃く反映されたラップとTAKE-Cミックスによる綺麗に音の抜けるトラックが組み合わさった、UBGらしいマッチョイズム溢れる一枚。それを自身の趣味であるサーフィンと掛け合わせて典型的なHIPHOPヴァリューを描写した、ノリの良い「Get Wet」、親子3代に渡ってマイクを繋ぐ「30年後の俺」(マイク眞木が食ってんな〜)を除いては、特殊なバックグラウンドを持つAKTIONにしか出来ないHIPHOPが詰まっているわけではない。
ただ、愚直なまでにマスキュリニティ描写に徹し、UBGらしくあろうとする姿は、UBG作品の持つ魅力を純粋に抽出することが出来ていると思う。何ら新しいものはないが、彼らの音楽の肉体的な強さが好きなリスナーを十分に満足させ得るものではある。
ZEEBRA『THE RHYME ANIMAL』のアウトロ「平和'98」のトラックを流用して物語を始める「Twenty Four」で幕を開け、続く「Still Neva Enuff」では、アホみたいに前のめりなタイプライタービートの上でZEEBRA「Neva Enuff」を7年越しに受け継ぐ。あるいはRICHEEとBIG RONを迎えた「Our Life Story」も、前年に発売されたZEEBRA『World Of Music』の「This is 4 The Locos」に重ねることが出来るかもしれない。UZI『No.9』収録の佳曲「正眼」を引き継いだ「正眼 II」だって、相変わらず男臭くて原曲と並び立つ渋味を誇っている。音楽的な冒険はあまりなく、その点をやや面白みに欠けると捉える方もいようが、UBGの歴史に根差した自らの憧れと経験、音楽的なルーツをとことん大事に温めてソロ作に投影したという意味では、とても真摯なアルバムと言えるだろう。
最後に、その汗臭さに耳当たりの良いブルージーな触感を加え、唯一多少の冒険をした「Change」も、ラッパ我リヤとの相性の良さもあって本作を代表する1曲になっている。まぁ、なんと言ってもこの曲はヴァースの後半から日本語の文法をほとんど崩さずにライム、メッセージ、フロウ全てを両立させたQのキレっぷりが最注目ポイントなんだけど。