1.Intro pro.DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
2.MESS pro.DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
3.東京 Discovery 3 feat. PRIMAL (MSC) pro.HardTackle_66
4.鉞 -マサカリ- pro.KAMIKAZE ATTACK
5.ビルジング pro.T.TANAKA
6.MONKEY BUSINESS feat. TAKUTO (JPC band) pro.T.TANAKA
7.東口のロータリー pro.DJ OLDFASHION
8.POPS feat. 仙人掌 (MONJU) pro.16FLIP
9.マンダラ pro.I-DeA
10.Skit pro.KAMIKAZE ATTACK
11.No More Comics feat. BES (SWANKY SWIPE) pro.DADDY VEDA a.k.a REBEL BEATZ
12.Wonderful World pro.The Anticipation Illicit Tsuboi
13.Outro pro.MUTA (JUSWANNA)
★★★★★★★ ☆☆☆
JUSWANNAの右ウイング担当・メシアTHEフライの1stフルアルバム。2010年12月15日発売。
敬語で話しながらニヤニヤして中指を突き立てるようなメシアの慇懃無礼なラップの強さは、アングラ式のサウンドなら、割かしどのタイプの音でも映えることだと思う。身内周りから手広く集めたトラックメイカーの音に、タイトに言葉を乗せて職人的に調理していく。13曲43分の本作でも驚くほどボリュームに関する不満が残らない、ソロとして過不足なくラップを詰め込んだコンパクトで寄り道の無いアルバムだ。
メシアの人となりはJUSWANNAの頃から十分に見えていたため、本作はそこでのメシアに惹かれて辿り着いた方の欲求をピンポイントに満たす作品と言えるだろう。政治的にも、ラップスタイル的にも最もラディカルな部分を詰め込んだ「鉞 」の荒ぶり方なんかは、完全に自身の需要を理解しているやり口だと思う。ただ、攻撃性を強調し過ぎるギターが無ければもっと良かったんだけれど。
"反対側から見ればこっちが表だ" という宣言がカッコ良い「MESS 」や、微妙なHOOKを除けばラップは一番奔ってる仙人掌との「POPS 」など、サクッとテンプルにクリティカルを見舞って帰っていくような、ダークネスな暴力性を持ったドープチューンが13曲間にひしめく。シャウトで焦らしに焦らしてから完全にキメて帰るBESがメシアすら食う勢いの「No More Comics 」も、ハイライトたるところできっちりそうせしめていて、完全に狙い通りに計画を進め切っている一枚。
どちらかというとズドンと一撃で決めるよりは噛んで味わうタイプの作品だが、2010年の年の瀬の忙しいB-BOY達を更にアジテイトするアルバムではあろう。ちょっと用意してあるんで、ドープにいかないっすか?