1.intro
2.続・大災害
3.Relax Matha F**Ka(23区別注) feat.MACKA-CHIN,GORE-TEX,GAMA,DABO
4.土地土 FOREVER
5.Chill Time 1
6.アーバン トラップ(URBAN TRAP「都会の罠」) feat.UZI
7.THIS LIKE THAT~TOP ISLAND~
8.Chill Time 2
9.アル・パカチーノ
10.かけめぐる新宿ブルース
11.outro
12.TOKYO RELAX(acoustic album version) feat.MACKA-CHIN,GORE-TEX,GAMA,SUIKEN
★★★★★★★★☆☆
雷家族の一員・G.K.MARYANの、CDでは初となるアルバム。2000年10月27日発売。
お世辞にもスキルフルとは言えない(というか、かなり…な)MARYANだが、このアルバムの煙たいサウンドとの相性は抜群だ。とは言っても、これらの音があの頃の別のラッパーに任されていれば更に化け物アルバムになっただろうな、とは思うのだけれど。
でもMARYANのラップを底上げに上げるほど、90年代式(正確には2000年の作品なのだが)のトラックがモクモクと煙を上げてドープに染め上げている。DJ YAS、DEV LARGE、INNOVADER、MACKA-CHINといった才人の嗜好と時代が一致していた頃だっただけあり、「続・大災害」、「土地土 FOREVER」、「THIS LIKE THAT」あたりは今のMARYANの体たらくを見てから聴いてもなんら魅力を失わないマッスルHIPHOPだ。
中でもDEV LARGEプロデュースの、入りからのウッドベースがもうビンビンに気を張らせる「かけめぐる新宿ブルース」は、左右に駆け巡るMARYANの反復のよたり具合も泥臭さを増幅させており、名曲と呼んで差し支えない曲だろう。
たらればを挙げればやっぱりキリがないのだけれど、それでもやっぱりあの頃の空気をきっちりコンパイルした、貴重な作品であることには変わりない。名曲「TOKYO RELAX」ばかりが話題になる本作だが、むしろ作中では異端であるこの曲を離れて聴いてみれば、おいしい音がそこら中に転がっている。あくまでもサウンド主体で評価するなら、間違いなく良作の部類に入るだろう。MARYANの声ネタを使ってDJ MISSIEが職人芸を披露した「intro」も、皮肉にもMARYANが参加している他の曲に何ら負けないクオリティだ。