1.孤高の芸術 / MACCHO,RYUZO,般若,dj honda
★★★★★★★☆☆☆
鬼頭主導のDVD&MIX CD『THE BALANCE MOVIE』の為に制作された、iTunes配信のシングル。2010年8月20日配信開始。なお、このMIX CDに収録された新曲は、バラガキ、ZEUS、ZEEBRAによる「Ready to fight」など計5曲あり、他の曲についてもiTunesから手に入れることが出来る。
dj hondaの何が好きって、自分の芯を保ちながらも時代と共にサウンドをリクリエイトしていけているところなわけで。90年代にいかにもそれらしいサウンドで本場のビッグネーム達とさんざん黄金期を味わい尽くした後に、過渡期を経てドラムもシンセもバキバキの硬質ビートへ。Problemzとのタッグアルバムや、Twigyの120%を引き出した『h III Reason Soundtrack』での「MAD DRAMA」(これはここ5年のTwigyの外部仕事では五指に入るアクトだと自信を持って言える!!)などでは、懐古主義者達を力ずくで黙らせる完成度を披露。そしてこの曲でも例に漏れず、バッキバキで荒涼としたサウンドフィールドを整えてくれた。
これがまた相も変わらず扇動的な音で、並び立つMC達も前のめりなラップを披露してくれる。特に新たな方向を見た4thのフロウではなく、一つの到達点ともなった3rdのフロウで熱くラップするMACCHOの迫力が凄い。 "何かが不安で動き出すのさ オレの強さの弱さが弱さの強さ" と吠えて、先頭で全部持ってっちゃう。
楽しみにしていた般若はこういうビートでこういうアグレッシブなテーマを散々求められてきたからか、少々リリックの切れ味に鈍りが見える。それでもそこらのラッパーのイケイケリリックが束になっても敵わない重みを備えてるわけだけれども。あとは、ややテーマを絞ってラップすれば、実は散発的に良いリリックを聴かせてくれるRYUZOも良かった。また「Where Is Love?」みたいな曲やってくれないかな。