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喪服の楽団 / 黒


1.喪服の楽団
2.爆音太郎
3.熱夜の祭典
4.前へ
5.月光feat.トモ
6.月夜の晩
7.黒くくだく

★★★★★☆☆☆☆☆

大我あざなタイプライターが自前のレーベル・254レコードのもとで結成したグループ・黒のミニアルバム。全員があざなを冠しての覆面構成で、メンバーは黒明(タイプライター)、黒士無双、暗黒、黒ヒゲ、真黒、黒口、黒ケンの7MC体制。2001年8月1日発売。

ラフ・ライマーズに始まり、当時も今も埼玉のシーンと言えば、ヤンキーHIPHOPのはびこる場所という認識が大変失礼ながら僕にはあるのだが、本作もそのイメージにキッチリ与する作品だ。"死ね"だの"生首"だの"あの世で後悔してくれ"だのといった、HIPHOPバブルという時代背景にも支えられた空虚な攻撃的リリックが並ぶ。もちろんリリックメインで聴く作品ではないのは始めからわかっているけれど、ここまでくると、やっぱり聴いていてちょっと気恥ずかしいような思いに駆られるのも事実だ。

ただクルー内でのスキル差(タイプライターが一番下な気も…)に目を瞑れば、多人数マイクリレーを成立させるにあたっての各MCのキャラ立ちは、意外なほどしっかりしている。特に、他メンバーに比して一人フロウの巧さで見せる黒口は良い。黒口にスキルは及ばないものの、暗黒と黒ヒゲのヘヴィ級ガナリストコンビも、本作のクオリティを押し上げている。タイプライター特有の、カラオケみたいに表面で音がシャンシャンなるトラックには、乗るのがタイプライター自身の高音ラップだけでは余りにもライトすぎる。そうした状況でこれらのメンバーの支えは、(弱点補完であるという点で消極的な意味ではあるけれど)曲にどっしりと厚みを加えたものとして評価されて良いだろう。

とは言え、やたらにHOOKを担当して歌いたがるタイプライターの暴走もあり、どうしても安っぽい軽さも、スキルのバラつきによる「地方インディーズ」感も拭いきれない。今になって聴くには、様々なものが余りに貧弱であることは否定出来ないだろう。しかし挨拶代わりに勢いで攻める「
喪服の楽団」と、黒口と暗黒が特に頑張った「月夜の晩」はそれなりに聴ける。後者は珍しくタイプライターのトラックも耳に痛くない。

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