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LIVE IS LIFE / MASARU


1.ROOTS feat.JACK HERER
2.フライヤーマン 
3.DANCE HALL 
4.女神 feat.SILVA
5.ヘブンズドアー 
6.SKIT 
7.WARNING feat.565,神
8.真花 
9.輪句 feat.NOB(GAS CRACKERZ remix)
10.SKIT 太子堂にて,,, 
11.WHAT’S UP feat.KENTA5RAS,D.O,JAHWON,YAS,練馬 DA FUCKER
12.寝床 
13.STAY GOLD feat.DEN
14.NO 弾   
15.導場 

★★★★★☆☆☆☆☆

しかめっ面の並ぶ妄走族における唯一のキャッチー要員・MASARUの1stアルバム。2005年12月7日発売。

方々で評判に上るその律義で謙虚な人間性はさておき、音楽的な評価にのみ絞ってみれば、MASARUのかわいらしい高音ラップも、妄走族の多人数の中での記号的な特徴でしかなかったんだな、と感じてしまった。ソロになってたっぷりと聴かせてもらったラップは、その声質以外にさしたる武器を備えていない。意外にも特徴的な声に聴き疲れを起こしてしまうといったことはないが、それよりも新鮮味のないリリックを延々と聴き続ける苦行に直面する。

ソロ作ならではの試みとしては「
フライヤーマン」、何気に一番のサプライズゲスト・SILVAが参加の「女神」、DENとの「STAY GOLD」などがあり、これらについては一定のクオリティは確保出来ているものの、それ以外の曲になると、妄走族でやっていたことをそのまま1/8の火力でやっているだけだ。

しかし一方で、本作でMASARUが抱える弱みの一部は、そもそも妄走族の一員であることにも由来してしまう。それは何故か。

その理由を説明する際に前提となるのは、ソロ作を出すにあたって内容の多様性の確保はラッパーにとって必須作業であるということだ。それが本作では失敗している。妄走族ではあどけない声で一際目立てたMASARUは、ともすればその声を活かしてユーモア路線の曲を増やすことも出来ただろうに、妄走族で散々やったような手垢のついたストリート感を全面に押し出してしまった。それは「妄走族の一員」であるMASARUが、ソロで活動するにあたっては、彼のグループが背負ったHIPHOP的に名誉なダーティスティグマを手放すわけにはいかなかったことに依拠する。つまりやさぐれ集団の中で一抹の清浄要素であった彼は、その冠を背負ってソロ活動に足を踏み入れると一転、自らの"「
ROOTS」"を重視するならより「妄走族的」であらねばならなかったということだ(「ROOTS」のPVがまさしくそれを証明している)。そうして、あえて根無し草になることを恐れずこれまでとはまるで違った自分を示すリスクを避けた結果が、本作が「一人版妄走族アルバム」でしかなくなった一因だろう。

GAS CRACKERZ、LUCHA、タイプライター、K-LOVEといった馴染みのメンツによるトラックメイクもこなれたものでMASARUとの相性も決して悪くないが、それも含めて安全牌を並べに並べて「ソロならではのMASARU」がほとんど見えなかったことは残念だ。今日でも積極的に活動を続けていることは凄く嬉しいし、この5年の間に何かデカイ武器を手に入れて次回作に取り掛かってくれることを期待しています。B-BOY PARKのバトルに出場したり、他の大半のメンバーよりも真摯にHIPHOPに取り組む姿勢には、こんな期待が無駄にならないことを確信させるだけの熱さが透けて見える。

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