2011.04.09 Saturday
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1.ZERO3 plus Mr.Q 2.TOO LIVE 3.JUMP AROUND 4.A DREAM 5.HOME SWEET HOME plus AI,JAMOSA (ALBUM VER.) 6.13ARBIE GIRL 7.1868 8.VAGABOND plus Yuichiro Morishita 9.UNUSUAL
★★★★★★☆☆☆☆
SPHEREとSORA3000によるユニット・GICODEの2ndアルバム。2009年3月18日発売。
彼らの1stアルバムは、後追い組にとって、主にL-VOKAL,Def Tech,MEGA-G,SYZAといった現在活躍するラッパー達の萌芽を確認出来るという点で意義深い作品だった。正直なところ、SPHEREとSORAのラップそのものを期待して購入した人はそう多くなかっただろう。そして、そうした客演もほとんど削ぎ落された本作は予想通りというか、前作に比べてもほとんど話題にならなかった。僕も本作は完全にスルーする気でいたが、結果的にはこうして購入することに。
その理由は、僕にとって本作が持つ唯一の訴求要素と言えるQが参加した「ZERO3」の出来がすこぶる良かったからだ。全編通して鳴らされる、厚みのあるバンドサウンドとプログラミングが一気に牙を剥くこの曲のイントロの展開は、2人のラップよりも数段センスに溢れている。SPHEREとSORAのヴァースは悪くは無いものの、やはり無味乾燥な感が拭えない。が、ヴァンガードを務めるQのバンドセッションはお手のものといったラップとこの音の融合が物凄く良い化学反応を起こしている。この曲の前半部分だけでグイッと引き込まれた。
また、キワモノ感が凄いHOUSE OF PAINの永遠のクラシックのカバー「JUMP AROUND」も意外に悪くない。ヴァースはほぼまんまカバーで、特にSPHEREの声の迫力の無さに不満が残るのは事実だ。しかし、原曲を下敷きに、より厚みとドロドロ感をハイセンスにブレンドしたトラックが、やはり良い。批判も覚悟の上で言えば、この音は、今では「古典的」名曲である原曲を現代的に進化させたものとして、積極的に評価して良いレベルだと思う。
ただ、これらの曲も褒める要素が2人のラップにはないことからも明らかなように、他の大半の曲では「やっぱり」な薄味ラップが延々と続くだけだ。AIとJAMOSAを迎えて正攻法でしんみりさせる「HOME SWEET HOME」(これもHOOKとトラックは良い)など、積極的に評価出来る曲はやはり2人のラップ以外の付加価値がある曲に限られる。これだけスマートなサウンドを作れるのに、 "希望の無い日本の市民に夢ある未来を約束だ!"(「1868」)みたいな進歩の無いリリック(英詩の方がいくらかマシだったりする)を2009年になって聴くのは、やっぱり遠慮したい。何度も触れてきたように、生音も導入してセルフプロデュースしたトラック群のセンスは、今の日本のHIPHOPにあまりない良さがある。そのためGICODEプレゼンツのプロデュースアルバムなんかがあれば良いなと思った。本作のようなトラックでやってくれるなら買う。
PV-HOME SWEET HOME
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