2011.04.09 Saturday
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1.It's on 2.Open The Door 3.Walk In My City 4.Talkin' S**t 5.コールミー(Skit) 6.パープルベイビー 7J.ewelry594 8.相当DEF 9.Dammmn feat.Kenshin 10.マンチーキングス 11.Beautiful Noise 12.交渉-a caution 13.Look 4 Exit ver.0.7 14.リップサービス feat Rip Trap ★★★★★★☆☆☆☆
国士無双は2001年に結成された、東京を拠点に活動するグループ。6MC3DJの大所帯でスタートしたが、2005年にはJIRO-K、BUN、ITAKO、DJ社長の4人体制となる。2004年にストリートアルバム「Talkin S**t Vol.0」1000枚無料配布を経てのの本作は、初の全国発売となるアルバムだ。2007年4月18日発売。
初めて本作を前半部分まで聴いたときは、MCの3人が3人ともパワーファイト型のラップであるのに対して、Yamato、Arch、DJ 社長が提供する電子音を多用し癖球を身上とするようなトラックが、あまり相性が良くないのではと感じた。どちらのレベルが低いというより、白米に醤油ではなく牛乳をかけてしまっただけの失敗。そして、ラフな3人のラップに90年代クラシックのトラックをブレンドミックスしたフリーダウンロード音源(「It's On」、「MUNCHI KINGS」)が本作収録の原曲よりも数段クオリティが高いことが、その思いをより確信めいたものにする。もちろんクラシックのトラックを使っていることそれ自体による魅力の増幅もあるのだけれど。特に本作の原曲では何をやりたいのかわからないまま終わった「It's On」のブレンドは、ラップが本来収まるべき音に収まったジャストフィット感が凄い。
ただ、音の方向性を変えずにダーティサウスの色彩を纏って比較的泥臭い方向に振った、中盤からの盛り返しはパワフルだった。「Dammmn」での疾走感や「Beautiful Noise」のモロなダーティスメルなんかは、前半で半ば見限っていた僕に「してやられた!」という思いを抱かせてくれた。
リリックに特に意志があるわけでもなく、音捌きで魅せるタイプのラップでもないため、噛んで味わうというよりは一昔前のラップのように勢いを楽しむといった趣の作品だろう。正直、完成度の高い作品かと問われれば頷くことは出来ないが、近年の作品にありがちな切羽詰まった自己啓発に付き合わされている堅苦しさがないぶん、気軽に耳を預けることの出来るわかりやすいアルバムではある。
余談ではあるが、ラップの評価とは別枠に、ボーナストラック的な「リップサービス」のトラックが非常に良かった。ボトムの強度を保持しつつ、キャッチーな切なさがシンプルなループながら聴かせる。この曲を手掛けたGameboyzzの名前は覚えた。
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