1.D (1.219mhz) 2.WITH THE DOPESOUND 3.BLACK BLAQ FRIDAY 4.CLIMB CITY (闘争のテーマ) 5.KOOL 6.ザ・イルエストブラザー'07 7.WEESKY PARK 8.DUSTY HUSKY (SHOUT) 9.RETURN TO THE CLASSIC 10.牛糞 11.NO TITLE 12.$5 FINGER OF METH 13.SEGA FRONT 14.BED TOWN ANTHEM 15.REAL LIVES 16.OUTRO
長くなったが、要するに言いたいのは、この90年代フレイヴァを突き詰めようとするDINARY DELTA FORCEは、その愚直さ故に新鮮味を微塵も纏っていないが、その愚直さ故に90年代HIPHOP直径のサラブレッドたる実力を纏っているということだ。偉人達のラップを背にあの頃特有の、健康的な音の沈み方を見せる「WIHTH THE DOPE SOUND」、オールドスクールノリを下地に快速マイクリレーを見せる「「CLIMB CITY」を始め、完全に「わかってる」やり口がニクい。
中でもROMELICAは良い。正直本作を聴くまでは、DINARY DELTA FORCEと言えばRHYME BOYAをかろうじて知っているくらいのものだった。しかし、そのRHYME BOYAと共に中高音を担当するROMELICAのフロウ巧者ぶりがそこかしこで光る。中でも本作最重要曲「BED TOWN ANTHEM」でのヴァースは、演出効果の上手さもあって、ヴァース単位で言えば2010年上半期の作品で一番好きかも知れない。キャラクターそれ自体を個性として見せるのではなく、あくまで深く潜ろうとする音に寄り添い、その中で自らの色を加えて中毒性を醸す。この手のHIPHOPを求めているリスナーが欲しいのはどんなラップかツボをとことん知り尽くした、決め所を全てドカンと決めてくる心憎いまでの快作だ。Ghost Face KillahやBuckshottのシャウトが入ってるなんてのはあくまでもツマ。