2011.04.09 Saturday
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1.THE SIX MILLION DOLLAR MAN -INTRO- 2.HIP HOP NAVY 3.WE GET MONEY 4.THE THEME OF SAMURAI RICHARD feat. TETRAD THE GANG OF FOUR 5.24 feat. JBM 6.EXCLUSIVE feat. B.D 7.RHYME RYDER feat. BIGZAM 8.SPREAD THE SHINE -FREE STYLE- feat. VIKN, SIMON, JASHWON 9.NO WONDER feat. SPERB 10.SURROGATED MOTHERSHIP -NEW YORK MIX- feat. SPERB, B.D 11.STREET ON FIRE feat. C.T, MIKRIS & DJ TY-KOH 12.CHOICE feat. t-Ace, WOODSMAN 13.ON TO THE NEXT feat. SPERB, MARIN 14.141 15.THE SIX MILLION DOLLAR MAN -OUTRO- 16. JACKIN' 4 BEATS REMIX feat.KGE,寿,RAW-T,JBM,MEGA-G,CHINO,VIKN,S.L.A.C.K,OJIBAH,林鷹
★★★★★★☆☆☆☆
NIPPS擁するTETRAD GANG OF FOURの一員としても活動するMC、VIKNが発表したミックスCDアルバム。2010年4月14日発売。
堅実でオーセンティックなラップスタイルはNIPPSと肩を並べて活動することになんら違和感を感じないほどに磨きあげられており、この世代でも有望株と言えるだろう。ただ、時代的な影響からもそのリリックには日本語として成立する言葉が求められる中で、それに迎合したVIKNのラップはやや威力を失いがちだ。伝えたいトピックもそう多くない中で、自ら言葉の偶発性をパンチラインに変換するスタイルを封印してしまっては、リリック面で聴き手をハッとさせることは難しくなる。残るはフロウで勝負する選択肢だが、リリックの力を差し引いて、節回しそれだけで何度も魅せることの出来るラッパーはそうそういない。TETRADアルバム収録「PARTNERS IN CRIME Pt.2」のヴァースでの "中々いそうで中々いない〜" の一連のラインなんかは奇跡的にリリックそのものよりもフロウでラップの威力を引き上げていたが、本作ではフロウであれほどカッチリハマったラインは作り出せていない。
上記の理由からも、言葉が明確な目的を持って吐き出された「141」を除いて、ソロ曲の威力はリリックを語り進めるごとに間引きされる一方だ。どちらかと言えば、VIKNの正統なラップスタイルがワンクッション置く役割を果たすことになる、客演との絡みの方が楽しい。さすがに「SPREAD THE SHINE」は、インパクト大なANARCHYや、近年稀なヴァース丸ごとパンチラインを達成した般若が偉大すぎる原曲には及ばない。しかしそれでも、トリを務めた般若とは正反対に冷徹に攻めるJASHWONのラップなど、メンバーの本気具合は伺える。それぞれ完全にBIGZAMやDJ TY-KOHの中二シャウトに食われてしまった「RHYME RYDER」や「STREET ON FIRE」もVIKNのラップを目的に聴かなければ楽しい。MARINが「No Diggity」のラインを丸々なぞる「ON TO THE NEXT」なんかも、遊び心として良いと思う。
TETRADなどでVIKNのラップに興味を持った方がその欲求を存分に満たすことが出来る作品かどうかはかなり怪しいが、ミックスCDアルバムらしいトラック借用や肩の力を抜いた身内とのエクスクルーシヴなど、その側面での価値は失っていない作品であろう。CDに初収録の「JACKIN' 4 BEATS REMIX」は、出だしのインパクトが凄いKGE(「病む街」)、途中の抜きがセンス溢れるRAW-T(「B-BOYイズム」)、なんか原曲オマージュの "なにやら" の部分の発音がやたらハマってるJBM(「人間発電所」)あたりは特に良い働きをしている。中でもS.L.A.C.K.(「FUKUROU(YAKANHIKOU)」)の部分は、あの短い尺で一気に幻想的な空間を作り出している名ヴァースだと思う。
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