2011.04.09 Saturday
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1.3分男 2.太鼓盤 feat.KREVA 3.3分クッキング feat.MUMMY-D 4.AAH 5.ミラコー feat.K.I.N 6.今を… 7.録音男 8.さわげないサタデナイ feat.KREVA 9.奇跡 10.夜祭りイン・ザClub feat.KREVA 11.すてたもんじゃない 12.本根 13.レッツバウンス 14.ウォウォ ★★★★★☆☆☆☆☆
FGの一員でありKREVAの盟友・CUEZEROの3rdアルバム。「3分で全て調理して見せる」をコンセプトに、全曲が3分台の長さとなっている。2004年3月17日発売。
CUEZEROのラップは外部作品のマイクリレーで聴くとクールダウン効果を発揮していて、何かナードスタイルとしての脇役的な魅力を感じることもあるにはあるのだが、ソロで聴くとやっぱりキツい。気持ちのこもったリリックを書いているのに、ラップで感情を込める努力がほとんど感じられないし、ときたま唐突に変な裏声の歌を聴かせるだけでは何がしたいのか全く分からない。韻の踏み方なんかはFGの一員としてクオリファイされる水準に達しているのに、音楽表現として抑揚を付ける技法が昔から全く進歩していないように思う。
顔PASSブラザーズ(DJ TATSUTA+KREVA)、Mr.Drunk,GM KAZといった顔馴染みのメンツによるトラックがそれなりにCUEZEROのラップを支えてはいるが、ひとたび変則的に攻めるともうラップが音に呑まれてしまう。特にKREVAプロデュースの「太鼓盤」、「夜祭りインザClub」あたりは、悪ノリのすぎるKREVAに完全に乗っ取られてしまっている。これもうKREVAのソロ曲で良かったじゃん。
3分で済ませるというコンセプトも、それをヴァラエティ豊かな楽曲でオムニバス的にサラッと聴かせてみせるならその意義もあろうが、3分でもうおなかいっぱいな一本調子のラップが続くだけでは退屈だ。別の意味で「3分で済んで良かった」という感想が出てきてしまう。
コンセプトの明示とともに "オレに3分くれ 3分だけでいい" と、やる気と共に何か悲痛な感情が交差する「3分男」と、その感情が後ろ向きに揺り戻されたラストの「ウォウォ」は悪くない。脇役としてやってきたことによる葛藤というか、がむしゃらな気持ちみたいなものはリリックのそこかしこに見え隠れするのだから、それを音楽表現として発展させることが出来ればきっと化けるだろうに。
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