2011.04.09 Saturday
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1.チョップスティック・ブルース 2.この町へおいでよ 3.ミュージック 4.RIDE ON MIND 5.時間ですよ! 6.マンボのビート 7.カレーパーティー 8.トワイライト・ア・ゴーゴー 9.今日を問う 10.爆弾ソング 11.季節だより(冬) 12.さよならに飛び乗れ 13.たれそかれ ★★★★★★★ ☆☆☆ ECDとの共作や小説執筆、Dommune(見たことないけど)への出演など、幅広い活動を続けるイルリメの恐らく6thアルバム。2009年2月4日発売。 元々はコントグループとして活動し、電気グルーヴに影響され音楽を始めたというバックグラウンドからしてアヴァンギャルドで面白いのだけれど、そうしたデタラメな部分は作品にも見事に反映されている。 エレクトロからマンボのリズムまでやりたい放題に調理して、そこに歌ともラップとも似つかないなにかを微妙に持ち合わせたメロディセンスでトッピングしていく。もういちいち解説するのがめんどくさいハチャメチャにテクニカルなアーティストだ。断片的なリリックも、それが逆にメッセージとして示唆的で、情報量をその強みとするラップという手法に対して凄く挑発的で最高。「この町へおいでよ 」とかなんかわからんがほんとに行きたくなるような楽しい気持ちにさせてくれるし、 "カレーパーティーめんどくさい 友達来るのめんどくさい" と叫ぶ「カレーパーティー 」にだって何か深淵な意味があるのでは、なんて深読みさせる。そしてそのリリックセンスを具体的な形で示して見せたラストの「さよならに飛び乗れ 」、「 たれそかれ 」は素晴らしい出来。散々遊び尽くして最後にセンチメンタルに締める。青春時代で一番楽しかった頃の帰り道を思いだしたときの、ぎゅっと締めつけられる、あの人間の最もセンシブルな感情を呼び起こしてくれる。夕暮れに聴くとヤバいなぁこれ。 そうしたリリックでのはっちゃけぶりや親しみやすい歌い上げ方などが、テクニカルな作風にも関わらず、ともすれば一般受けさえしそうな取っ付きやすさを与えている。聴き疲れしないように構成された13曲を42分という時間も、入れ替わり登場してくる雑多なサウンドを無理なく楽しく聴かせてくれるベストの長さだろう。やりたいことを貫きながら、リスナーに聴かせるアルバムであるという姿勢を忘れていない、作品をCDにパッケージングするにあたり必要なことを心得ているアーティストだと思う。「RIDE ON MIND 」の歌い方なんかを聴く限り、密かに日本のAndre3000のポジションを狙っているのかも、なんてぼんやりと思った。
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