2011.04.09 Saturday
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1.R.R.SHIT / RAGING RACING 2.チャラス1番館 / HIRO, YO-SUKE 3.柔 / E.C.ZUTCHEE, HIRO 4.On the Palette / BEARD 5.男の浪漫 / BEARD, E.C.ZUTCHEE 6.ぼーやのぼやきぼや騒ぎ / DICE, E.C.ZUTCHEE feat. LEWD 7.珍道中 / スゴROCKファイター 8.興奮剤 / RAGING RACING 9.準備体操第3 / E.C.ZUTCHEE 10.すごろく / スゴROCKファイター 11.固定観念 / E.C.ZUTCHEE, YO-SUKE, BEARD 12.原点回帰の進化 / RAGING RACING 13.折右 / E.C.ZUTCHEE, YO-SUKE 14.言語飛脚便未確認 / YO-SUKE 15.大海原 / YO-SUKE, BEARD, HIRO 16.真暗魔王 / YO-SUKE, DICE, HIRO 17.残念なお知らせ / YO-SUKE, E.C.ZUTCHEE feat. HIDA, ERONE (韻踏合組合) 18.ODORU★TANGO / RAGING RACING 19.原点回帰の進化 NAPEY Remix / RAGING RACING
★★★★★★★☆☆☆
2002年〜2003年のわずか一年ほどの間、大阪を中心に活動したRAGING RACINGは、YO-SUKE,E.C.ZUTHCEE,BEARD,HIRO,DICEの5MCにGON,SABを加えた7人組。本作は彼らが唯一発表したフルアルバム。2003年12月17日発売。
関西の代表的な大型クルーとしては、同年に2ndアルバム「THE MEGA CITY FIVE」を発表したDOBERMAN INC.や、同じく「ジャンガル」を発表した韻踏合組合などが挙げられる。しかし、RGING RACINGには、常にアメリカを見据えたDOBERMAN INC.や、「ライミング」という技術自体をアイデンティティに昇華させた韻踏合組合のように、クルーとしてHIPHOPに対し、確固たる姿勢をもっているわけではない。強いて言うなら漠然とした「関西人らしさ」そのものが、そのまま彼らの色になっている。レゲエのフレイヴァもほんのり匂わせつつ、関西人特有のイントネーションで親しみやすく語られる背伸びしないラップ。これは、LARGE PROPHITSやDESPERADO、BAKA de GUESS?(あるいは脱線3も)から、今のCOE-LA-CANTHやZIOPSまで脈々と受け継がれてきたものだ。そしてそうしたラップの語り口そのものにこそ魅力が詰まっているため、お世辞にも洗練されたとは言えないスキルで、キャラ立ち優先で好き放題に荒々しくマイクを回していくRAGING RACINGは、それだけに関西臭くてより魅力的だ。
DJ NAPEY,ATTI,Mr.FUKUSANにより提供されるトラックがまたラグドな装飾感が無いミニマルでチープなもので、この辺りも90'sサウンドとはまた違う、関西特有のロウでラフな質感を纏っている。曲単位ではやはり、「RR SHIT」や「原点回帰の進化」などのクルー総出での曲の勢いは聴いていて気持ち良い。また、クルーを先導して大立ち回りするYO-SUKEとHIROのラップはメンバーの中でも一歩抜きんでていて、低音のYO-SUKEと高音のHIROのコントラストによって曲の深みが増したところも多い。特に「残念なお知らせ」で最後に一気に食いにかかるERONEにも負けなかったのは素晴らしい。HIROの "己に振り返っては寝てばっか 何練ってるって葉っぱ" はパンチライン。
関西らしいまとまりのないガヤガヤ感が素敵なクルーだったが、それだけに解散という結果に繋がったのだろうか。本作の出来が良いだけに残念だ。RAGING RACINGとしての彼らの声が聴ける全国的な音源は、現状ではコンピアルバム「Home Brewer"s Vol.2」やDJ NAPEY「ILLFINGER」くらいしかない。BEARDがソロで活動したり、YO-SUKEとHIROが解散と同時にBOMGROWを結成したりしてはいるが、もっともっとあのまとまりのないマイクリレーが聴きたかったなぁ。
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