2011.04.09 Saturday
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1.ごあいさつ 2.オラハラッパー 3.HIP HOP IS... 4.PO (pt.2) 5.朝起きて君は… 6.ドンスタ 7.乾杯 8.もう一杯 9.脳天気野郎 10.HOTEL FUCKIN’ CITY TOKYO 11.OS 12.MOGU MOGU 13.チクタク
★★★★★★☆☆☆☆
KOCHITORA HAGRETIC MC'Sの一員でもあり、フリースタイル巧者としても知られる鎮座DOPENESSの1stソロアルバム。2009年9月16日発売。
稀有なフロウを持つ鎮座DOPENESSのラップを引き立てることに専念した13人のトラックメイカーが、それぞれの持ち味を押し出した音を提供。必然的に、その色彩豊かな音世界の上でグニョグニョと形を変える鎮座のラップが、いかに変化し、またいかに変化しないかを聴いて楽しむ作品となる。楽曲への参加歴もあるケツメイシとルーツを同じくしてラガ風味の味のある歌い声も存分に交えたラップが、ダブステップ、オーセンティックビート、裏打ちなどの上でどう踊り狂うのか。これまでの鎮座のラップに魅せられたリスナーが、トラックメイカーのクレジットを見てこのアルバムに馳せる思いはおよそそういったものであろう。
事実、完全に歌いあげた「朝起きて君は…」でもその「ラップ」の魅力が失われていないのは驚異だ。「純HIPHOP的」であることを捨ててオリジナリティを突き詰めることによって、逆に「純HIPHOP的」なオリジナリズムを手に入れる、スキルの旅を360度済ませたラッパーだけが手に入れられる魅力だと思う。このあたりは、「HIPHOP的アティチュード」を採ることが、ラッパーを名乗るにあたって最初の義務手続きとなっているウエッサイ系のHIPHOPでは生まれ得ないものだろう。HIPHOPであることにこだわらないからこそHIPHOP的。DJ YAS製の、その名も「HIPHOP IS…」すら悠々と乗りこなせるあたり、そこらのラップスタイルとしての歌フロウとは違い、正にHIPHOPスキルを磨きに磨いてきたからこそ持ちえた能力だろう。
ただそうした日本のHIPHOPにおける怪奇生物みたいな能力を持て余し、ソロ1作目としてやりたいこと全てを欲張った結果、作中のまとまりはお世辞にもあるとは言えない。新たな境地のつまみ食い程度で済ませてしまっている楽曲が散見されるのも残念であり、諸手を挙げて「大傑作!!」と絶賛出来る作品ではない。
それでも、「MOGU MOGU」のバカげたクリエイティヴィティ(PV含む)などで証明される通り、そのポテンシャルは近年のラッパーの中でもかなり高いものがあるのは間違いない。遊び心があるのはこれからのためにも大いに良いことだけれど、次回作では才能と音楽的欲求に「作品製作」が振り回されることのないようにしてほしい。まぁ、本作でのこの欲求丸出し感があるからこそ、それだけの期待を持てるんだけれど。
PV-MOGU MOGU
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