2011.04.09 Saturday
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1.INTRO 2.G.O.D -GAME OF DEATH- feat.B.D. THE BROBUS 3.KEEP ON ROLLIN’ feat.XBS & JUNEAR 4.TIME TO CRUISE feat.BAZOO 5.SUNSET TOWN feat.F.U.T.O. 6.MECCA feat.BIG-Z 7.SKIT feat.MASTA SIMON FROM MIGHTY CROWN 8.45 MAGNUM feat.YOYO-C 9.CRYIN’ feat.宏実 10.TOUCH feat.VLIDGE 11.WELCOME TO YOKOHAMA CITY feat.YUTAKA HANDA ★★★★★☆☆☆☆☆
元OZROSAURUS(という表記でいいんだよね??)であるDJ TOMOの1stソロアルバム。2008年9月24日発売。
何かとDJ PMXの陰に隠れがちな彼だが、DJ PMXがいわゆるG-FUNKに多大な影響を受けたサウンドを常に生産するのに比べると、DJ TOMOの音はウエッサイらしい心地良さを残しながらも、もっと自由だ。それだけにラッパ我リヤ「和ILL道スタイル REMIX」やOZROSAURUS「Hey,Girl DJ TOMO REMIX」など、ガッチリハマったときの彼の音は、ウエッサイの文脈から離れてもなお衰えない魅力を持つ。
ただロックテイストも多分に含ませた彼のサウンドを、客演陣がウエッサイ的なアプローチで乗りこなそうとして失敗しているきらいが。実際横浜=ウエッサイの単純図式を外しにかかったというDJ TOMOの音(この狙いは聴き手にも十分伝わる)に対して、その目論見を退行させるようなラップばかりなのはどうなんだろう。やたらメロウ路線を採った結果ズッこけたXBSや、男臭さなんて完全に消え失せ、そこにはただの舌の回らないラップが残るだけだったF.U.T.Oの楽曲は悲惨なことになっている。初ソロで挑んだBAZOOも、ウエッサイな色調のみを意識しすぎたあまり、いなたさが剥がれおち普通の兄ちゃんの姿があるだけだ。
ただ、多くのラッパーがそういう細かなスキルのやり取りでの失敗をする一方で、そんなもん吹っ飛ばして、BIG-Zがいつも通りにサビでは"ゆっれうっごっきっな〜♪" "おったっのっしっみっは これから〜♪"と歌って我流を貫く「MECCA」に関してはもう逆に清々しい。典型的なウエッサイ式を貫いた自らの1stアルバム「WEST FAR EAST SIDE」と同じ方法で、DJ TOMOが「ステレオタイプなウエッサイ図式」を崩しにかかった本作に攻め入る器量は、なんというか逆に褒め称えるべきだと思う。BIG-Z大好きですよ、もう。
後半のシンガーサイドも凡百な出来で残念で、結局ウエッサイ図式のルネッサンスを起こせたのは伴田裕のサックスを交えてアーバンジャズっぽさを醸すインスト「WELCOME TO YOKOHAMA CITY」と、ビンビンに張ったギターの上でB.D.が尖鋭的に吠える「G.O.D.」くらいか。でも後者の出来は本作では図抜けて良かったので、これからも語り部との相性次第では今回の狙いをより高次で達成出来るんじゃないだろうか。そのときもまたBIG-Zみたいな全速力で逆走する飛び道具が仕込んであれば、なお嬉しいです。
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