それでも「だりぃ-SKIT」で"マジ無理 一人がいい"と言い放って「周りの奴らは勝手にやってろ」スタイルにチェンジする中盤の構成など、作り込みという点では面白いのも確か。特に曲としても一つ抜け出たラスト近くの「「終わりなき道」は、それまで周りは勝手にやってろ、自分の境遇なんてクソだ、金もねぇし裏切りだらけだ、と振り返ってやる気を失っていたSTICKYのテンションを、とことん仰々しい音で救い上げようとしていたI-DeAが遂に成功した曲とも言える。晴れやかな音の上で金、裏切りなんてことを抜きにしてこれまでを振り返ってみれば、自分はなんと多くの仲間に支えられていたことか。それに気付き歌いあげるSTICKYには、決して「これから」を夢見ることすら叶わない絶望的な未来しか見えない訳じゃないだろう。そしてその後に続く「DAY N NITE」でこれからを見据えて終わるあたり、やっぱり構成的にはよく練られた作品ではあると思う。