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1.Slow Burning feat. HIRO the RISING SUN, MOTOAKI
2.King -N- Queen feat. YOKO (Still Low Profile), YAS (BLACK BELT)
3.密告者 ~Informer~ feat. PHOBIA OF THUG, RICHEE (GHETTO INC.)
4.小菅ヒルズ feat. 拳太 (J-GREN), HULK
5.After Summer feat. Kayzabro (DS455) , JiN
6.Holiday feat. AK-69, HOKT
7.Be With U feat. BIG RON
8.True Colors~チンピラ~feat. 565(妄走族), LA BONO
9.4 Tha Hood feat. ZEEBRA
10.Outlow Connection feat. MACCHO (OZROSAURUS) ,II-J,D.O,U-PAC (G-PRIDE) ,GIPPER,DESTINO,HYENA,NITTY,JASHWON,PIT GOb,1-KYU,S55,Tyson,MAJr,朱武,MC仁義,SIVA,Lil Bo,RYO(LGY),M.O.T.,EL-RAY,Sir-Vibe
★★★★★★☆☆☆☆
GDX(GANGSTA DX)は日本のHIPHOP黎明期より活動を続けるラッパー。LAのゲットーに3年間住み、当時はギャングの一員となって活動していた。名コンピレーションアルバム・「The Best Of Japanese Hiphop」シリーズにも幾つか曲を提供している。本作はそんな彼の、ソロ名義では3rdアルバムとなる作品。2006年10月4日発売。
ナルシズム溢れる割にリリックもフロウも不器用なGDXのラップ自体はハッキリ言って魅力に乏しく、まともな客演無しの曲は抑揚の付かないラップが延々流れるだけで凄く退屈。リリックに集中したところでことさら何か言ってるわけでもなく、中でもDJ RYUUKI作のラブソング「Be With U」は早送り必須だ。HOOKが間延びHOOKメイカーのBIG RONというのがまた辛い。獄中生活を綴った「小菅ヒルズ」なんかにはリリックの工夫も見られるが、その結果ラップが更にベタ足でズルズルいってて、5分の時間がとてつもなく長く感じる。
それよりも特に考えずに低音シンセバキバキなアメリカントラックにチンピラフレイヴァを乗せた曲の方が安定した出来だ。そのぶんいかにもこの手のHIPHOPスタイルに留まっていて凄く没個性的ではあるのだけれど、攻撃的な姿勢の方が実際彼らには良く似合う。クールなテンションの「Slow Burning」が始まった時は「おっ」と思ったし(続く「King-N-Queen」がただの劣化Lil'Jonでつまづいたけど)、PHOBIA OF THUGの人選が大正解な不穏な「密告者」なんかはギャングスタやらなんやらのリリックがもう特に気にならい身としてはかなり楽しめた。何よりギアを全開にして飛ばす「4 Tha Hood」のZEEBRAが凄い。ほぼ英詩だし中身なんて何もないけれど、勢いだけで聴かせる力は流石。トラックでその下地を整えたBAYAの名前は覚えた。
他にもアレなラッパー揃い踏みのように見えて、ビックリするくらい565が大活躍する「True Colors」が伏兵として潜んでいたり、チルだの愛だのを取っ払った猪突猛進な姿勢の曲は概ね高い完成度を誇る。ラストの全員逮捕出来そうなマイクリレー「Outlow Connection」もHYENAやGIPPER、MACCHOといった実力派がきっちり曲を引き締めていてダレない。ヒネれてないヒネり方をした駄曲の数々、凄く趣味の悪いジャケット、中身の無いリリックなどを差し引いても、正直思っていたよりずっと良かった。没個性になりがちではあるが、この作品を聴くまで名前も知らなかった人たちもガンガンに上がる音を提供しているあたりトラックのサポート体制は整っているし、、やっぱりハマれば強いジャンルではある。