1.2 of Kansai'z most wanted
2.Most Wanted
3.Get a MIC
4.Orizinal Flo
5.Bang! Bang! Bang! feat.清水ユーエスケー
6.So Much Pain
7.We Don't Give A Fuck feat.PARYAN
8.破落戸~ナラズモノ~
9.How Many MC'z?
10.Mid Night Ride
11.I believe in my self
12.Week End
13.Homiez 2010ver.
★★★★★★★☆☆☆
22&GAZZILAの1stフルアルバム。2010年4月28日発売。
関西では希少なウエストコーストスタイルだが、このタイプにありがちな、洒落たトラックをダラダラと汚していく有象無象のガナリ声ラッパー達とは違う。音にガシガシラップを食い込ませてくる、ウェッサイスタイルにおけるヘヴィパンチャーの真打ち登場だ。
ガツガツ食い込んでくる2人のラップの特性から、平面的なウェッサイトラックを提供するAKIO BEATSとの曲よりも、バウンシーなビートを多く提示した774作の曲との方がレベルが高いものは多い。中でもタイトルチューン「Most Wanted」、清水ユーエスケーとの意外な相性の良さ(でもそう言えば、Wolf Packの1stからこういうバウンシーなの多かったですね)を見せつけた「Bang!Bang!Bang!」などは貫録の出来栄え。AKIO BEATS作でもGAZZILAソロの「How Many MC'z?」のような思いっきりメロウチューンに振り切ったものは、流石のクオリティだ。
2人とも前々からさしてリリックに幅があるわけではなく(GAZZILAは今回も安心の "I'm GAZZILA裏庭のハスラー" 率!!)、あくまでもフロウ捌きとしてのラップと、音との本能的な化学反応を楽しむ作品だ。そのリリックへの比重の軽さは、あくまでも伝統的なウェッサイスタイルから外れていない。そのため、へヴィなラップが支配する作品ではあるが、音との兼ね合わせもあって爽やかに流し聴ける作風になっているところに、この手のHIPHOPアクター特有の矜持を感じる。
そのためこれまでの作品と比べても何が新しくなっているわけでもないのだけれど、それでも同じことの繰り返しの中で一定の水準を保った作品、そしてラップを維持出来る体力は中々凄い。「Homiez 2010.ver」で22の渋味が更に増していたり、毎度挿入されるチルソングが、今回の「Week End」で顕著なレベルアップを果たしていることなどを鑑みるに、これからも揺るぐことなく一徹に己が道を突き進んでくれそうだ。