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STANDARD PROCESS / JAB


1.Dear My Life Color
2.Local Hip Hop
3.We Gotta Go/どぶねずみ
4.なるようになるでしょ
5.Challenge
6.The One feat. Toki, Kn-Sun
7.How to Learn
8.Standard Process
9.I Think ....
10.Rock The Bells/高槻Posse
11.独り言
12.Skit
13.雨男の唄 feat. Atius
14.重ね重ね

★★★★★★★★☆☆


Lion's Rockの活躍などもあり、近頃躍進目覚ましい高槻で活動を続けるラッパー・JABの1stフルアルバム。2010年2月3日発売。

JABには何も無い。NITRO前後の神話的な存在としてのアイドル性も無ければ、押韻主義や奇想天外なフロウを操ることによる、ラップスキル的な意味でのキャラクター性も無い。感情的な部分を強く押し出すことで苦難やイリーガルな体験をHIPHOP的に転化して自分を映えさせてくれるような、ドラマティックな人生経験があるわけでも無ければ、だからと言って同日発売の某横浜プロダクションや某タコ社長のレーベルのように、肩の力を抜いて身の回りすべての出来事を気楽なラップトピックにしてしまえるほど、余裕があるわけでも無い。JABには何も無い。

作品を彩るわかりやすい要素をことごとく持たないJABが、自らを虚飾することを選択肢から外せば高槻へのローカリズムに帰結したことは、当然というか、半ばそれしか無かったとも言える。高槻の土地に生きる"仲間の事 家族の事 恋人の事 未来の事 金にもならん自分の生きる今をビート乗せ(「
Dear my life color」)"、消去法的に語る内容は地味で儚げで、それでいて前向きで、だからこそ胸を打つ。

9曲を担当したTAKAROTや、吹田2000らによって提供された、綺麗なメロディの数々に彩られた中で、JABは"やる事やってりゃ結構 なるようになるでしょ(「なるようになるでしょ
」)"と呟いて、"どこぞのランキングよりも今何時(「Standard Process」)"かが気になるし、"俯いてても その場凌ぎで笑って上 どっかがグレー こっちが晴れなら良い(「独り言」)"とはっきり言う。JABが全てを得てきた世界はこの場所でしかないし、自分と仲間達以上のことなんてわからない。

そしてその極小単位の世界で感じて、もがいて、支えあって、酔い潰れて。その全てを作品を通して丁寧に描いた結果、そこにこそJABにとってのドラマがある事を聴き手に理解させることに成功している。そしてそのとき同時に、本作は「JABの"ラップアルバム"」から「"JAB"のラップアルバム」に進化した。

だからその志を同じくして集まった仲間たちがそれぞれパワフルに活躍する楽曲群は、繰り返し聴くほど味わい深くなるんだろう。特にキー暴のこのアルバムにかける熱量はJAB本人に負けないくらいのもので、どっしりしたフロウと併せてインパクト大。


"こっちにあって 無い向こうに(「
Local HIPHOP」)"と語るその前向きなローカリズムは、その実向こう(アメリカ、もしくは日本の売れどころ?)どころか世界中の土地土地にも生まれ得るものであり、それゆえにそこで活動するそれぞれがオリジナルたりえるHIPHOPの原風景だ。武器が無いことすら武器にしてくれる、マイノリティミュージックとしてのHIPHOPの懐の広さに乾杯。JABにはHIPHOPがある。

ただひとつ、極端に低音が出ておらず、ベースライン自体無かったりする曲があるのが難点と言えば難点。それにしても今回もまた「
Rock the bells」、「雨男の唄」とatius(Lion's Rock)のブルーズっぷりがとんでもないことになってるわけだが、2ndはいつ出るんだろう。本当に楽しみで仕方ない。
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04:26 | JAB | comments(0) | -

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