2011.04.09 Saturday
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1.前略、未知の國から by BIG FACE,オーパケ,KUTTS,カズシック 2.青葉城恋唄21 by カズシック,SHINYA 3.俺は俺 by カズシック,TATE,KUTTS 4.Sweet Town by TATE,カズシック 5. It's Show Time by AC/DJ,カズシック,RED ABI 6. 夢半ば by KUTTS,カズシック,RED ABI 7. 車窓 by KUTTS
★★★★★★☆☆☆☆
東北HIPHOPのパイオニア・カズシックを中心にKUTTS、DJ FUSE、GENSY a.k.a.OBK、BIG FACE a.k.a.DAIGAN(穴蔵一家)、AC / DJ、SHINYA、RED ABIなど多数のアーティストが集まり結成されたのが、この東北地方レペゼン・MESS→AGE CREWだ。これは彼らのデビューミニアルバム。なおこの作品に限り、KUTTSとのユニット・夜光虫としても活躍したTATEが2曲に参加している。2006年2月22日発売。
その"時代荒らし"のグループ名やタイトルなどからも、東北を背負って勝負するラッパーの意気込みが詰まった全国へ勝負を掛ける作品かと思ったが、どうやら逆のようだ。どちらかと言えば東北のリスナーが頻繁に出てくる地名などにニヤニヤしながら楽しむ為の、東北身内ノリな性質を強く持つ。全国のリスナーが聴いてみて「東北にはこんなヤバい奴らがいたのか!!」となるよりも東北地域で「カズシック達はこの地元への愛を忘れてないぜ!!ビガッ!!」と言われる事に重点を置いている。
その地元賛美の姿勢はそれぞれの地方が同じく抱える対東京、全国への意識としてとても大切なものであると思うが、一般リスナーとしては少しリリックが対内的すぎて楽しみ辛い。知らないラッパー達の品定めをするにも、BIG FACEは実質「 前略、未知の國から」のみでの参加であり、しかもこの曲は東北弁(詳しくわからないので纏めてこう呼ばせて頂きます、東北の方すみません)でラップされているためリリック解釈の点でかなりやりようのない部分があるし、他の参加メンバーもやたらと顔を出すカズシックにそのアピールの場を奪われた形だ。カズシックはラップに関してのみ言えばかなり拙いので、このラップがほぼ全曲で主役を務めるのがまた作品として辛い。
良かったのはやはり要所要所で別格のスキルを発揮して作品を安定させてくれていたKUTTSによるソロ曲「車窓」か。地元イズム、オレイズムを散々参加曲で語ってきて最後にこれだけ自分に限界を感じていると吐露する曲を持ってくるのはかなり衝撃的。アルバムのコンセプトそのものを揺るがしそうなネガティヴに振り切ったリリックは本当に彼のことを心配にさせるが、曲としては抜群のインパクトを残していった。
"握ったMICの回数くらい 成功掴んできたわけじゃない" "実家へ帰る電車の中 窓に映ってるオレが寒い 一人思う やるだけやった 理由を探すまた半端な 戻れないまともな生き方 なら探す自分なりの死に方 負け犬が笑ってら これが現実 正解?"
KUTTS「車窓」
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