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an EXtra / CHIBA ALL★STARS


1.HABITAT[REMIX] / Mr.Omeri
2.LION♡HEART / wu xing qiu
3.KG SPIKE 2001 / K.G.E
4.REAL IMPACT / R.I.SESSION(Mr.Omeri,Double S,YOU YORK,OZ)
5.PRANTER / SESAME
6.rare groove / ZEN
7.Jumpin / 麻起feat.Mr.Omeri
8.NEXT / MIKRIS
9.UNDER WORLD / SYNTAX ERA
10.PSYCHO STIMULUS HARD CORE / PSYCHO STIMILUS HARD CORE(Mr.Omeri,MIKRIS,麻起,SPYKKKLAW,T.C)


★★★★★★★★☆☆

千葉のドン、Mr.Omeriを中心とした千葉勢によるコンピレーションアルバム。自身のレーベル・KINGDOM RECORDSを立ち上げて自身のソロ作以外では初となる作品であるため、若手の顔見せ的な意味合いが強い。2001年12月15日発売。

Mr.Omeri自体はスキルが高いとは言えない、余りにも大味すぎるラップが苦手で、ソロ作は名作と名高い「
The Status Quo」すらあんまり好きじゃない(でもなんだかんだでソロアルバムは3枚持ってる)。しかしKINGDOM RECORDSを立ち上げて地元の実力者たちを全国に知らしめたそのプロデュース能力は、事実特筆に値するだろう。プチブレイクしたwu xing qiuやYOU YORKに、今じゃ第一線で活躍を続けるKGEのように事実ここから羽ばたいて行った人材もいるわけで、少なくとも千葉を語る際にはスキルの巧拙以上に語るべき所のある人なのは確かだ。

そのMr.Omeriに見出された面々で織り成す全10曲は、当時全盛を誇った「イケてるHIPHOP」というザックリした感覚を正道で音に昇華した力作だ。Mr.Omeriのラップこそやっぱり全く良さがわからないが、それ以外はアンダーグラウンドに潜む実力者たちがそれぞれ最良の働きをしていると感じた。気の抜けたタイトルとは裏腹にSPYKKLAW、SOUCE、C.S.Gの3人=wu xing qiuが超タイトな快速マイクパスを見せる「
LION♡HEART」の小気味よさは全国のリスナーを驚かせるに十分な素地を感じさせる(特にSPYKKLAWのマイク捌きと言ったら!!)し、2009年に発表したアルバムよりもずっと毒づくKGEの若いラップが味わえる「KGE SPIKE 2001」も良い。

リリックがどうこうよりも、日本のフィメールラッパー史上でも随一の声の通りの良さで曲を爽快に駆けていく麻起に唸らされたかと思えば、何言ってるか本気でわからんMIKRISのラップが地べたをモゴモゴと這いまわったりと、各ラッパーのヴァラエティの豊かさもコンピレーションアルバムらしい適度な賑やかさを与えている。E.G.G.MANの「
探音心」やMUROの「32 BLOCK PARTY」への参加でも知られるSESAMEも、知る限り唯一のソロ音源で相変わらず気持ち良い高音を聴かせてくれる。

そしてここまで言及したオールスター達が総出でキメにかかる「
PSYCHO STIMULUS HARD CORE」は正にクラシック。各人が自分のスタイルを存分に発揮出来ている堂々たる完成度で、これを聴いたとき、「そりゃオークションでプレミアも付くわな」と納得したものだ。特にMIKRIS→麻起→SPYKKLAWの繋ぎは圧巻。

やっているHIPHOPはそれぞれ統一されているというよりはスタンス的に似通っていると言った方が正しく、至極単純なのだけど、それをラッパーを上手く集め、配置し、適切な音を与えれば、2010年になってなおさんざん吸い尽されたはずの「イケてる」感は色褪せない。当たり前だけど一番難しいことを地方という縛りのもと見事達成した本作は、NITROブーム以前と以後には多数見つける事が出来る、「当時のスタンダードスタイルの地方への広がり」が高水準で達成されたことの極めて少ない「東京NITRO王朝真っ盛り」の時期にそれを見出せる数少ない完成品でもある。
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23:40 | CHIBA ALL★STARS | comments(0) | -

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