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TRI TONE / TRIBE ROCK


1.揺らぎ、前奏
2.spare no pains
3.VAMPIRE (remix)
4.a seed of life
5.手鏡に映る手紙
6.Ballet
7.一輪の花


★★★★★★☆☆☆☆

MC SODAとDAIGOの2MCにDJ・トラックメイクを担当するシブヤタクキから成る札幌発の3人組・TRIBE ROCK。FUNKY DLやShing02との共演を経て発売した1stアナログはすぐに完売。本作はその後2007年11月16日に発売された1stアルバムだ。

シブヤタクキの作る、札幌の寒空に良く合いそうなインオーガニックなサウンドにこの曲名の数々。そこにShing02と共演したことや、Special Thanks欄にMICJACK PRODUCTIONの名前があること、ついでにそもそも札幌出身であること。これらの情報を素直に処理すれば、およそこのグループの方向性は見えてくることだろう。つまりこのアルバムもリリカルであること、文学的であることにHIPHOPの髄を求める昨今のアングラらしい繊細な作風だ。

とは言ってもそのラップスタイルをポエトリーリーディングの方向に向かわず、あくまでラップたろうとする姿勢は良いのだけれど、そのせいで小節ごとに言葉を完結させる機会が多くなり、結果文章力を活かすことなく体言止めのブツ切りラップが全体の多くを占めることになってしまっている。1stアルバムらしく前半は決意表明の曲が並ぶため、余計に聴いたこともないような新鮮な言葉は少なくなり、そのリリカルさは鳴りを潜める。更に純粋なラップスキルで一枚落ちるDAIGOの過剰に熱を持った声質で行われるラップも、曲によっては相性が悪いと言わざるを得ない。

だが反対に氷をパキパキ割って入るような清々しい声質でラップするMC SODAの言葉はシブヤタクキのサウンドとの相性も良く、耳にも脳にも快感だ。手際よく仕掛ける「
spare no pains」はそのテンポの良さが彼の魅力を存分に活かしていて良い。物憂げな情感を持った言葉で語りかける、ある意味この手のHIPHOPのオーセンティックスタイルとも言える「一輪の花」も最後を飾るに相応しい素敵な曲だ。

こうして魅力的な部分を見つけるのも容易だが、それらが全て平均値のやや上程度で止まっているため、少なくとも本作ではどうしても小粒感が否めない。この手の路線の基本に忠実な優等生といった趣ではあるが、「巧くやれてる」、それだけで攻略出来なくなっているのが今のリスナーの耳だろう。とは言え2009年12月20日に発表された2ndアルバムと、評判の良いMC SODAのソロアルバムも聴いてみたいのは確か。これから期待出来るグループではある。
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19:17 | TRIBE ROCK | comments(0) | -

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