2011.04.09 Saturday
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1.Woo☆Baby (prod. by MOGG) 2.Enjoy Coke (prod. by MOGG) 3.Super Free(Fly To Iwaaklyn Remix) (prod. by Vector) MINT feat.High 5 4.Stick Ya Diddy (prod. by MOGG) 5.B.Q.B Snaky remix (prod. by MOGG) 6.君とおどりたい feat.Love Rockets (prod. by Love Rockets) 7.おっさんBOY,おばはんGIARL (prod. by MOGG) 8.Money Rain (ギンギンMIX) (prod. by MOGG)
★★★★★★☆☆☆☆
CHAKA、DAME(DAAM)、T-MO、BONGO、NUXXXの4MCにDJ SEIYAの1DJから成る、山口県は岩国で活動するHIPHOPクルー・HIGH 5と、トラックプロデュースやウェブデザインなどもこなす広島のダンスチーム・HOOPLAのコラボアルバム。彼らの特設HPからダウンロード出来る無料アルバムだ。2009年12月25日発表。
最大の特徴は、やはりHOOPLAのMOGGによるトラックの数々という事になるだろう。New Jack swing、Dub、Grimeなど多様な音を分解してつぎ込み、そこにクランクやスクリュードなどサウスのエッセンスを加える。その音の匂いは日本のHIPHOPのあらゆる歴史の延長線と無縁な所にあり、彼らのその背景を理解するには遠く海を隔てたアメリカを見る方が早い。そうした独自の発展を地方で遂げてきた突発型の存在は、最近ではAKLOやLil'諭吉などと共に少数のHIPHOP感覚の"直輸入型"グループとして数える事が出来るだろう。つまりこの作品にMINTが参加している事も何ら不思議ではない。
奇しくも揃ってフリーダウンロードアルバムを発表することにアピール手段を見出したこれらのグループは、SEEDAとDABOに代表される、地下階層とベテラン階層ですら単線で結ぶに至った"シーン"の現状と疎遠であり、その現状を維持しつつもリスナーに存在をアピールする手段としてネットを見つけたのだろう。そのスタイルに「日本人らしい詩が良い」、「日本人にしか出来ないHIPHOPスタイルが良い」といった基準とは性質を異にするオリジナリティの一つの答えがある。「HIPHOPの<オリジナル>」を追求しすぎたここ数年の反動が、2009年に大きく動いた「<HIPHOP>のオリジナル」への動きに繋がったとも言える。ともあれこれらの新世代が、一度繋がれば内志向にしかならない"シーン"に外部から刺激を与える存在になる事が出来れば、日本のHIPHOPはまだ満足という麻薬を経験せずに済むだろう。"ファイル交換のやりとり通して 歴史は作り上げられんだこうして"とMINTが言うように、正に彼らは今新たな潮流を作ろうとしているのだ。
まぁこのアルバムの出来のみに関して言えばその特殊性が取っ付き辛い事も事実で、僕自身一番スタンダードなラップスタイルのDAAMが頑張る「MONEY RAIN」の後半に落ち着いちゃったりしている。ただ曲によってムラがあるのは間違いないが、「B.Q.B」のテンポの良さやソフトなクランクで仕上げた「君と踊りたい」は中々良い。ラッパー陣の声のキャラ立ちは出来ているので、もう少しそれ以外での武器があればもっともっと良くなったかも。特にリリックが耳にほとんど届いてこないのは辛い。こういう音は隙間のグルーヴ感を突き詰めたような種類なのだから、音としてしか響いてこないラップだと曲が凄く貧相になってしまう。
しかしこれまでだと頑張ってこうしてリリースしても、地元以外ではタワレコの片隅にポップも無しに置かれるだけで流れていってしまうような地方地方での作品が、無料とネットを武器にリスナーのど真ん中に届く。twitterでの色々な件も併せて、アーティスト-リスナー間の構造は今が一番面白いんじゃないか??
おじさんBOY,おばはんGIRL - PV Youtube版は何故かタイトルがちょっと違うのね。
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