2011.04.09 Saturday
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1.For Yourself 2.キンモクセイ 3.Come Back 2 Me 4.The Roots〜Interlude〜 5.少年時代 6.Human Nature Bonus Track : Knockin' At The Door(日本語バージョン)feat.YUMING & FAR EAST RHYMERS
★★★★★☆☆☆☆☆
シンガー・Shinyaとラッパー・TWO-KとDJ HIROSHIの3人から成るFAR EAST RHYMERSのデビューミニアルバム。2006年11月15日発売。
僕が初めて彼らの作品を聴いたのが最新作「F.E.R. Three」で、その時はそれぞれの曲があまりに勝負を避けて無難なポップ化されていたのを勿体なく感じていた。それは主にトラック面においての感想だったのだけれど、その点で言えばデビュー作であるこのミニアルバムの方が彼らの音楽ルーツを楽曲から聴き取ることが出来るように思う。イントロでジャズピアノを歪める「For Yourself」や2Stepの「Come Back 2 Me」のようなあからさまな音の自己顕示は、3作目では耳当たりの良さの犠牲になったものだ。タイトルからして狙い所のわかる「The Roots〜Interlude〜」も、それこそアーバンジャズを伸び伸びと表現したインスト作。そしてこの辺りの要素は、確かに僕が「F.E.R. Three」の記事で求めていたものでもある。
でも作品としては「F.E.R. Three」の方が好きなんだよなぁ。サウンドの面では確かに彼らの色が見えるぶん本作の方が聴いてて飽きないのだけど、Shinyaのメロディラインの取り方は「ねがい星」など後の代表作に比べて明らかに落ちるし、中高生辺りの、悩んでる自分に酔いたい感性に訴えかけるような歌詞は全般に青臭すぎる捻り方でひどく気恥ずかしくなる。まぁこれは自分がいかに年を食ったかということなのだろうけど、UverworldのHIPHOP版(あのグループもラップするが)のような印象を受けた。要するに、歌詞に関して言えばストレートにわかりやすくなった「F.E.R Three」の方が、まっすぐすぎる正論であるがゆえにこんな捻くれた大学生の心にも届き易いということだ。
「F.E.R.Three」ではほとんど嗅ぎ取れなかった多様なジャンルの影響がよく感じ取れるという点では確かに本作は有益ではあった。だがどちらかを勧めるならと言われたなら、幾ら中道ポップス的でも「F.E.R.Three」を迷わず選ぶだろう。しかしこうして2作品を聴いてみると、その合間の作品である、まだ未購入の「F.E.R. Two」にこそ程良いマッチングが成されているのかもしれないと安易な期待を抱く気持ちがあるのも事実。上手いことやれば面白いグループだとは思うんだよなぁ。
ちなみにユーミンを迎えた「Knockin' At The Door」は、何も面白い所のないやかましいだけのラテンチューン。
1.Introduction 2.Sunshine 3.In the Morning 4.ねがい星 5.Interlude -F.E.R. Style 6.No Turning Back 7.Find the Way 8.郷愁 9.I Wish ★★★★★★☆☆☆☆
普段ここで取り上げているようなHIPHOPアーティストとは別のフィールドで活動を続けるFAR EAST RHYMERSの3rdミニアルバム。2008年2月13日発売。
全編においてShinyaのヴォーカルが主体となり、基本的にラップは添えるだけ。一言で述べるとするならそこには紛れもなくポップ系とされるそれが出来上がってるんだけど、さすがメジャークオリティなメロディラインの取り方や楽曲構成の上手さを実際に感じれば、早々に否定するには勿体無い面白さも確かに孕んでます。シンセが効果的に使われた「SUNSHINE」なんかは一般人もHIPHOPヘッズも一緒に踊らせちゃうようなキャッチー且つカッコ良いHOOKが印象的で、普通にアガるパーティーチューン。タイトル曲である「ねがい星」はこれまた完全に一般層に寄り添った曲(a.k.aポップ構成)ながらも、HIPHOPを狭義化して批判ありきで聴かない限り、ケツメイシ的な良さをふんだんに感じられる哀愁ソング。卒業と失恋の両方をテーマにした感動二倍掛け仕様。ピアノと、そして何より完全にヴォーカルと化したShinyaのメロディの取り方が素晴らしく、オリコンにドカンと入ってもなんらおかしくない曲だ。
ただポップさを突き詰めた時の永遠の課題か、「ねがい星」以降は同じような味付けをされた似たような曲ばかりが耳についたり、キャッチーさへの志向が見え見えすぎてリスナー側からすると多少ウンザリする可能性も孕む。また様々なジャンルを取り入れたトラックが魅力とされてるけれど、エレクトロニカルな「introduction」とジャズピアノがいい具合に跳ねる「In The Morning」以外に何か混合性を感じ取れるトラックが無く、トラック面での面白みに欠けた。もしあったのだとしても、どのジャンルを取り入れていても結局作るトラックの方向性が全て中庸的なキャッチーさに向けられていて個性を感じない。この先大量に存在する「ただのポップ系」の一つになってしまうかどうかはこの点の修正が決め手になるのでは。ただそれでも「SUNSHINE」と「ねがい星」は中々良い曲であることはもう一度、強く主張しておきます。 「郷愁」でのShinyaの歌も耳に心地良いし、彼らの音楽に何かオリジナルな色付けをする素地は十分にあるだろう。
ねがい星-PV
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