2011.04.09 Saturday
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1.NOVEL / SKRATCH WORK.DJ SHOT 2.はなさない〜PARTY NIGHT II〜 3.3MC 4.エロマンティック 5.霧雨 6.ONARAP feat.蝶々 7.I CAN... REMIX feat.SMT-JAM 8.LOVESING
★★★★★☆☆☆☆☆
地元・岐阜を中心に活動を続けるHIPHOPグループ、風利銃恐竜(フーリガンダイナソーと読む)のメジャー1stアルバム。2004年11月3日発売。当時のメンバーはDef tin、Shock pan、Frank Giantの3MCにシンガーのプラムを加えた4人体制。この後方向性の違いを理由にFrank Giantとプラムが脱退するが、現在も楽曲での交流はある。そしてDef tinとShock panの2人組となった風利銃恐竜は現在に至るまで精力的に活動を続けており、今回取り上げる「NOVEL」以降、2009年11月13日に発売した「TWINKLE」まで5枚のフルアルバムを発表している。全国発売以外のアルバムも大量にあるようで、日本のHIPHOPの中ではかなりの多作家だろう。
スムースに言葉を繋ぐDef tinに、それをもう少しドラムに言葉を合わせるためにカスタマイズしたようなラップを聴かせるShock pan。歌モノHOOKの多用であったりダーティなHIPHOPワードを排除したリリックは、交流のあるカルテット、ひいてはSEAMOなどにも通じる幅広い層への対応性を感じ取ることが出来る。しかしその言葉達を載せるトラックはキャッチーさなど徹底して取り払った無骨なドラムブレイクで、安易なポップスラップには振れていない。更に一人だけ完全にラガフロウで立ち回るFrank Giantの存在、突如挿入されるプラムの歌など、図ってか図らずか彼らの音楽の捜索方法はおよそ正攻法と言えるやり方では行われていない。
このアンバランスさを掛け合わせたようなアンステイブルな掛算の結果が上手く出ていれば、面白い作品になっただろう。しかし残念ながら今作ではそうはならなかったようだ。それは長めのヴァースを担当する際には毎回ビートを差し替えられるFrank Giantの持て余されっぷりだったり、これらのトラックでの使い所に困り果ててさして大役を任されないプラムの歌パートなど、後の脱退組の処遇からも伺える。この辺りのちぐはぐさがメジャーに移籍したことによる弊害だったのかはわからないが。
だから東海繋がりで何故か蝶々を迎えて唯一ワックMC斬りをする「ONARAP」が最もキレがあったのは、ビートの相性などと合わせて必然だ。メジャーデビュー記念として晴れやかに歌った「はなさない」、こちらもビートとの相性を重視した結果成功した正統派HIPHOP「3MC」を聴く限り、この方法論を変えない事に決して可能性がないわけではなかっただろう。綿密なスキルに裏打ちされたラガっぷりで目立ちまくっていたFrank Giantとプラムが抜けた、この後の作品作りがどう進んでいったのか気になるところではある。
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