2011.04.09 Saturday
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1.INTRO 2.NOCTURN SPARK 3.SURVIVAL 2000 feat.LOKU from CHOCO BROTHERS,RYUJI from MUJINA 4.F★CK...!? 5.回転ジェット feat.MACHACO 6.それなりのLOVE feat.MACHACO
★★★★☆☆☆☆☆☆
MOMOとChibisachiから成る名古屋初のフィメールラッパーグループ・NOCTURNのデビューミニアルバム。刃頭のサポートを得て、優良レーベル・P-Vineより1999年12月25日の発売だ。
でもいざ再生ボタンを押すと、6曲24分の作品なのに正直聴き通すのが辛い。男共と同じ土俵で勝負するMOMOの勇ましいドス声ラップは、後にAMAZONESで競演する事になるANTY THE 紅乃壱などに続くことになるフィメールラッパーのハーコースタイルのひとつの基本型として十分に理解可能だ(器用貧乏な感は否めないが)。この作品を聴いていてげんなりしてしまう主要因は、もう一人のメンバーであるChibisachiだ。彼女のラップがどうしても受け付けない。猫撫で声でフニャフニャと聴き取り辛いリリックを吐き出すラップは、スキルフルとは言えない上にオリジナルを言い訳にした只の変なラップに過ぎない。
そこに刃頭だけがノリノリにいつもの変態ビーツを提供しちゃうもんだから、乗りこなしきれない二人との差で楽曲の不協和音がただ浮き彫りになっている。ただ刃頭が手掛けた変な切り貼りを施したピアノの「NOCTURN SPARK」、そういう楽器じゃないから!とツッこんでしまうほどウッドベースをメチャクチャにかき鳴らす「それなりのLOVE」は、共に彼の怒涛のドラムプログラミングが冴え渡っているためトラックだけ聴けばそれなりには楽しめる。
INTROを除いた他の3曲は明らかに刃頭フォロワーなOLEE LOU(調べてみたら実際刃頭に弟子入りしていた)製のトラックが用意されているが、こちらも音とラップが同程度剥離している為聴くに堪えない。特にただ長いだけの「SURVIVAL 2000」の間延びしたHOOKは凄く退屈。ピアノが跳ねてMOMOがソロで聴かせる「F★CK...!?」は唯一まともに聴ける。
RIMとHAC以後長らく続いたフィメールラッパーの不在を埋める存在として立ち上がったその熱量は冒頭の「INTRO」からも感じられるが、残念ながら作品としては陰惨たる出来。いや、でもデビュー作から刃頭とOLEE LOUなんていう、大物ラッパーでも伸るか反るかな布陣に果敢に挑んでいったその胆力あってこそのデビューか。
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