RATID -Realize A Thing In The Depths-

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RHYME RHYTHM / MOTOY


1.イントロ
2.ゲーム
3.改タクシャ
4.現実逃避 feat.Yes, Ido. a.k.a. IDOX
5.ウマシカ
6.Funky feat.ダースレイダー
7.回転男
8.ドウケ
9.パイの実  feat.DJ HIMUKI,DJ YASUO, DJ MATSUEDA
10.DAY-Disco Boy Rally mix- feat.漢, O2, ILLMURA
11.D.H. feat.DJ TAKADA, Sierra
12.LIFE feat.DJ TONK
13.アウトロ-太華の太鼓 at connection-

★★★★★★☆☆☆☆

MOTOYの1stフルアルバム。2004年6月18日発売。

彼の作品で最も出来が良いのが本作。これ以外の作品では、当時としても古典的なフロウに比してテクニカルな音を求めた結果、ラップとトラックの水と油具合が酷く、失敗した薄味の創作料理を食わされている気分になった。その両者の距離が最も縮まり、かつ一定程度うまく噛み合わさっているのがこのアルバムだろう。特に「GAME」は、両者が均衡を保つぎりぎりのところで上手くバランスを保った佳曲だと言える。ただしこの曲はPVが爆笑してしまうほど酷く、曲の渋みを抹殺してしまっているのだけれど。

数か所でミックスしたトラック(1曲はなんとCHI3 CHEEEがミックス)も総じて綺麗に低音が際立つ処理が施されている。これにより、芯のあるビートがMOTOYのストレートなラップをガッチリ絡め取っている。この良さは、酷評した前作のEP、後の2ndアルバムにはなかったものだ。特にミックス処理の酷さが際立ったEPとは見違えるほど良くなっている。さすがにあのミックスはまずいと思ったのだろうか…。

ただ、作品の組み立て方は3作品で最も上手く出来ているものの、相変わらずほとんどが無味乾燥な出来にしかならない、華の無さは変わらない。前述の「GAME」と、続く「改タクシャ」を除けば、ラップの局所的な巧さ以上に、その声の軽さ、ライムのつまらなさが圧倒的に上回ってしまっている。音選びのセンスなどは当時として非常に特殊なものがあったと推測されるが、肝心のラッパーとしての売りがほとんどと言って良いほど無いのはやはり痛い。結局は「他のアルバムよりは良い」というパッシヴな評価に落ち付けよう。

MOTOYのラップは、テーマにしてもリリックにしても「アングラ」の看板を背負って立つほど独自の世界を見せる方向に舵を切ってはいない。アプローチが面白いのは人生の光と影を、DJ TONKのトラックを変化させることで描こうとした「LIFE」くらいだが、結局リリックもつまらないし、せっかくの場面転換にも、ラップがパッとしなさすぎて耳が惹き付けられない。そうした、ラップにおけるそのメーターの振り方の中途半端具合に物足りなさを感じる一方、トラックについては、そのラップに合わせる形で中道を希求すると、こうして上手い具合に体裁が整った。結局、ブッ飛んだアングラを突き詰めることが出来ずに中庸なHIPHOPを打ち出すことしか許されなかったのが不憫ではある。

なお、原曲のトラックがうるさすぎてラップが何も聴こえなかった「DAY」のリミックスは、一転して抜きのグルーヴでリコンストしたぶん、少なくともラップが主役になった。しかし変化球を狙い過ぎてまた外した感があり、全体のクオリティとしては大差ない。


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01:01 | MOTOY | comments(0) | -
RHYME RHYTHM #2 / MOTOY


1.intro
2.夜中
3.1→6 feat.嶋,S.G.
4.Love MONEY feat.S.G.,YU-key
5.くび
6.Yo! My God
7.junk thing
8.OutinSIDAZ feat.嶋
9.Y.F.S. feat.クリ
10.盲目2005 feat.amigo
11.INSP
12.Beat generation feat.Signal the I.T.
13.Yesterday once more

★★★★★☆☆☆☆☆

前作の発表から一年半のスパンで届いたMOTOYの2ndアルバム。2005年12月2日発売。

彼が一躍脚光を浴びた2000年のB-BOY PARKから、何の進歩もなし。MIC BANKやRUFF RHYMERSと共に、「フリースタイルでのし上がってきたラッパーはアルバムが微妙」という法則の先駆者と言えるのかもしれない。

脚韻にフロウが引っ張られる彼のラップスタイル自体が悪いというわけではない。しかし、90年代に隆盛を極めたそのやり方が2011年現在から見れば古臭いということを抜きにしても、その引っ張っている韻が貧弱に過ぎるし、リズムのずらし方が中途半端過ぎて、凄く窮屈で性急に聴こえる。最初は、その点のリズムへのアプローチで典型的な脚韻スタイルを脱却しようとしたのかもしれないとも思った。しかしよく聴くと、細かな韻を詰め込み過ぎてそれに引きずられているだけという、韻先行型のラップにおけるデメリットを最大限に引き出しているだけだった。それこそ典型的な脚韻に終始する客演勢のラップの方がまだ落ち着いて聴いていられるくらいだ。

本作の直前に1stアルバムをリリースしたばかりのHIMUKI制作の「夜中」、「くび」あたりの音は、変則的なドラムパターンと上手く踊れるラッパーに渡せば凄く面白そうなものが出来そうなだけに勿体ない。というか、本作のHIMUKIの音には、MOTOYのラップスタイルが一番相性の悪いタイプだと思うのだけれど…。

ラップについては結局一時が万事その調子で、テーマやリリックにも目新しい何かが潜んでいるわけではない。なにかある点に関して突出したものを備えているわけでもなく、凄く無味乾燥でつまらないアルバムだ。

唯一MOTOYが所属するクルー・JRによるポッセカット「Beat Generation」だけは、一昔前のラップスタイルにトラックが歩調を合わせたことで、2005年という時代を無視して聴けばそれなりに勢いもあって良い。やっぱり、変化球な音ばかり好まずに正攻法のトラックでやればもう少しそのラップが力強くなるんじゃないかと思うばかり。




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09:49 | MOTOY | comments(0) | -
ROOKIE / MOTOY


1.イントロ
2.DAY feat.漢,O2,ILLMURA
3.チュウトロ
4.ダンスナンバー
5.アウトロ
6.ダンスナンバー inst
 

★★★★☆☆☆☆☆☆


2000年のB-BOY PARKのMCバトル準優勝のMOTOYがようやくリリースした1stEP。2004年3月29日発売。

なるほど、アングラを狙いすぎて外すとこうなるのか、とわかりやすく教えてくれた作品。当時のBLASTではILLMURAやMS Cruなど、正にこの作品に集まった面々と共によく取り上げられていて、ようやく日本でも成立しつつあった「アンダーグラウンド」の概念を背負って立つその急先鋒としてのリリースだったわけだが…。

ラップ入りなのは「
DAY」「ダンスナンバー」の2曲だけで、それにインスト4曲付けて1365円という強気な商売には特にどうこう言うつもりは無い。問題はそのインストの質だ。この作品の音は全て「GOD BIRD」で有名なDJ HISAによるものなのだが、HIPHOPフィールドだけで生きてきたわけでもない事を誇示するように統一感の無い音を引っさげ挿入される一連のインストは、それぞれのタイトルから求められる「繋ぎ」の役割を全く果たしていない。こんな自己主張の強いインストがメインの2曲の倍あるわけで、どっちが主役かわからない。これなら値段も下げて潔くラップ入りの曲だけ発売すれば良かったのに。

期待の「
DAY」でもDJ HISAの暴走は止まらない。ハードな打ち込みでやる気を出しすぎちゃったブレイクビーツが完全にラップを押しのけて前に出ていて、おかげで何度聴き込んでもラップが頭に入ってこない。豪華なメンツなのにただただ耳にうるさいだけの5分間が待っている。漢のリリック??ILLMURAのライム??O2のパンチライン??そんなもん何もわからないっす。この後出た1stアルバムではこの曲のバージョン違いが収録されているようなので、どうかそっちでは必要以上にハッスルした音が削ぎ落とされ、ラップの姿が見えるよう改善されている事を祈るばかり。

ダンスナンバー」もHISAによる打ち込みではあるが、こちらは打って変わってシンプルな音作りで、ようやくMOTOYのラップに辿り着ける。がやっとまともにその姿を晒したMOTOYのラップは、フロウも平凡でリリックも光ったものはなく(これは曲の性質上仕方ないか)、何より滑舌が致命的に悪い。語尾をしっかり発音しないからどうにも締まりの悪いラップ。コンピアルバム「DIGGABLE001」収録の「ラブレター」の時はもっとマシだったような気がする。

別にカルトな魅力を感じるでもないジャケットも併せて、「今までの日本のHIPHOPとは違う」事を示そうとするあまり、奇を衒った飛び道具が全て不発弾と化した作品。ちょうど2009年11月発売のコンピアルバム「
Christmas Raps」で久しぶりに音源を聴かせてくれる様なので、どうなっているのか楽しみなところ。まぁ全く才能がない人というわけでは無かったので、運悪くMS Cruの大躍進やNITROブームの波に呑まれ、あっというまにすっかり「あの人は今」状態になってしまったのは気の毒ではある。
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10:24 | MOTOY | comments(2) | -

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