2011.04.09 Saturday
author : スポンサードリンク
1.INTRO 2.G・I・C・O・D・E 3.TO THE TOP 4.PRIVATE PARTY feat.Def Tech 5.WAAH WHO 6.JOHAN音頭 feat.Def Tech,MEGA-G,L-VOKAL,SYZA,AI,DOC D 7.WORLD FAMOUS feat.L-VOKAL,MEGA-G 8.STEP ON UP feat.SYZA,Def Tech 9.TAIM'AOUT 10.HOOD 37〔EPISODE 1〕 feat.SYZA 11.時限爆弾 12.ONE〔心一つMIX〕 13.THROW DOWN 14.DAY DREAM ARISTA PT.2
★★★★★★☆☆☆☆
Sphere Of InfluenceとSORA3000がタッグを組んだグループ、GICODEの1stアルバム。SORA3000率いるEDO(今作ではDef Tech,AI,SYZAが参加)とSphere率いるCIG(今作ではL-VOKAL,MEGA-Gが参加)のそれぞれのクルー名を繋ぎ合わせて、逆から読んでGICODE。2003年11月19日発売。
双方のクルーが抱えるメンバーの名前を見ればわかる通り、それぞれ今となっては成功を掴んだアーティストばかりが当時所属していて、この時からスキルとしても首領であるSphereとSORA3000が一番情けないことになっている。この二人のラップは単体では別に特段嫌いでもないのだが、このアルバムでは酷い。バイリンガルなんて便利な言葉を笠に、中身の無い英詩は小節を稼ぐ手段にしかなっていない。フロウもリリックも似たり寄ったりな二人なので、ヴァース担当のクレジットが入れ違えになっていても何の違和感も無く聴き過ごしてしまいそうだ。
そんな毒にも薬にもならないラップは、ほぼDOC Dによるメジャー感溢れるトラック(これがただの金ピカトラックじゃなくて中々良い)をまぁ無難に乗りこなしていて、本当は中身の無い英詩と相まって、さも「何かありそう」な大物感を醸し出しているのも確かではある。本当に日本のHIPHOPが何かやれそうだった当時のバブリーな雰囲気と併せて、時流に上手いこと乗って中高生を囲い込むのに十分なイメージ付けは出来ていただろう。ただ蓋を開けて冷静に聴いてみれば、中身は何も無かった。
そんな二人の無味乾燥なラップはマイクリレーもので受動的なメリットを生み出す。XBSのラップがいつも同じなのにNITRO作品のマイクリレーでは滅多に槍玉に挙げられないのと同じで、無難にマイクパスするその影の薄さは、後にそれぞれ成功を収めることになるクルー成員のラップを十分活かしている。SYZA(2009年10月、めでたくソロアルバムを発表)とMEGA-Gが全部持ってっちゃう、今見れば凄いメンバーの「JONAN音頭」や、ほぼL-VOKALとMEGA-Gの曲になった「WORLD FAMOUS」なんかは彼らの初期の声が聴ける事を除いても面白い曲だ。また、自分達のフィールドを用意してもらったDef Techがそのメロディセンスを遺憾無く発揮したチル曲「PRIVATE PARTY」は今作ベスト。例のベースラインを持ってきた「HOOD37(EPISODE1)」なんかのイケイケ感も悪くない。
二人だけの力で挑んだ曲に関しては取ってつけたような応援メッセージが胡散臭い「ONE (心一つMIX)」は、最後のやらせすぎな合唱も含めて「I Can」をあからさまに狙って外したような曲だし、銃声バンバン響かせながら「オレら壊れたガキの立場」と歌う「G.I.C.O.D.E.」はどう聴いても手を差し伸べる前に流れ弾当たるだろってな仕様だし、一人前のHIPHOP感を纏える雰囲気を持ったが故にメッセージソングで人間臭くなりきれない辺りが、結局勢いで誤魔化すしかなくてどれも一緒に聴こえる所以かな、とも思った。そして今年2ndアルバム(Q参加!!)をひっそり発売。
ただこの頃の日本のHIPHOP全体のやりすぎたラグジュアリー感の反動か、今の何でも手の届く範囲だけで済ませるのが好し、みたいになってるHIPHOPもつまらない。GICODEみたいに既に何でも手にしたかのように振る舞うのは今やると違和感があるけれど、アーティストは夢を持って挑んでいるんだろうからいつか辿り着きたいその夢を語ってもいいのに。その夢想すら「リアルじゃない!!」と切り捨てるくらいリスナーの寛容さが欠如してるなら、いよいよ動ける範囲の狭い肩の凝る音楽になるだけでしょ。
|
NEW ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
LINKS
PROFILE
OTHERS
SEARCH
|