2011.04.09 Saturday
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1.デリバリ− 2.のってって 3.チュ−トロ 4.カウントダウン 5.横浜が原産地 6.おまけ LIVE
★★★★★☆☆☆☆☆
2005年11月24日発売。かつてはINNOSENSEとしても活動し、FG Crewの一員として長いキャリアを誇るCHANNELのファーストミニアルバム。始めはライブ会場のみで販売していたものを、宇多丸に勧められて一般発売したものらしい。
彼のそのキャッチーかつ通りの良い高音ヴォイスでカツカツと踏んでいく様は、かなりFGの基本形らしいスタイルと言えるだろう。ユーモア溢れる言葉のチョイスで気楽に、時に大喜びで下ネタも交えてキックするリリックもまた然り。
ただこのミニアルバムでは、その長いキャリアで培われてきた全方向的な器用さが曲をあまりにも平凡なものにしてしまっている。特に忠実に脚韻を意識して踏んでいく方法は、打ち込みでもサンプリングでもミニマルに仕立てるFGのトラックメイカー達が用意した音の上ではひたすら凡庸さを積み上げるものでしかない。Rock-Teeによる「デリバリー」「ノッてって」は温もり溢れるハンドメイドな音が中々良いが、それはあくまでもラップに暴れてもらうアリーナとして一歩引いたところで用意された音である以上、その上で延々と一本調子のラップが続くとソロ曲としては聴いていて辛い。
マボロシとの「ブレーメン」やライムスターとの「ウィークエンド・シャッフル」でのCHANNELが輝いていたのは、決してこの作品をつまらなくしている韻に忠実な姿勢ではなく、耳に気持ち良い声が歯切れよく切りこんでくるそのフロウにこそあった。ラップのファクター全てに誠実なその意識は素晴らしいが、客演仕事で映えてこのミニアルバムがどうしようもなく平凡なのは自らの武器を選択し損ねたからだと気付くべきだ。今作では「ノッてって」にその切れ味の良さの片鱗を確認出来るが、まだまだ足りない。
音を変え手を変え攻めてきた「おまけ LIVE」がこの中で一番耳に楽しかったのはそういうわけだろう。実力あるMCであるのは間違いないのだから、韻にばかりそんなに執着せずにもっとフリーキーに暴れ回るべきだ。2008年に発売されたフルアルバムはまだ未購入だが、気持ち良さそうに飛び跳ねるCHANNELのフロウが詰まっている作品であることを願うばかり。
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