2011.04.09 Saturday
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1.フロムNYシティ 2.フリースタイル 3.フロムNYシティ(カラオケ)
★★★★★★☆☆☆☆
映画「デトロイト・メタル・シティ」の主人公が所属するメタルバンド、デトロイト・メタルシティのライバルであるHIPHOPアーティスト、MC鬼刃名義で発売されたシングル。同映画の挿入曲として使用され、ラップはなぜかK DUB SHINEが担当。トラックはDJ OASIS作なので、メンバー的にはradio aktive projeqtの製作になる。2008年8月13日発売。
原作の漫画の面白さがあまりよくわからなかったので映画は見ていない。そのためこの曲が映画中でどう使われたのは知らない。まぁネタとして楽しむべき曲・企画である事は疑いようも無いので、こういう売り方に対してセルアウトがどうだとかこれで日本でHIPHOPはまた誤解されたとか熱弁を揮う真面目なリスナー(嫌味じゃないですよ)よりは、そういう喧伝活動をする気力の無い僕のようなダラけたリスナーの方が楽しみやすいものではあるのだろう。
でもなんだろう、そんなアレコレを差し引いても思ったより楽しめた。リリックは典型的なアメリカンギャングスタものを和訳したような、つまり一般人のステレオタイプとしてのHIPHOP像まんまの内容だし、韻なんてほんとに只の駄洒落でこれを純粋にHIPHOPの枠だけで捉えるなら無い方がよっぽどマシな踏み方だし、「 フリースタイル」でのK DUB SHINEの冒頭での「メーン」が狙ってるにしてもそこらの芸人よりサマになってないし。
これが大真面目に出されたものならそりゃもう酷評だっただろうけれど、最初からネタとして割り切って聴くとそんなに悪くない。むしろ「フロムNYシティ」でのDJ OASISのトラックは、先日こき下ろしたradio aktive projeqtのどの曲よりもカッコ良い。裏で時折かき鳴らされるギターリフはいらないけど、適度にチープな不穏な雰囲気はDJ OASISの1stアルバムに近いものがある。
日本のHIPHOPをデフォルメするために駄洒落として律儀に配置されている韻は、それがどんなにチンケであれ毎度毎度小節終わりにセッティングされている以上、愚直なまでの脚韻重視フロウを生み出す。要するに言葉ではなく音のみに注目すれば、いつものK DUB SHINEが聴ける。映画製作陣がコメディアイコンとして作り出した日本のラップ方法に、いつもワックMC切りに精を出しているK DUB SHINEが見事当てはまるのも皮肉ではあるが。
ネタとして発売された曲であることや最初から予想可能なデフォルメされた「日本語ラップ」であることなど、そうした要素を全部飲み込んだ上で聴けば、DJ OASISの働きもあって、まぁそんなに聴いた側が頭を抱えるようなどうしようもない水準ではないと思う。誰得な企画ではあるけれど。
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