2011.04.09 Saturday
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1.Back Again 2.覚醒 3.Kick In The Door 4.宇宙人 feat.ERONE (from 韻踏合組合) 5.独身貴族 6.永遠を約束 7.続・宇宙人 feat.MINT (元・韻踏合組合) 8.エリーゼの為に 9.Rolling Man 10.まだ反抗期 11.My Life 12.南無達磨裟婆訶 ★★★★★★★★☆☆
元韻踏合組合のOHYA改め達磨様改めだるまさんの2ndフルアルバム。2010年7月21日発売。
1stアルバム「How To Ride」のレビューで、「韻踏脱退組は各々の持つ特徴の部分のみに極端にスキルポイントを振り分けるようなソロ活動をしている」というようなことを書いて、だるまさんの歌フロウへの傾倒もそこに位置付けることが出来ると述べたが、本作はそんなソロ活動の集大成となる作品と言えるだろう。
その混沌とした歌い上げるフロウは、本人の言葉を借りて言えば、まさにMissy Elliot×Method Man×Ludacris÷だるまさんといったところ。そのため、本作は「韻踏時代のOHYAのソロアルバム」を期待して聴く作品ではなく、「How To Ride」で開けた道をまっすぐ歩き続けた結果としての、例えば「Under Construction」の、「How High」の、「Money Maker」のカテゴリに位置付けるべきアルバムだ。特に「歌モノ」としての構成に一番こだわった作りの「Kick In The Door」でのふっきれたようなフロウや、反則なトラックの上で見事なリズム感を示して見せる「エリーゼの為に」(これ一番好き)、サビで仕留めにかかる「独身貴族」あたりは、本作のSKILL&CONCEPTを最も上手く体現した楽曲だろう。
そしてそうしたフロウのサンプリングを踏まえた上で、それでもあくまで高頻度のライミングや、そのリリックトピックに「日本のHIPHOP」として楽しむ素地がある。それはAKIO BEATSとの「南無達磨裟婆訶」はもちろん、相変わらずイカつい側面を見せる逆ギレSHIT「まだ反抗期」、ミンちゃんの本気を正規音源で久しぶりに引き出した「続・宇宙人」でも感じられる。この曲のミンちゃんは、短いながらも久しぶりに変態チックな飛び方をしてて喜ばしい限り。
歌フロウに傾倒した結果として、リリックの聴き取り易さが減退している点は残念だが、元々純度100%なラップアルバムとしての需要を追求したアルバムではないため、それは覚悟の上での選択だったのかもしれない。「How To Ride」での方向性を是とするリスナーには、前作より響く内容じゃないだろうか。
1. intro 2. 独壇場 3. ある愛の狂騒曲 4. 破壊的 5. 商人のブルース 6. 尻軽のメロディ 7. 美女と野獣 8. ダルマのテーマ 9. outro 10. 交差点in大阪 feat.韻踏合組合 11. 交差点in奈良 feat.LOW STYLERZ&HI KING
★★★★★★★☆☆☆
元韻踏合組合のOHYAが達磨様と改名し(現在は更に「だるまさん」に改名)、2005年3月18日に発表した1stフルアルバム。アルバムとしてのサイズは小振りながらも、音楽的向上心に溢れた聴き応えのある作品ではある。
韻踏脱退組のAKIRA,MINT,そして達磨様は韻を踏むことに際して、AKIRAはコミカルなフロウで、MINTは逆にノリとしてのフロウを押しつぶす事で、達磨様は抜けの良い声とリズミカルなフロウでそれぞれ韻の魅力を引き立てていた。この三者三様のライミングへのアプローチが、韻踏というグループの中では非常に個性的で楽しかったし、今なお脱退が惜しまれる理由でもあるだろう。AKIRAのソロ作は聴いていないのでわからないけど、2007年に世に出たMINTのソロアルバム「after school makin' love」は彼ののっぺり引き伸ばされたフロウとそれに強調される韻がサウストラックと妙な調和を生み出していて、今なお聴き飽きない良作だ。このアルバムでの達磨さんも、自身のリズミカルなフロウをソロでの転向を機に、よりダイナミックな方向へ向けている。
つまりそのリズミカルさがこの作品では突き抜けていて、歌い上げるフロウを多く取り入れることに。彼の聞き取り易い声と何度も言っているリズミカルさは、なるほど歌うことに対して普通のラッパーよりはだいぶ向いていると言えるだろう。そのフロウをラップに比重においた成功例としてMr.Fukusanの音の上でテンポ良く進める「ある愛の狂想曲」、歌に比重を置いた成功例として「尻軽のメロディー」を上げることが出来るだろう。「ブッサイクなダ ブラットみたい だからハイ 油取り紙」は笑った。これまで通りの押せ押せな路線としては「破壊的」も中々。
ただこれ以外は使いまわしの踏み方も多くてあまりピンとくるものはなかったし、「美女と野獣」はちょっと歌い上げ方もしつこくて聴き疲れてしまう。作品としては見るべきところは多く、さすがの地力も見せてくれたけど、その天性の声とフロウがあまりにも制限無く暴れまわっている様を見ると、やはりグループの枠内で好き放題する方が映えるラッパーかな、とも思った。それでもこれまでのキャリアに胡坐かいて殿様商売な作品を届ける一部のベテランよりは、事実おもろいもんを届ける事が出来ているのは間違いないだろう。ラストの交差点シリーズは、Satussyが渋いけどあくまでもオマケ。
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