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1.Welcome to the Ghetto World
2.My City
3.Down With Us feat. SAY
4.DJ Mario's Interlude
5.Smooth Operator
6.Hood Sound Is Coming! feat. HOKT, TWO-J
7.Yoko Yoko Cruisin' feat. Kayzabro(DS455), MACCHO(OZROSAURUS)
8.Good Ol' Dayz
★★★★★☆☆☆☆☆
BIG RON,DJ MARIO,RICHEE,ONE-2の1シンガー1DJ、2MCから成る、横須賀に拠点を置くGHETTO INC.の1stアルバム。DS455率いるDSCrewより、2007年3月28日発売。ラップ入りの曲の全てをPMXが手掛ける。
この作品を聴く前から彼らの参加した音源は聴いていたけれど、やっぱりラップが酷い。曲自体はこのジャケット、風貌から想像されるようなギャングぶったリリックこそ無く、実は経験に基づく地に足着いた内容のものが多い。しかしその貧困な語彙からは、一般のリスナーが聞き飽きたような形式的な言葉しか吐き出されない。声だけは特徴的なRICHEEも、なまじ耳に残る声な割にリリックは全く頭に入ってこないため、聴き終えた後にはあの声だけが頭にこびりついて延々リフレインする。こんな言い方はなんだが、正直8曲で済んで良かった、と心底思った。ONE-2のラップは普通な声はともかく、更にリズム感を差し引いたようなものでとてもわざわざPMXに音を用意してもらうのに見合ったスキルとは言えない。
こうしてラップがアレなことでこの低評価だが、評価するポイントが無いわけでもない。ジャパニーズウェッサイのドン、PMXによるトラックの数々だ。このアルバムでの彼の仕事は過去の彼の作品と比べても(少なくともDS455の5thよりはずっと)高水準だ。仰々しいキーボードとアップダウンするドラムの迫力が凄い「My City」は、荒々しく猛る様がいつもの間延びした歌声よりもずっとカッコ良いBIG RONのシャウトとも相まってかなり良い。メロウなブツ切りファンク「Down With Us」の作りもかなり気持ち良いし、一方で明らかに1stの頃のWestside Connectionの音とHOOKを目指した「Hood Sound Is Coming!」や、完全にDS455のノリで突っ切るドライヴチューン「Yoko Yoko Cruisin'」だって魅せてくれる。
これだけの音を作ったなら、MACCHOかせめてDSの新作に充てれば良かったのに…なんて勿体無い。ともあれインストとして聴きたくなる音を届けたPMXの絶好調ぶりによって何とか持った作品。BIG RON以外のメンバーの名前をDSCrew周辺以外ではほとんど見かけないことに改めて納得した。因みにMACCHOは「Hysterical」の語尾上げフロウです。